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米国は北朝鮮を攻めるか 本社コメンテーター 秋田浩之2018年1月19日

2018/1/19 2:30 日経 南北対話が開かれ、北朝鮮危機の打開を期待する空気が一部に生まれている。北朝鮮も表向きは、挑発を抑えぎみだ。

 だが、残念ながら、これはつかの間の静けさにすぎないだろう。北朝鮮は、核ミサイルの開発をやめるつもりはないからだ。平昌冬季五輪が2月下旬に終われば、危機が再び高まるとみるべきだ。

 米政府内の分析によれば、北朝鮮は年内にも、米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成させかねない。そのとき、危機は重大な局面を迎える。

 トランプ政権の選択肢は2つに絞られる。ひとつはICBMを廃棄させるのはひとまずあきらめ、軍事圧力によって、それを使わせないようにする抑止策。もうひとつは脅威を除去するため、先制攻撃を辞さない路線だ。

 このどちらを選ぶべきなのか、米安全保障関係者の議論が熱を帯びている。その行方は米政権の対応を占うヒントにもなる。

 そこで、北朝鮮がICBMを持った場合の対応について、ワシントンで米政権内外の関係者らに意見を聞いてみた。先制攻撃の反対派と容認派がほぼ拮抗し、せめぎ合っているように思えた。

 印象的なのが、米政権内の議論に通じた米安保専門家の次の言葉だ。「先制攻撃策をめぐる賛否はほぼ五分五分だ。どちらに軍配が上がるか、予測がつかない」

 攻撃反対派が唱える主張は、戦争のコストはあまりにも大きいうえ、それに見合う結果を期待できないというものだ。多く聞かれたのは次の分析である。

 ▼北朝鮮の核施設は地下にあるうえ、ミサイルは移動式もあり、場所を特定するのが難しい。

 ▼仮に核やミサイルを見つけられても、空爆すれば、北朝鮮が激しく反応し、全面戦争になってしまう。

 ▼全面戦争なら、数万~数十万人もの死傷者が韓国内に出るという試算がある。そんな作戦に韓国が同意するはずがないし、戦場になる彼らの反対を振り切って開戦するわけにもいかない。

 この問題に詳しい元米政府高官は語る。「3年ほど前までなら、全面戦争も選択肢になったかもしれない。だが、もはや無理だ。北朝鮮が核ミサイルを日韓に使う危険もあるからだ」

 そこで彼らが唱えるのは、先にふれたように、北朝鮮に核を使わせない抑止策を徹底する路線である。具体的にはこうだ。

 まず、金正恩(キム・ジョンウン)委員長に「米国や同盟国に核を使ったら、必ず米国の核報復を受ける」と、繰り返し警告する。それがはったりではないと悟らせるため、核を搭載できる爆撃機や潜水艦を今よりもひんぱんに北東アジアに展開する――。

 強大な米国の核戦力の圧力により、北朝鮮の行動を抑止し、核ミサイルの脅威を封じ込めるというわけだ。

 これに対し、攻撃も排除すべきではないと考える人々は、反対派がいうほど軍事行動のコストは甚大ではなく、実行できるとみる。その代表例が、米国防総省のブレーンによる次のような見立てだ。

 ▼長年の情報収集により、米軍は北朝鮮の主なミサイル施設の場所はつかんでいる。移動式のミサイル発射台の動きも通信傍受などで、ある程度、追える。

 ▼「韓国内で数万~数十万人の死傷者」という試算は、1990年代半ばのものだ。その後、米軍の能力は大きく進歩した。そこまでの犠牲者を出す前に、北朝鮮軍を壊滅させられるだろう。

 ▼韓国は各地に地下にシェルターを設け、避難訓練も重ねてきた。90年代よりも、北朝鮮軍の火砲やミサイルに耐える社会の体制も整っている。

 これら攻撃容認論の底流にあるのは、ICBMの保有を許したら北朝鮮はがぜん強気になり、制御できなくなるという不安だ。別の元米高官はこう危惧する。

 「ICBMを持てば、米国はもはや自分たちに手出しをできないと信じ、北朝鮮はあらゆる次元で軍事挑発を強めるだろう。日韓にテロや限定攻撃を仕掛け、米軍の撤収を迫ることも考えられる。そんな事態を許せば、日米、米韓同盟も崩れてしまう」

 さらに、北朝鮮は核ミサイルの技術や部品を他国に輸出しかねない、という不安も根強い。実際、北朝鮮はかつて、シリアに核技術を供与した“前科”がある。

 このまま北朝鮮が核ミサイルの開発に突っ走った場合、トランプ政権はどちらの路線に傾いていくのだろうか。カギを握るのは、2つの変数だ。

 ひとつは重要側近の意見がどちらに集約されるのかである。いまはマティス国防長官やティラーソン国務長官が平和解決に軸足を置いているのに対し、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は「北朝鮮は抑止できない」と分析。微妙に異なる立場をとっているという。

 もうひとつの変数は、トランプ大統領がどう考えるかだ。当然、こちらが決定的な要素になるが、ワシントンで会った誰もが「彼は予測不能だ」と語る。

 それでも一点だけ確かなことがある。トランプ氏はこの問題でも、米国ファーストの発想は捨てないということだ。

 今週、カナダに20カ国の外相が集まり、対北政策で協調をかかげた。だが、トランプ氏は結局、どうすれば米国が安全になるのかを最優先に考え、決断を下そうとするだろう。

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メルケル独首相が呼んだ円高 経済部 福岡幸太郎2018年1月15日

2018/1/15 11:54  日経web
 
 

 15日午前の東京外国為替市場で、円相場は対ドルで一時、4カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。きっかけは先週12日にドイツで二大政党が大連立協議入りで合意し、対ユーロでのドル売りが進み、円にも波及したためだ。市場関係者からは週内に1ドル=110円程度まで円高・ドル安が進むとの声が出ている。

 「今日は特に円買いの材料が出ていないのに、トレンドに乗って円が買われている」。みずほ証券の鈴木健吾氏はこう話す。15日午前、円相場は一時1ドル=110円60銭台と4カ月ぶりの高値を付けた。円以上に買われているのがユーロで、対ドルで約3年ぶりの高値圏で取引されている。

 12日夜に海外市場で進んだ対ドルでのユーロ高、円高の流れが東京市場でも続いている。12日にメルケル独首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と第2党のドイツ社会民主党(SPD)が、大連立政権へ協議に入ることで合意した。ドイツは17年9月の議会選挙で与党が大きく議席を減らし、その後の連立協議が難航して政治不安が高まっていた。

 市場では「週内は一時的に1ドル=110円前後まで円高・ドル安が進む可能性はある」(みずほ証券の鈴木氏)との声が出ている。ドイツの政治不安の解消はほぼ織り込まれたものの、円高・ドル安トレンドが続くとの見立てだ。

 投機筋の動きも気がかりだ。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円の売り越し幅は9日時点で12万5536枚と前週比で売り越し幅を広げている。みずほ銀行の唐鎌大輔氏は「これ以上売り越し幅が拡大するとは思えない」として、投機筋の円買いが進む可能性が高いと見る。唐鎌氏は月内にも1ドル=110円を割り、円高・ドル安が進むと話す。

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パワーカップル マンション厳冬市場の熱源2018年1月15日

 2018/1/13 6:30

日本経済新聞 電子版

 3年連続の供給戸数4万戸割れ――。不動産経済研究所(東京・新宿)がまとめた2018年の首都圏新築マンション供給戸数予想は寂しい内容だ。ただ、市場の冷え込みも何のその、ポンポンと買っていく人たちもいる。「パワーカップル」と呼ばれる、夫婦共働きの実力世帯だ。

 
東急不動産の高級マンション「ブランズ六番町」

東急不動産の高級マンション「ブランズ六番町」

 東京都千代田区の高級住宅街、番町。東急不動産が「常識破り」の物件を近く投入する。「ブランズ六番町」。売り出す戸数は39戸だ。最低価格は1億4千万円、最高価格は5億円台にもなる。

オール億ション

 「株価が26年ぶりの高水準にあり、富裕層には資産効果が表れている」(佐藤知之・住宅事業ユニット販売統括部長)。それでもすべて「億ション」というのは驚きだ。

 セオリー(定説)に従うなら、億ションは全体戸数の2~3割というのが相場。残りは1億円未満に抑える。「様々な所得層を取り込める価格帯に設定して販売期間の短縮を狙うのが通例だ」(不動産コンサルティング会社、トータルブレインの久光龍彦社長)

 だが、東急不動産は強気の姿勢を崩さない。「東京の希少性の高い立地ならこの水準でもまだ安い」と佐藤統括部長。実際「ブランズ六番町」は2月の売り出しを前に反応は上々。17年に会員向けに限定した販売した分のうち、すでに半分は契約済みとなった。

 東急不動産は今後も年に1件は、こうした物件を投入する計画だ。都心物件の販売チームの人員を17年度から増員し、高級物件を中心に販売を強化していくという。

 冷え込む市場、攻めるデベロッパー(マンション開発会社)――。違和感のある組み合わせだ。いったいデベロッパーは何を攻めるのか。

 標的はパワーカップルだ。この層をうまく引き込めれば、冷え込みが厳しくても物件は確実に売れる。

 パワーカップルの大まかな定義は「購買力のある共働き夫婦」(ニッセイ基礎研究所の久我尚子・主任研究員)。世帯年収については「1000万円以上」、「2000万円以上」と諸説あるが、久我氏は2人とも年収が700万円超の夫婦をパワーカップルとする。いずれにしても、マンション市場で主導権を握っているのは、2人ともフルタイムで働く夫婦だ。

 

 パワーカップルの最大の強みは資金力だ。代わりに不足しているのが時間だ。しかも、子どもはいないか、いても1人であることが多い。だから住環境よりも利便性を重視する。

 「最寄り駅まで徒歩8分以内、(オフィス街の)東京駅や大手町駅まで乗り換えなしで15~30分」(トータルブレインの久光社長)。これが首都圏のパワーカップルが好む物件の最大公約数的条件だ。価格は二の次。だから、いい物だと判断すれば迷わずに買う。

 ついにここまで来たか――。パワーカップルの実力に三菱地所レジデンスの担当者が驚いた。

 17年秋に発売した都心の駅近物件(販売戸数70戸程度)の購入者リストには「ペアローン比率30%」の数字が記されている。夫婦が個別に住宅ローンを組み、これを合算してマンションを購入した世帯の割合が3割に達したのだ。インターネットで手続きして直接資金調達した人たちを含めると4割近くがペアローンによる購入者だと想定される。このペアローンこそパワーカップルの最大の武器だ。

 ペアローンを利用した30代のパワーカップルが取材に応じてくれた。

 この夫婦が17年に購入したマンションの広さは55平方メートル(2LDK)で価格は6600万円。首都圏における単位面積あたりの平均価格で見ると、約1.5倍する高級物件だが、「最寄り駅から徒歩7分、(2人の勤務先がある)渋谷まで電車で9分という利便性に大満足している」。

控除が後押し

 夫は金融機関、妻はメーカーに勤務する。いずれも正社員で個別にローンを組む力があり、合わせて6100万円を借り入れた。月々の支払いは夫が9万2800円、妻は6万8000円。決して小さな額ではないが「負担感は小さい」と口をそろえる。なぜなら住宅ローン控除が大きくなるからだ。

 仮にこの物件で6600万円の35年ローン(年利0.625%)を組むと、返済総額は7350万円になる。1人でローンを組むのであれば、控除額は最大400万円。実質的な返済総額は約7000万円になる。

 だが、2人でローンを組めば控除額は最大566万円になり、実質的な返済総額は約6800万円に減る。夫婦のどちらかだけでローンを組んだ場合より、200万円程度得になる。

 しかも、利便性が高ければ、購入した物件が値下がりするリスクは低くなる。賃貸住宅に支払う家賃と住宅ローンを比べてほぼ同じなら、分譲マンションを買い住宅ローンを払うのがパワーカップルの選択だ。

 「城西(世田谷区や杉並区など)は無理しなくてもいい」。大京の事業統括部の藤原純一・室長は東京での用地仕入れについてこんな方針を出した。藤原氏が代わりに出した指示が「城東(墨田区や江戸川区など)を攻めろ」だ。

 大京が年間目標とする供給戸数は2500戸。しかし、16年は1200戸にとどまった。供給を増やして目標を達成するには用地取得を増やすことが必須。しかし、人気の城西エリアにはあまり用地は残っていない。これまでデベロッパーとの競合が激しくなく、大京の「ライオンズ」ブランドが強い城東エリアを再発掘する。

 狙うのは、パワーカップルが好む都心に直結する駅の近くの土地だ。16年3月期に供給を開始した物件の購入者の調査をしたところ「駅から徒歩10分」の物件の購入者に比べ「駅から5分以内」の物件購入者に占める共働き世帯の比率が圧倒的に多かった。この世帯こそターゲットと、しらみつぶしに土地情報を収集する。「地方銀行はもちろん信用金庫まで足を運ぶ」(藤原室長)

 

 不動産経済研究所によると、17年の首都圏の新築マンション供給戸数は「4万戸割れは確実な情勢」(企画調査部主任研究員の松田忠司氏)。18年も3万8千戸と予測しており回復の兆しは見えない。だが、デベロッパーに悲壮感はない。それは、ターゲットを正確に見定めていけば売れるという確信があるからだ。かつてない冷え込みの中でパワーカップルを射止めようとするデベロッパーの競争が始まった。

(企業報道部 前野雅弥)

 

[日経産業新聞 2018年1月12日付]

 
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米軍司令官「五輪後に米韓演習」 小野寺防衛相と会談2018年1月10日

 
 
 

日経web

 【ホノルル=田島如生】米ハワイ州を訪問中の小野寺五典防衛相は9日午前(日本時間10日朝)、在日米軍や在韓米軍を指揮下に置く米太平洋軍トップのハリス司令官と会談した。ハリス氏は米韓両国の合同軍事演習を2月上旬からの平昌冬季五輪後に実施する意向を表明した。パラリンピックが終わるのは3月18日。それ以降の再開を明言したものだ。

 小野寺氏が会談後、記者団に明らかにした。北朝鮮の核・ミサイル開発を抑えるため、軍事演習を続けていく重要性でも一致した。ハリス氏の発言は韓国と北朝鮮の南北閣僚級会談をきっかけに北朝鮮が韓国を懐柔し、軍事演習再開に圧力をかける事態を見越した。

 会談で小野寺氏は「米韓軍事演習は延期になっているが、継続するのが重要だ」と指摘。ハリス氏は「今のところ五輪後に予定通り実施するのは変わっていない」と応じた。

 両氏は日米や日米韓で連携し、北朝鮮への圧力を最大限まで高めていくと申し合わせた。

 米韓両国は平昌五輪の開催期間中、合同軍事演習を実施しないことで合意している。南北の対話を進めたい韓国が、かねて演習の中止を求めてきた北朝鮮に配慮し延期を模索。米国も受け入れた経緯がある。

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米朝戦争への備え、中国軍が異例の全軍訓練  編集委員 中沢克二2018年1月9日

2018/1/9 6:50
日本経済新聞 電子版
 
中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

 2月の韓国・平昌冬季五輪への北朝鮮の参加などを巡る南北協議をよそに、中国全軍が臨戦態勢に入った。

 「1月3日、初めて全軍の訓練開始大会を緊急に開き、(国家主席の)習近平が自ら訓令を発した。米軍の北朝鮮攻撃は今後、いつだってありうる」「(中国)海軍陸戦隊の某所における訓練もその一環だ」「南北融和どころではない。米国の動きを感じ取った中国は戦争間近と判断している。核放棄がない場合、動くなら早ければ早いほどよいはずだ。五輪後が怖い」――。2017年末以降、複数の朝鮮半島、中朝関係者らが発した警告である。

■4千の分会場つなぐ全軍への叱咤

 
1月3日、初の全軍訓練開始大会で訓令を発した後、軍を視察する習近平国家主席(中央、河北省)=新華社・共同

1月3日、初の全軍訓練開始大会で訓令を発した後、軍を視察する習近平国家主席(中央、河北省)=新華社・共同

 1月3日、中央軍事委員会が史上初めて実施した年頭訓練開始動員大会は異様な緊張に包まれた。主会場は零下の中部戦区(北京、河北省など)の陸軍射爆場。約7千人もの兵士を前に、厚手の防寒軍服を着た習近平が訓令を発した。

 しかも、全国の軍用空港、軍港、ミサイル基地など4千の分会場をつなぎ、陸・海・空・ロケットなど全軍が参加した。

 トップ就任から5年にすぎない習は、すでに2回も軍事パレードを行った。15年9月と17年7月だ。長い準備を経て実施した、過去2回の参加兵士は1万2千人。今回は内外に見せるパレードでもないのに、規模が大きすぎる。まるで3度目の軍事パレードだ。

 「全軍の各層は兵を鍛えて戦いに備えよ」「苦難も死も恐れるな」。習近平は年頭に当たり臨戦態勢を取るよう激励叱咤(しった)した。全軍の兵士らは、朝鮮半島情勢の厳しさを瞬時に理解しただろう。中国は武力行使に強硬に反対してはいるが、米大統領のトランプが決断してしまえば誰も止められない。

 

 北朝鮮トップの金正恩のみ排除する「斬首作戦」、北朝鮮の軍事機能を停止させる電撃作戦……。どんな状況でも動ける周到な頭の体操が必要になる。もちろん習近平は勝てるはずもない米軍との激突は避けたい。とはいえ万一、米軍が中国の反対を押し切って北朝鮮領内に踏み込むなら、中国は権益確保へ軍を動かす覚悟が要る。

 その時、中国軍は朝鮮戦争(1950~53年)のように中国東北部から国境の大河、鴨緑江を越えると、多くの関係者が思い込んでいる。だが、それでは迅速に北朝鮮の中心部、首都の平壌まで到達できない。平壌は中朝国境から距離があるのだ。

 朝鮮戦争では、開戦直後に、北朝鮮軍が勢いに乗って押しまくった。南部の釜山に追い詰められた国連軍は、起死回生の作戦にかける。マッカーサーによる仁川上陸作戦である。朝鮮半島の西海岸に海から回り込んで上陸し、戦局を打開する奇手だった。反対も多かった危険な作戦は成功を収めた。

 万一、戦いが始まるなら中国軍は68年前の米軍と同様に、朝鮮半島の西海岸に上陸する手がある。平壌は目の前だ。米軍と直接、戦わないにしろ、平壌付近を押さえれば優位に立てる。

 西海岸への上陸は、マッカーサー以前にも例がある。6世紀末からの中原の覇者、隋の煬帝は高句麗と戦った。高句麗は朝鮮半島北部から現中国東北部まで支配した強国だった。

■海軍陸戦隊も山東半島で訓練

 
2018年元日の演説でくせ球を投げた金正恩朝鮮労働党委員長=朝鮮中央通信撮影・共同

2018年元日の演説でくせ球を投げた金正恩朝鮮労働党委員長=朝鮮中央通信撮影・共同

 隋軍は二手に分かれて高句麗の都、平壌に迫る。鴨緑江を越える主力軍と、山東半島から船で朝鮮半島西海岸に上陸する水軍だ。煬帝は大軍を繰り出して何度も戦うが、時に大敗して疲弊し、ついに隋は壊滅する。

 次は隋に取って代わった唐朝が、高句麗と対峙する。唐軍も高句麗侵攻で海路も使った。山東半島の●(ライ、くさかんむりに来)州(現在の山東省煙台)から黄海を跨いで朝鮮半島西海岸に上陸したのだ。668年、高句麗はついに滅びた。

 海をまたぐ現代戦に必要なのは、機動部隊である。米海兵隊に倣う中国海軍陸戦隊を使えば、迅速に平壌付近へ近づける。上陸用舟艇に陸戦隊、水陸両用車を乗せて一気に渡海すればよい。

 興味深いことに、中国国営テレビニュースは1月3日、虎の子の海軍陸戦隊を堂々と紹介した。習の全軍訓示の際は、陸戦隊にも焦点を当てた。これこそ危険な朝鮮半島情勢に備える動きだ。

 陸戦隊の拠点は、朝鮮半島から遠い広東省湛江にある。だが、実際の訓練地は別だ。山東半島である。中国初の空母「遼寧」の母港、青島など海軍基地が多い。17年12月上旬、陸戦隊は山東半島の複数の軍港で装備を船で素早く運ぶ訓練にいそしんでいた。中国軍網などの公式報道である。

 「陸戦隊は海軍5大兵種の一つで、何度も海外で先鋒を務め、陣頭に立つ人民軍の名刺的な存在」。こう紹介する。万一の場合、習近平は隋の煬帝、唐の太宗、そしてマッカーサーにならう渡海作戦を決行する可能性がある。その起点は山東半島かもしれない。

 一方、陸から北朝鮮に踏み込む中国軍には、別の任務がある。中朝国境から北朝鮮に百キロほど入れば、豊渓里(プンゲリ)の核実験場を含む核関連施設を押さえ込める。

 北朝鮮は主要な軍施設を中朝国境に置く。米軍の攻撃を受けにくいからだ。もし空爆が中国側に及べば米中戦争につながるため、米軍は二の足を踏む。つまり北朝鮮は、中国を人質にとってきた。

 米軍のピンポイント爆撃が成功しなかった場合、戦局は混乱する。その時、中国軍は動かざるをえない。名目は北朝鮮から難民流入の防止である。しかし、それなら百キロも踏み込む必要はない。

■腹を固めたのは11~12月か

 
「私の核ボタンはもっとパワフル」とつぶやいたトランプ米大統領=ロイター

「私の核ボタンはもっとパワフル」とつぶやいたトランプ米大統領=ロイター

 では、習近平が中国軍も臨戦態勢に入らざるをえないと腹を固めたのはいつなのか。それは17年11月から12月にかけてである。

 9月の北朝鮮の核実験で、金正恩はトランプが引いたレッドラインを越えた。11月初旬の北京での習・トランプの密談、続く11月末の米ワシントンでの米中両軍の参謀部同士の意見交換を経て、覚悟を決めるしかないという判断に至ったのだ。

 だからこそ、吉林省共産党委員会の機関紙、吉林日報まで「核戦争に備えよ」という異様な特集記事を12月上旬に掲載した。その経緯は、先にこのコラムで紹介した。

 いま中朝国境の中国側にある吉林省と遼寧省、そして黄海の向こうが朝鮮半島である中国・山東半島は、米朝戦争への備えを着々と進めている。

 米中朝は、極めてあやうい心理戦を戦っている。主役の一人が習近平である。共産党大会をようやく乗り切ったとはいえ、再び大きなプレーシャーにさらされている。ストレスは相当なものだろう。

 一方の主役、金正恩は元日、核の実戦配備と、五輪参加を絡めた南北対話という硬軟取り混ぜたくせ球を投げた。「核のボタンは私の机の上にいつも置かれている」

 その脅しにトランプが言い返した。「私も核ボタンを持っている。だが、彼のよりもっと大きく、もっとパワフルだ」

 一方で、数日後には、条件次第で金正恩との電話協議も「問題ない」と付け加えた。俺の方が強いぞと虚勢を張る半面、下手に出るなら話してやってもよいとする子供同士のケンカのようだ。とはいえ、決して笑い話では済まされない。異常で危険に満ちた18年の始まりだった。

(敬称略、『激震・習政権ウオッチ』は毎週火曜朝に公開します)

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漁民以上、工作員未満 【調査会NEWS2627】2018年1月5日

2018年1月 5日荒木和博blogより

荒木さんの考え過ぎならいいけどね。用心はするに越したことはない。

http://araki.way-nifty.com/araki/2018/01/news26273015-3c.html

 昨年11月23日、秋田県由利本荘市のマリーナに北朝鮮船が「漂着」して8人が上陸した事件ですが、地元の方によれば漂着は物理的にあり得ず、操船しなければマリーナに入れないとのことだそうです。事態発覚後の県警と海保の連絡も悪く、証拠品を逸失するという不手際にもつながってしまいました。結局その真相は分からないまま、船員は北朝鮮に返されています。

 考えてみればそれ以外の事件でも、船がほとんど無傷なのに人が乗っていない、遺体もないというようなケースもありました。一昨年5月、山口県長門市の青海島に上陸した北朝鮮の男性は「近くまで友人の船でやってきてポリタンクを浮き輪代わりに海に飛び込んでたどり着いた」と言っていたことになっていますが、これももちろんあり得ないことです。この理屈が通るなら、そのうち「かもとりごんべい」の話のように空からやってくる人が出てくるかもしれません。

 一方、少なくともかつての工作員上陸の手順とはかなり異なります。工作員が上陸するのならこんなに大量の遺体が流れ着いたりはしないだろうとも思えます。しかし、「漁民以上、工作員未満」ということであればありうるのではないか。いずれにしても北朝鮮当局の何らかの意図があって行われていることでしょう。

 過大なノルマを課せられて無理に出漁して遭難したとか、イカを中国に売って儲けようとして遭難したという説もあり、全てを否定できるわけではありません。そういうケースが混じっている可能性もあります。しかしそれを除いても北朝鮮船・人の漂着は実は表に出ているよりはるかに深刻な問題であり、政府が分かっていながら隠してきたということではないのか。だとすれば拉致問題と全く同じパターンになります。

 一旦政府発表を全部ゼロベースにして事態を検証する必要があると思っている次第です。

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米、北朝鮮への警戒解かず 演習延期は米軍に利点も2018年1月5日

  • 日経web  2018/1/5 17:30
  • 時間は北朝鮮に味方するのにね。
  【ワシントン=永沢毅】トランプ米政権は南北会談の開催合意を巡り、北朝鮮が米韓両国の分断を狙っているとみて警戒姿勢を崩していない。核・ミサイル開発資金の遮断に向けた圧力の強化が一定の効果を表しつつあるとみており、北朝鮮の出方を見極めつつ今後も「最大限の圧力」を続ける構えだ。
横須賀港に停泊中の米空母ロナルド・レーガン

横須賀港に停泊中の米空母ロナルド・レーガン

 「我々が主導する『最大限の圧力』がなければ、北朝鮮が韓国と連絡をとることはなかった。圧力強化が機能していることの表れだ」。米国務省のナウアート報道官は4日の記者会見で、こんな見方を示した。圧力強化によって経済的に追い詰められつつある北朝鮮が、制裁緩和につなげようと状況打開を図っている――との見立てだ。

 9日の南北会談で取り上げる韓国・平昌五輪・パラリンピックへの参加はその格好の誘い水になる。マティス米国防長官は記者団に、北朝鮮の対話姿勢が「真摯な和平の申し出なのか、ごまかしなのかは分からない」となお懐疑的な姿勢を崩さなかった。

 4日に発表した米韓合同軍事演習の延期もあくまで「五輪の安全確保」が名目だ。北朝鮮への圧力が弱まったと受け取られないよう予防線を張った。マティス氏は演習は3月のパラリンピック後に実施すると明言した。

 同時に、米国は「我々の理解としては、今回の南北対話で扱うテーマは五輪やその他の国内問題に限られる」(ナウアート氏)と韓国にクギを刺すことも忘れなかった。核問題やそれに関わる制裁は取り上げないようけん制したといえる。

 トランプ政権が五輪・パラリンピック期間中に米韓合同軍事演習を実施しないことを決めたのは、米軍の運用上好ましいとの米側の事情もあるようだ。閉会後に再開する軍事圧力をより大きくできるからだ。

 仮に五輪期間中に演習を予定通り実施すれば、緊張が高まって米朝が偶発的に衝突してしまう恐れも出てくる。ただ、その期間中は、横須賀港を母港にする米原子力空母ロナルド・レーガンが定例の点検・整備を終えていない時期にあたり、米軍は戦力面で万全ではない。

 逆に、パラリンピックが終了する3月18日以降に軍事演習を実施すれば、空母レーガンも整備をほぼ終えて投入が可能になる。現在、中東に展開する空母セオドア・ルーズベルトが米西海岸に帰投する途中に朝鮮半島周辺に立ち寄り、さらに同空母の交代で中東に向かう空母(おそらくジョン・C・ステニス)も回せば、昨年秋と同様に空母打撃群を3つ同時に半島周辺に展開して北朝鮮に圧力をかけられる。

 平昌五輪を理由に軍事演習を延期することは、五輪期間中の偶発衝突を回避することに加え、五輪後の圧力再強化のために時間を稼ぐという意味で米軍にとって「渡りに船」なのだ。

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台湾スパイ事件は沖縄、日本にとって対岸の火事ではない2018年1月5日

2018年01月05日 06:00
 

正月早々、気になるニュースが入ってきた。台湾の検察当局が明らかにしたところでは、スパイ罪で公判中の男を経由して、統一を主張する台湾のミニ政党「新党」に対し、中国政府の台湾政策の部署から20万ドルが流れたというのだ。

台湾司法当局「統一派政党幹部に中国から資金」 スパイ事件で異例発表(産経新聞)

中国による台湾での工作活動は昔から盛んで、2009年には台湾総統府の職員がスパイとして摘発されているが、在NYの中国語メディア「新唐人電子台」が昨年3月に報じたところによれば、少なくとも5,000人は台湾国内にスパイがいるという。同記事に出てくる中国の元外交官の話では、武力による台湾侵攻が難しいことから近年は情報戦による浸透に力を入れてきている背景がある。

ミニ政党に資金提供されていた背景

スパイとされる元留学生の人間関係の図解(自由時報より引用)

スパイ事件の捜査内容は公訴後も、核心部分のすべてが明らかにされるとは限らないが、今回、台湾当局が捜査結果を明らかにしたのは、中国政府による浸透ぶりが深刻に進んでいることへの危機感を募らせてのことだろう。国内世論への引き締めと国際社会への見せしめ、もちろん後者には中国政府に対する「いい加減にしろや、おい」という牽制もあるのではないか。

もうひとつ興味深かったのは工作資金の“相場”だ。すでに支払われたとされる20万ドルに加え、3年間で毎年1500~1600万台湾元(約5700万~6000万円)の支払いが約束された、と報じられている(新党は事件への関与を否定)。新党は1990年代、当時の李登輝政権の独立路線への反発から再統一を主張して結成。現在は立法院(台湾の国会)に議席はなく地方議員をわずかに擁する程度の勢力しかないが、主席(党首)の郁慕明氏は過去の大陸訪問で胡錦濤や習近平と面会を果たしており、中国政府側が一目置いていることがうかがえる。

工作資金の名目はオピニオンサイトの運営費用だったというから、なんだか他人事にも思えないが、それはともかく、中国軍の軍拡の脅威に直面している日本社会としても、お隣の台湾で起きているスパイ事件は「対岸の火事」として漫然と見ていられるだろうか。

日本でも顕在化している中国のスパイ活動

日本国内における中国の工作活動は、あまり明らかになることはないが、近年では、2012年に駐日大使館の一等書記官が虚偽の身分で外国人登録証を取得して銀行口座を開設し、民主党政権閣僚に接触していた「李春光事件がある。李春光容疑者は警視庁公安部の出頭要請を無視して帰国。日本で中国の外交官がスパイ事件で摘発されたのはこれが初めてだったが、日本が、中国によるスパイ活動や情報戦の舞台になっている現実を示すインパクトとしては小さくなかった。

そして2018年。対中関係で気になるのは沖縄だ。台湾の隣であり、尖閣のご当地だ。公安調査庁はすでに2016年12月時点で「内外情勢の回顧と展望」において、沖縄県内における米軍基地の反対運動世論の利用や、琉球独立を主張する団体との接触といった中国側の動向をレポートしている。コラムも作成しており、引用しておこう(28ページより、太字は筆者注)。

コラム「琉球帰属未定論」の提起・拡大を狙う中国

○平成25年(2013年)5月、中国共産党機関紙 「人民日報」は,中国社会科学院の研究者が 執筆した,「琉球の帰属は未定」などと主張する論文を掲載した。中国は、公式には「沖縄 は日本に帰属」との見解であり,「中国政府の立場に変化はない」(外交部報道官)と表明しているものの、その後も同紙が「沖縄返還協定は不法」と主張する研究者の論文を掲載する(8月)など,世論喚起を狙った動きが見られた。

○さらに、平成26年(2014年)以降は、「人民日報」海外版などが“専門家の論評”との体裁で 同論を掲載しているほか,5月には,中国シンクタンクなどが琉球に関する学術会議を開催し、「琉球独立」を標榜する我が国の団体関係者らを招待した。また、「琉球新報」が「琉球処分は国際法上、不正」と題する日本人法学者の主張に関する記事を掲載した際には、人民日報系紙「環球時報」が反応し、関連記事を掲載する(8月)など、中国側の関心は高く、今後の沖縄関連の中国の動きには警戒を要する

沖縄を舞台にした“チャイナゲート”リスク

安倍首相と会談する翁長知事(首相官邸サイト、15年4月)

そうした中で、今年は普天間飛行場の移設問題の地元である名護市長選(2月4日投開票)があり、11月には知事選を控える。

これまで日本の選挙で外国政府による介入が露見して注目された事例はあまり聞いたことがない。しかし、世界の諜報活動の近年動向をみれば、インターネットの普及によって敵国から情報戦を仕掛けられるリスクが顕在化しており、油断できない。

韓国大統領選における北朝鮮のネットを通じた世論工作の動向はしばしば指摘されている。2年前のアメリカ大統領選では、ロシアが自国と友好的なトランプ氏が当選するように、ヒラリー陣営へのサイバー攻撃などの介入があったことが司法当局の調べで明らかになっている(ロシアゲート事件)。

そうした世界のインテリジェンスの激しい暗闘が繰り広げられているなかにあって、日本社会は、老練な中国のスパイ活動に対し、あまりに無垢な気がしてならない。もちろん、ニュース女子問題が教訓となったように過剰な陰謀論や憶測は慎まなければならないが、台湾で活動資金を提供していたスパイ活動が明らかになった以上、警戒は必要だ。

ただし、だ。仮に中国側に工作資金を提供されるような人たちがいたとしたら、日本政府や本土の人たちが基地負担を押し付けてきた歴史的経緯から、「付け込まれる隙」を与えてしまったことになる。そういう不幸が現実のものとならないよう、日本政府は沖縄県民の声に最大限配慮する努力は欠いてはならないし、同時に沖縄の翁長県政もいたずらに国と不毛に対立する路線は修正すべきだ。

現実的に沖縄問題を一歩でも前に進める意味でも、中国によるスパイ戦のリスクに対する認識は日本国民が広く共有しておきたい。

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2017年12月30日

2018年、朝鮮半島の危機は最大限まで高まる(特別寄稿)

2017年12月24日 06:05

朝鮮中央通信より引用:編集部

2017年、アメリカにトランプ政権が誕生した。主要メディアでトランプ当選を予測した専門家は(私を含め)数名しかいない。同年、私の予測どおり北朝鮮の危機が高まった。いや、過去形で書くには早い。まだクリスマスから年末にかけ、何が起きても不思議でない。

北朝鮮はこれまでアメリカの祝祭日や米大統領の重要な演説日に核実験や弾道ミサイル発射を繰り返してきた(拙著『安全保障は感情で動く』文春新書)。日本のマスコミは今なお「北朝鮮はこれまで自国の重要な記念日に軍事的な挑発を繰り返してきました」(NHK)と報じているが、いわゆるフェイクニュースの類にすぎない。

げんに2017年も北朝鮮は(私が当欄で予測したとおり)7月4日の米独立記念日にICBM「火星14」を発射した。同年春、マスコミ御用達の「識者」らが、4月15日(金日成誕生日)と4月25日(朝鮮人民軍創建記念日)を「Xデー」と呼んだが、いずれの日も無事に過ぎた。同年4月に行われた北朝鮮の軍事挑発は(私が予測したとおり)キリスト教国アメリカにとって重要な「イースター」(復活祭)の朝となった。

そのイースターと並んで重要な記念日がクリスマスである。北朝鮮が行動を起こす可能性を否定できない。平穏無事に12月26日(米時間では25日)が過ぎても、油断は禁物。米軍を含めアメリカは官民あげてクリスマス休暇が続く。攻撃する北朝鮮にとっては都合がよい。ちなみに第1次朝鮮戦争も日曜日(キリスト教徒の聖日)に起きた。

アメリカにとっても都合がよい。「クリスマス休暇」を口実に、韓国に滞在する米軍兵士の家族を、安全な本国に戻す絶好のタイミングである。事実すでに多数の家族が韓国を離れた。今後いつ、何が起きても驚かない。

2017年を振り返ってみよう。1月1日、北朝鮮のキム・ジョンウン委員長が新年のあいさつで「米国本土に到達可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験の準備が最終段階に入った」と発表(国営朝鮮中央テレビ元旦正午放送)。加えて「最強の敵(米国)も手出しできない東の軍事大国だ」と挑発まじりに自画自賛した。

すると、トランプ次期大統領(当時)が「北朝鮮はつい先ほど、米国の一部に到達できる核兵器の開発の最終段階に入っていると発表した。そうはならない!」とツイート投稿。そこで北朝鮮は1月8日、ICBMを「任意の時刻と場所で発射する」と表明。同年2月12日の「戦略弾道ミサイル」発射に始まり、北朝鮮は新型弾道ミサイルを次々と発射。上記7月4日のICBM発射に加え、7月28日にも同じ「火星14」を発射。11月29日には、米本土東海岸を射程に収めるICBM「火星15」を発射した。その際「金正恩委員長は、新型の大陸間弾道ロケット『火星15』型の成功裏の発射を見守りながら、今日、ついに国家核戦力完成の歴史的大業、ロケット強国偉業が実現されたと誇り高く宣布した」(北政府声明)という(声明の翻訳は月刊「Hanada」2018年2月号掲載の西岡力論文に依拠。日本のマスコミは「核武力」と訳したが、「核戦力」のほうが軍事用語としても適切なので)。

まさに「売り言葉に買い言葉」のような展開である。やはり『安全保障は感情で動く』。

2018年はどうなるか。1月1日、キム委員長が何を語るか。まず、そこに注目したい。1月18日は、そのキム委員長の誕生日。翌2月には平昌オリンピックが、翌3月にはパラリンピックが開催される。その間も、米韓合同の野外戦術機動演習「フォールイーグル」と、指揮所訓練「キー・リゾルブ」が実施される。

こうした日程をにらみ、韓国のムン・ジェイン大統領は「五輪・パラリンピック期間中の米韓合同軍事演習の延期を米国に提案し、米国側も検討している」と語った(米NBCテレビ2017年12月19日放映インタビュー)。

なんとも困った隣国である。合同軍事演習の延期や中止は北朝鮮や中国が主張し続けてきたことではないか。もし演習を延期すれば、北朝鮮は「米国が譲歩した」と受け止める。そうした悪しき前例をつくるべきでない。米韓は予定どおり粛々と演習すべきである。

今後アメリカはどう出るか。その行方を占う上で、2017年12月12日の米ティラーソン国務長官発言を検証したい。日本のマスコミは「ティラーソン国務長官は今月12日、北朝鮮と前提条件なしで対話に入ることも可能だという考えを示しました」(NHK)と報じたが、これもフェイクニュースの類である。正確には以下の発言があった。

When do the talks begin? We’ve said from the diplomatic side we’re ready to talk anytime North Korea would like to talk, and we’re ready to have the first meeting without precondition. Let’s just meet and let’s – we can talk about the weather if you want.

https://www.state.gov/secretary/remarks/2017/12/276570.htm

上記のとおり「前提条件なし」(without precondition)での対話は最初だけ(the first meeting)。しかも米軍が38度線を越えて北上するシナリオを具体的にこう語った。

We have had conversations that if something happened and we had to go across a line, we have given the Chinese assurances we would go back and retreat back to the south of the 38th parallel when whatever the conditions that caused that to happen. That is our commitment we made to them.

ご覧のとおり、もし米軍が38度線を越えても(けっして駐留せず)南に撤退する(から安心しろ、黙認しろ)と中国に明言し約束している。12月5日の米国務省アダムズ報道官発言にも注目したい。米国営VOA放送の記者から「北朝鮮による米本土を攻撃する能力を阻止するために、最終的な手段として先制攻撃する可能性はあるか」と聞かれ、こう答えた。「米国は通常兵器と核兵器のありとあらゆる能力を動員し、同盟国である韓国と日本を防衛するとの約束を完全に履行する」。要は「先制核攻撃も辞さず」と明言したわけである(詳しくは鈴置高史・日経編集委員コラム「『北に核攻撃も辞さず』と言明した米国務省」)。米国務省を(圧力政策に反対し対話を求める)ハト派のごとく報じるのは妥当でない。

2018年、朝鮮半島の危機は最大限まで高まる。そう私は予測する。他方、安倍政権に近い著名な外務省OBや自衛隊の元将官らまでが「そうはならない」と「ダチョウの平和」を合唱している。失礼ながら、みな予測を外し続けてきたが、私は当ててきた。「虎の威」として、香田洋二(元海将)著『北朝鮮がアメリカと戦争する日』(幻冬舎新書・2017年12月刊)を借りよう。

「冷静な現状判断からは、『戦争にならない』という結論を導くほうが難しい」、「目前の一時的な平和を追い求めて、未来に目を閉ざすとき、その先に待つのは、より大きな戦争の悲劇か、あるいは永遠の恐怖」である。

その通りではないだろうか。残念ながら「明けまして、おめでとうございます」とはなるまい。

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上陸している 【調査会NEWS2619】(29.12.28)2017年12月29日

2017年12月28日荒木和博ブログより

 能登半島の石川県志賀町に北朝鮮船が漂着して1名の男性が保護されたという記事を見つけました。「こんなニュースあったかな」と思ってよく見ると一昨年、平成27年(2015)1月のものでした。ネットに載っていた日本テレビのニュースは次のようなものでした。
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 9日朝、石川県志賀町の海岸で小型の木造船が漂着しているのが見つかった。警察は、船のそばにいた北朝鮮籍とみられる男性1人を保護し、事情を聴いている。

 現場は志賀町の安部屋海岸で、9日午前6時20分頃、近くに住む人が岩場で座礁している小型の木造船を見つけ、警察や海上保安部に通報した。警察によると、船にはハングルや数字が書かれていて、警察は船の近くにいた北朝鮮籍とみられる50代前後の男性1人を保護して事情を聴いている。男性にケガはないという。

 また、船には浮きやロープがあり、保護された男性は「1人で来た」という趣旨の説明をしているということだが、警察と海上保安部は他にも乗組員がいた可能性もあるとみて、付近を捜索している。
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 漂着船と言いながら破損した部分は写真から見る限り見つかりません。しかも1人で来たなどあり得ないことです。警察と海保が捜査をしたとのことですが、海保の資料でこの年確認した生存者は1名となっていますから、残りはすべて上陸したのでしょう。ちなみにこの上陸した場所から志賀原発までは10キロもありません。

 色々な情報が入る度に確信を深めることになるのですが、11月下旬以来の一連の漂着は、少なくとも全てが偶然の遭難ではありません。そしてどういう人間かは分かりませんがすでに相当数の北朝鮮の、何らかの目的を持った人間が上陸しているはずです。2年前こういうことがあったなら、去年も3年前も起きている可能性があります。さらにこの1カ月ほど急増したのも何か別の意味があると考えて良いでしょう。

 海保はもとより警察も、さらには官邸もまともに情報を流していません。ひょっとしたらずっと危機的な状況が続いていて、それを隠してきたのではないかという疑惑すら生まれます。こんなことを続けていて、そのうち人命被害でも出たらパニックになることはまちがいありません。逆にこのことへの積極的対処は情報収集やいざというときの対応への準備など、間違いなく拉致被害者の救出にも直結します。

 鬱陶しいと思われるでしょうが休み中もこの情報は流し続けるつもりです。最悪テロをやることが目的だとした場合、年末年始は絶好の時期です。少なくとも心の準備だけはしておいた方が良いと思います。情報の拡散等ご協力よろしくお願いします。 

<「しおかぜ」の放送時間と周波数は以下の通りです>
22:00~23:00 短波5935kHz 6085kHz 7410kHzのいずれか
23:05~23:35 短波5935kHz 6085kHz 6095kHzのいずれか
01:00~02:00 短波6110kHz 7285kHz 7335kHzのいずれか
<調査会・特定失踪者家族会役員の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等>
※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。

・平成30年(2018)1月13日(土)13:30「拉致問題を考える川口の集い」(川口市主催)
・川口駅前市民ホール フレンディア(川口駅東口前、キュポラ4階)
・荒木代表・特定失踪者家族会藤田副代表が参加
・問合せ先 川口市福祉部福祉総務課(048-259-7929)
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・channelAJER(チャンネル アジャ)では代表荒木の担当する番組『救い、守り、創る』を送信しています。会員制ですが1回30分の番組の前半は無料で視聴していただけます。
http://ajer.jp
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※特定失踪者に関わる報道は地域限定であってもできるだけ多くの方に知らせたいと思います。報道関係の皆様で特集記事掲載や特集番組放送などについて、可能であればメール(代表荒木アドレス宛)にてお知らせ下さい。

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