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米減税規模10年で1.5兆ドル 法人税21%で共和党決着2017年12月16日

2017/12/16 7:58日経web

 【ワシントン=河浪武史】米共和党指導部は15日、35%の連邦法人税率を2018年から21%に引き下げる大型減税法案を最終決定した。週明けに上下両院で採決し、来週中の成立を目指す。個人所得税の最高税率も引き下げ、全体の減税規模は10年間で1.5兆ドルとなる。トランプ米大統領の大型選挙公約は、実現に大きく近づいた。

記者の質問に答える米共和党幹部(15日、ワシントン)=AP

 下院は早ければ19日、上院も20日に同法案を採決する方向で調整に入った。上院は与党・共和党が過半数ぎりぎりの52議席しか持たないが、税制改革に反対していた一部議員が15日に賛成票を投じる意向を表明。上院でも法案可決の見通しが強まった。トランプ米大統領は22日の議会閉会までに法案に署名して成立させる考えだ。

 焦点の連邦法人税率は18年から35%から21%に引き下げる。下院は18年に20%に、上院は急激な財政悪化を懸念して19年から20%に下げる案を可決していた。両院は税率の下げ幅を1%分抑えて財政に配慮する一方、18年から即時減税に踏み切ることにした。

 米企業の海外所得への課税も原則として廃止する。米税制はやや特殊で、企業が海外で稼いだ利益にも税を課す「全世界所得課税方式」だ。米企業は海外子会社から配当を受ける際に35%の高税率が課せられる(海外納税分は除外)ため、海外に2.5兆ドルもの資金をため込んだままだった。

 新たな税制法案ではこの配当への課税を原則なくす。米企業は海外留保資金を本国に戻して設備投資や企業買収に充てやすくなり、株主への配当増などで株価などの押し上げ効果も期待できる。

 個人所得税は現在39.6%の最高税率を37%に下げ、概算控除も2倍に増やす。子育て世帯への税額控除を拡充し、税制法案に反対していた一部上院議員も15日に賛成票を投じると表明した。

 減税規模は10年間で1.5兆ドルとなる見込みだ。トランプ氏が大統領選で掲げた減税案は同4兆~5兆ドル規模とされたが、議会は急激な財政悪化を不安視して減税規模を縮小した。ただ、それでも過去最大とされた2001年の「ブッシュ減税」を上回る規模となり、米国内総生産(GDP)を10年で最大3%押し上げるとの民間試算もある。

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「核戦争に備えよ」中国の警告に透ける危機感  編集委員 中沢克二2017年12月13日

2017/12/13 6:50

日本経済新聞 電子版
 
中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

 北朝鮮と国境を接する中国東北部の吉林省。12月6日、省共産党委員会の機関紙、吉林日報が掲げた大きな記事が中国内で波紋を広げている。

 中面の1面を割いて、万が一、核攻撃を受けたり、核爆発が起きたりした場合、住民らはどう身を守るべきかをまとめたガイドラインを掲載したのだ。そこでは原水爆の種類、仕組みの基本的な常識と、被爆時の防護方法をわかりやすい漫画付きで解説していた。

 遮る物がなければ爆心に背を向けて伏せろ、川の脇なら水中に潜れ、被爆した衣服は洗え、耳を掃除せよ、身体もシャワーで洗い流せ……。かなり具体的だ。記事中にはなぜ今、注意を喚起するのか具体的な説明はないが、読んだ住民らはすぐに情勢を理解した。危機が迫っているのだ、と。

 ■真珠湾攻撃と広島原爆を例示

 
北朝鮮と「対立する関係になっている」と明かした中国の最高指導部の一人、汪洋副首相(10月の中国共産党大会)=小高顕撮影

北朝鮮と「対立する関係になっている」と明かした中国の最高指導部の一人、汪洋副首相(10月の中国共産党大会)=小高顕撮影

 記事中には、一見してわかるヒントも隠されていた。敵の空襲は自然災害に似て予想外の時間や場所で起きるとし、過去の例として日本を2度も登場させた。

 まずは1941年の旧日本海軍による真珠湾への奇襲作戦である。「第二次世界大戦中、日本は100分足らずの時間で真珠湾を攻撃し、米太平洋艦隊をほぼ全滅させた」。続いて45年の米軍による広島への原爆投下を説明した。「広島原爆で5万の建物の81%が完全に破壊され、7万1379人が死亡し、6万8023人が傷を負った……」

 奇襲と原爆の組み合わせ。ここまで読めば、中国の一般読者も米軍による北朝鮮の核開発関連施設を狙った空襲と偶発的な核爆発、そして放射能漏れが絵空事ではないのだと理解できる。

 中国内では「記事は定例の注意喚起にすぎない」と説明されているが、信じる住民は少ない。吉林日報の報道直後、中央の共産党機関紙、人民日報系の国際情報紙、環球時報もこれと北朝鮮の核実験と関連付けながら国際情勢を論じた。

 9月3日の北朝鮮の核実験では隣接する吉林省内も大きく揺れ、地割れも見られた。その後も核実験が誘発した可能性がある地盤崩落による地震が数回あった。中国東北部の住民は見えない恐怖におびえている。地下核実験場は中朝国境から100キロメートル余りだ。放射能漏れも気になる。

 拍車をかけたのが11月29日未明の北朝鮮による2カ月ぶりの弾道ミサイル発射だ。朝鮮労働党委員長の金正恩(キム・ジョンウン)は、この「火星15号」発射で米本土に届くとする大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成を宣言した。

 金正恩は11月初旬の米大統領、トランプの訪中を凝視していた。原油輸出禁止の是非で中国国家主席の習近平と息が合わないのを見定めて再び挑発に出た。来年2月には韓国で平昌冬季五輪が開かれる。この前にトランプは武力を行使できないと見きっての行動だった。

 だが、予測不可能性が取引に勝つ要諦と公言するトランプの胸の内は読めない。「もしかしたら、ついにレッドラインを越えたのか……」。金正恩は恐怖の中にいるはずだ。

 北朝鮮問題など極東の些事(さじ)とみていた米国内でも核搭載ICBMが米本土に届くとなれば話は別だ。軍事行動オプションに備えて在韓米人をクリスマス前にも退避させるべきだとの主張も見られる。

 最近、雰囲気が一変したのは実は中国である。万一、米軍が金正恩を狙った「斬首作戦」に踏み切ったり、核関連施設をたたいたりすれば、いくらピンポイント攻撃と言っても中国に飛び火する。そのときに慌てても遅い。だからこそ吉林省当局は今回、あえて一般住民に警告したのだ。

 ■北京の地下核シェルターは今も

 もう一つある。北朝鮮が中国に核ミサイルを向ける選択肢である。習近平がトランプの要求に沿って北朝鮮向け原油供給を完全に止め、生活物資の供給も断てば北朝鮮は崩壊への道を歩む。

 金正恩には、糧道を断たれるのを防ぐため逆に中国を脅す手が残っている。米本土と違い中朝国境から700キロ余りの北京なら確実にミサイルを撃ち込める。

 実際、北朝鮮は5月の弾道ミサイル発射の際、搭載カメラから北京上空を映し出す奇異な映像をあえて公開した。事態悪化を想定し、中国全土が核ミサイル照準内にあると示唆したのだ。金正恩は米国に威嚇と秋波をセットで送る一方、準同盟国だった中国をも翻弄している。

 
 
 
 
1960年代の中ソ対立の頃、建設された頑丈な鉄扉を開閉する地下核シェルターは今、「蟻族」の住居として使われている(北京市内で)

1960年代の中ソ対立の頃、建設された頑丈な鉄扉を開閉する地下核シェルターは今、「蟻族」の住居として使われている(北京市内で)

 核戦争に備える中国。それは初めてではない。1960年代、ソ連や米国との核戦争を想定して工業地帯を内陸部に移し、都市には地下核シェルターを作った。それは現在も北京の古いアパートの地下にある。ハッチを回して分厚い鉄製扉を開けると、中には蚕棚のように区分けされた小部屋が並ぶ。そこは「蟻族」と言われる田舎から出てきた若者らの安住の地になっている。

 習近平にとって金正恩の動きは誤算の連続だった。中国最高指導部メンバーが金正恩に会ったのは2015年10月に訪朝した劉雲山が最後だ。17年5月に北京で開いた「一帯一路」国際会議と9月に福建省アモイで開催した新興5カ国(BRICS)首脳会議。いずれも習が開幕を宣言する直前、金正恩からとんでもない“贈り物”が届いた。弾道ミサイル発射と核実験だった。

 
中国最高指導部メンバーが金正恩氏(左)と会ったのは15年10月、平壌で軍事パレードを参観した劉雲山氏が最後になった(中国中央テレビの映像から)

中国最高指導部メンバーが金正恩氏(左)と会ったのは15年10月、平壌で軍事パレードを参観した劉雲山氏が最後になった(中国中央テレビの映像から)

 中国の堪忍袋の緒は切れかけていた。その緊迫した雰囲気は思わぬところに現れた。12月1日、先の共産党大会で最高指導部入りした副首相の汪洋が、ついに中国の本音を口にした。

 「中国にとって(北)朝鮮はかつて血で固めた友誼を結ぶ国だった。今はそうではなく、対立する関係になっている」

 訪中した公明党代表、山口那津男に告げた言葉だ。前から中朝関係の悪化を認める高官はいた。とはいえ最高指導部メンバーの政治局常務委員が「対立する関係」と対外的に明言したのは初めてだ。

 中朝友好協力相互援助条約は一方が攻撃を受ければ、もう一方が支援すると定める。だが、鋭く対立していれば話が違う。国連決議を無視する北朝鮮が空爆されても中国は助けないとの示唆でもある。

 同じ頃、中国の安全保障系シンクタンクの研究者はオフレコとしつつも戦争の危機が迫る緊迫感を醸し出していた。「中国は米軍の攻撃を止められないし、止めない」という吐露だった。

 中国外務省も動いた。外相の王毅が12月4日、見解を示したのだ。「2カ月ほどやや落ち着いていたが、再び緊張に向かっている。中国側が呼びかけてきた(対話の)機会を各国がつかめず、遺憾だ」。中国が唱えた「2つの暫定停止」の破綻を認めたのである。

 そもそも中国の提案は筋が悪かった。国際的に認められていない北朝鮮の核実験・弾道ミサイル発射と、承認されている米韓の軍事演習を同等に扱って取引しようというのだから。始めからできもしないことを中国は自己都合で追求してきた。

 ■「その時なって慌てるな」

 目的は何か。習近平はトランプが強く求める北朝鮮への原油供給の完全停止に二の足を踏んだ。それでも11月のトランプ訪中を見かけ上、成功に導くための見せ球が「2つの暫定停止」だ。中国が何も役割を果たさないと責められないようにする防波堤でもあった。

 トランプのアジア歴訪が終わった途端、金正恩はICBM発射という挑発に出た。中国もここらが潮時とみた。危険レベルが一気に上がった以上、深手を負わないうちに手じまいするしかなかい。

 本来なら中国は今、その老獪(ろうかい)さで金正恩とトランプのチキンレースを止める有効な手を打ちたい。とはいえ妙手はない。

 「中国はいつでも米軍が北朝鮮を攻撃する可能性があると見ている。汪洋、王毅の一連の発言の意図は一種のダメージ・コントロールだ」。中朝関係をよく知る識者は、中国の大きな変化に注目すべきだと指摘する。こちらも吉林日報の警告記事と同様、中国国民に「その時になって慌てるな」というメッセージを発している。(敬称略)

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中小は1.5%賃上げで法人減税 政府・与党案2017年12月11日

2017/12/11 13:30 日経web

 政府・与党は2018年度税制改正に盛り込む法人税減税案を固めた。大企業は1人当たりで前年度比3%、中小企業は1.5%の賃上げをすれば、法人税の負担を最大で20%減らす。あらゆるモノがネットにつながるIoT投資では、投資額の一部を法人税から差し引く。18年度から3年間の措置とし、賃上げや生産性の向上を促してデフレ脱却を後押しする。

 

 賃上げ税制には設備投資も条件に加える。大企業では平均給与等支給額を前年度から3%以上増やし、国内への設備投資が当期の減価償却費の9割以上の企業が対象になる。

 要件を満たせば給与支給総額のうち前年度より増えた部分の15%を、支払う法人税から差し引く。さらに社員研修など、人材投資を過去2年の平均より1.2倍以上に増やした場合は控除率を5%上乗せし、給与増額の20%分を減税する。従来の賃上げ税制では最大でも12%だった。減税の限度額も10%から20%に引き上げる。

 中小企業向けはさらに控除率を引き上げる。1.5%以上の賃上げをした場合、前年から給与を増やした分の15%を控除する。さらに賃上げ幅が大きく、人材への投資が手厚い企業は税優遇を深掘りする。賃上げが2.5%以上、人材投資を前期の1.1倍以上に増やすなどした企業は控除率を10%上乗せし25%まで引き上げる。

 減税の限度額は法人税額の20%とする。法人実効税率は18年度に29.74%まで下がる予定だが、税優遇を受けられれば実質的な税負担率は25%程度まで下がる。

 あらゆるモノがネットにつながるIoTに投資した企業も減税を受けられる。センサーやソフトウエアなどに5000万円以上投資した場合、最大で投資額の5%の税額控除を認める。

 労働生産性が年平均2%以上伸びることや、投資に対する利益率が15%以上などの目標を策定し達成できる見込みがあることが要件だ。このほかデータセキュリティー対策を専門家に確認してもらうことや、企業の内外でデータ連携することも要件に加えた。

 こうした要件を満たした場合は、法人税額の15%を限度に投資額の3%の税額控除を認める。さらに前年度比3%以上の賃上げをした場合は控除率を5%、減税の限度額も20%に引き上げる。

 賃上げに積極的に取り組み、IoTにも大きな投資をする企業は、実質的な法人税負担率が20%程度になる見込みだ。

 一方で業績が好調でも賃上げや投資に踏み込まない企業はすでにある一部の税優遇を使えないようにする。研究開発税制や地域未来投資促進税制など生産性向上に関する税制が対象だ。ただ、除外するのは大企業のみとする。利益が減少している企業には減税を継続して適用する。

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2030年への責任(4)不都合な現実 今こそ直視 痛みは分かち合うもの2017年12月8日

日経web

 日本の未来を探るため、取材班がこだわってきた地域がある。人口当たりの病院や病床数、医療費が常に上位に入る高知市。街を歩いて病院やクリニックの看板を数えるとすぐ両手に余る。「病院が介護施設などの代わりをしていた」と岡崎誠也市長。高齢化が全国平均の10年先を行くのに、介護で済む人を入院させていれば、医療費がどんどん膨らむのは自明だ。

  世代を超えた支え合いが求められている

病院に変化も

 高知の手ぬるい医療財政が破綻を免れるのは、公的保険という大きな器の一部にすぎないからだ。だが足元で変化が始まっている。

 「病院は機能の向上を求められるようになった。さもなくば淘汰だ」。JR高知駅前に病院を展開する近森会の近森正幸理事長は神妙に語った。医療保険の配分ルールがじわりと厳しくなり、治療の必要の乏しい長期入院は認められにくくなった。業態転換を余儀なくされる病院があり、退院を促される高齢者がいる。許されていた甘えが少しずつ通用しなくなってきた。

 では、いまの高知のように日本全体で3人に1人が高齢者になると何が起きるのか。団塊の世代が80代になる2030年の試算が衝撃を告げる。年金や医療、介護の隠れた債務はおよそ2000兆円。国が抱える1000兆円の借金の2倍もの負担が将来世代にのしかかる。人類が経験したことのない状況を迎える。

 厳しい未来予想図を前に、私たちはいまどうすべきだろう。取材班はヒントを求めてこの1年以上、現場を歩いてきた。話を聞いたのは有識者から公務員、年金受給者や高校生まで延べ数百人。ほとんどの人たちと「このままでは持たない」という思いを共有した。

刻々と財政悪化

 いま必要なのは世代や立場を超えた痛みの分担だ。公的サービスである「公助」の領域が小さくなり、不便を感じる人も出てくるはずだ。そのぶん皆が自己責任の「自助」に努め、周囲が手を差し伸べ合う「共助」を広げる。地道な取り組みが求められている。

 ところが目の前の政治には厳しい未来への責任が感じられない。高齢者に偏る社会保障を全世代に広げるという掛け声で進むのは保育所や幼稚園の無償化。2兆円もの税金を使って公的サービスの範囲を広げる。

 03~04年に厚生労働次官を務めた大塚義治氏が今日と似た風景に接したのは若手官僚だった1970年代。老人医療費が無料化された。「医療費が大爆発し、財政が大変なことになった。30年余りの仕事の大部分は高齢化対策だった」。退官から13年、財政はいまも刻々と厳しさを増す。

 医療と介護、生活保護や福祉。安心網の柱をなす諸制度が2018年春から同時に改まる。一斉点検は30年に1度しか来ない。不都合な現実から目をそらさず、厳しい選択に向き合う。私たち一人ひとりがそう思うところから始めるしかない。

(おわり)

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NHKの受信料制度は合憲だが時代遅れ2017年12月7日

 
2017年12月06日 22:30

NHKが受信料をめぐって視聴者に対して起こしていた訴訟の初の憲法判断として注目されていた最高裁判決は、双方の上告棄却という形で終わった。これを「合憲判決」と考えることは法的には間違っていないが、NHKの敗訴という面もある。判決要旨によると、最高裁はこう述べている。

放送法は、受信料の支払義務を、受信設備を設置することのみによって発生させたり、NHKから受信設備設置者への一方的な申込みによって発生させたりするのではなく、受信契約の締結(NHKと受信設備設置者との間の合意)によって発生させることとしたものであることは明らかといえる。

これは契約自由の原則という近代社会の根本原則である。誰かがあなたに「年額1万3000円振り込め」といって請求書を送ってきても、あなたが同意しないと契約は成立しないのだ。では具体的に、どの段階で契約が成立するか。この点について最高裁は、二審の東京高裁判決を支持している。

放送法64条1項は、受信設備設置者に対し受信契約の締結を強制する旨を定めた規定であり、NHKからの受信契約申込みに対し受信設備設置者が承諾をしない場合には、NHKがその者に対して承諾の意思表示を命ずる判決を求め、その判決の確定によって受信契約が成立すると解するのが相当である。

NHKは一貫して「承諾の有無に関係なくNHKが契約を申し込んだ時点で契約が成立する」と主張しているが、最高裁はこれを斥けた。これはNHKにとっては高いハードルだ。年額1万3000円を取り立てるために訴訟を起こすことは、費用対効果が見合わない。「民事訴訟を起こすぞ」なんて何の脅しにもならないのだ。

「受信料を税金と一緒に税務署が徴収しろ」という意見もあるが、これはNHKを国営放送にしろということだ。それでは政府の発表を一方的に流すことを義務づけられるので、先進国に国営放送はなく、独自の財源を工夫している。

NHKの受信料もそういう工夫の一つで、BBCの受信ライセンス料に近いが、違うのは受信料の不払いには罰則がないことだ。これも何度か改正の動きがあったが、「NHK国営化だ」という野党の反対で見送られた。そういう経緯を知らない人は「国営化しろ」というが、たとえば共産党政権になったら共産主義を礼讃する番組しか認められない。

このややこしい問題の答は簡単だ。NHKの電波にスクランブルをかけ、受信料を払った人しか見られない有料放送にすればいいのだ。BS受像機ではB-CASカードでそれをやっているので、地上波にもやればいい。インターネットやスマホでは「NHKアプリ」をつくってアクセス制限をかければいい。

こういう改革の最大の障害はNHKではなく、民放連である。NHKを有料放送にして民営化すると、彼らにとって大きな脅威が出現する。NHKがCNNのような24時間ニュースになると、くだらない民放の報道番組を見る人はいなくなるだろう。だが新聞も電波はタブーなので、まともに論じない。それがこの簡単な問題が難航してきた原因だ。

NHKは今まで政治のおもちゃになってきたが、インターネット時代にはそんなことはどうでもいい。受信料制度を廃止してNHKの「ソフトパワー」を解放すれば、世界に情報発信することも可能になる。大事なのは「国策放送」か「偏向報道」かという昔ながらの議論ではなく、NHKをテレビという枠から解放することだ。

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北朝鮮の弾道ミサイル発射が引き金引くアジア危機 韓国、台湾は暗黙の核保有国へ、日本は徴兵制もやむなし 2017.12.4(月) 矢野 義昭2017年12月7日

2017.12.4(月) 矢野 義昭
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51741

北朝鮮が11月29日、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射試験を再開した。中国の特使派遣も成果がなく、今冬にも朝鮮半島情勢は危機を迎えるであろう。台湾海峡の軍事バランスも大陸優位に傾いている。

 日本はこれから危機の時代に突入する。

 短期の北朝鮮の核ミサイル問題、中期の朝鮮半島と台湾海峡の動乱、長期の軍事大国中国の台頭と統一朝鮮の出現といった脅威が、今後数十年にわたり連鎖的に生起するであろう。日本には長期的視野に立った防衛戦略が求められている。

1 短期の脅威: 北朝鮮の核ミサイル問題

1.1 北朝鮮の能力と脅威の度

 北朝鮮の保有するミサイル発射機数はミサイル数、休戦ライン沿いの砲弾・ロケット弾については、米国防省は2012年時点で、発射用ランチャー数は、日本を狙うノドン級で50基以下、射程が3200キロ程度のムスダン級で50基以下、改良型スカッドその他で計100基以下とみている。

 またミサイル数については、米国の北朝鮮分析専門機関のウェブサイト「38ノース」の見積りによれば、ノドン級が200~300発以上、スカッド級が500~600発以上、その他を合わせ、すでに約1000発は保有しているとみられている。

 各発射ランチャーから同時連続的に50発から100発程度を北朝鮮の各所、一部は海から発射してくれば、日米韓のミサイル防衛システムでは全数撃破はできず、打ち漏らしが出てくると予想される。

1.2 中露の対応と外交と経済制裁の限界

 中国の戦略的利益は米韓軍との地上接触阻止、難民の流入と国内混乱防止にあり、北朝鮮の核保有はそれ以下の脅威でしかないとみられる。中国は通常戦力のみでも北朝鮮を占領支配できる。

 ロシアのウラジーミル・プーチン政権にとっては、ウクライナ東部の支配と経済制裁解除、次いでシリアのアサド政権維持が最大の戦略的課題であり、そのため米軍をアジアで拘束するのが利益となる。

 そのためロシアは2013年頃から北朝鮮に対する軍事支援に乗り出した。

 中露の協力なしには経済制裁の効果は上がらない。中国の影響力にも限界があり、今年10月のドナルド・トランプ大統領の北京訪問時の米中首脳会談後、習近平国家主席から平壌に特使が派遣されたが、核・ミサイル開発問題では進展はなかった。

1.3 米国の採り得る軍事的、準軍事的選択肢とその可能性

 核使用局地戦、通常戦力局地戦、核とミサイル・休戦ライン沿い火力の制圧、ソフトキル、情報戦主の斬首作戦などが考えられるが、可能なのは斬首作戦のみであろう。

 なぜなら、他の軍事的選択肢では北朝鮮による日本や韓国に対する核・化学ミサイルによる反撃のおそれが大きいためである。地下に隠された移動式のミサイルを発射前に発見し制圧するのは、米軍でも極めて困難とみられる。

1.4 今冬が軍事・準軍事行動の最後の機会

 その理由として、以下の点が挙げられる。

(1)来春にはICBM完成のおそれがあるため、完成前に破壊する必要がある。
(2)経済制裁の効果が出るには今冬まで待つ必要がある。
(3)冬季は荒天が多く、北朝鮮側の弾道ミサイル発射が制約を受ける。

(4)情報収集上は、積雪時の屋根の融雪、車の轍跡などから活動状況を把握しやすい。
(5)中国は党大会から間がなく、露は来年3月に大統領選挙を控えており、中露の対応力に制約がある。

 もし、米国が今冬に行動に出て北朝鮮の核・ミサイル能力を奪うことができなければ、北朝鮮の核保有は実質黙認に至る可能性が大きい。

 そうなれば、金正恩は、来年の「新年の辞」などでICBMの完成を公式に宣言し、米国と国際社会に北朝鮮を核保有国として認めることを条件に交渉を呼びかけることになるであろう。

 交渉では、米韓軍事演習の中止、在韓米軍の撤退、米韓条約破棄、米朝平和条約締結などが提案されるとみられる。

 韓国には核恫喝も交えつつ政治的な平和統一が提唱され、文在寅(ムンジェイン)政権に南北統一の大統領選挙などの呼びかけなどがされるかもしれない。

 このようなプロセスが実現すれば、金日成が失敗した北主導の朝鮮半島の統一が達成されることになる。

2 中期の脅威

2.1 朝鮮半島の動乱

・北が核保有し黙認された場合次のシナリオが予想される。

(1)韓国は北の核恫喝に屈し北主導の半島統一へ
(2)韓国も核保有し半島に局地的な相互核抑止態勢が成立
(3)(1)(2)いずれでも在韓米軍は撤退

 韓国が核保有せず北朝鮮の核保有が事実上黙認されるとすれば、米国の韓国に対する核の傘の信頼性は半ば失われることになる。韓国の指導層も国民も動揺し、米国は当てにできないとみて、北朝鮮の核恫喝に屈する恐れが高まる。

 韓国が北朝鮮の恫喝に屈することを拒否し、自由と独立を守るため自衛目的の核保有に踏み切ることも考えられる。その場合韓国は、NPTから脱退することが必要となり、米中露などの核保有国から阻止の圧力がかかると予想される。

 米国は、北朝鮮に対する核抑止力の局地的均衡回復と、紛争を抑止し自国の直接軍事介入のおそれをなくするため、韓国の核保有を黙認するかもしれない。

 その場合は、NPT態勢維持のため、韓国の核保有が公にならない範囲にとどめる可能性が高い。能力があるともないとも明言しないイスラエル型の保有になる可能性がある。

 中露は韓国の核保有の動きを警戒するとみられるが、朝鮮半島内の局地的な相互核抑止態勢の維持は、他の大国の干渉と南北間の武力紛争を抑止するという観点から、米国と協議のうえ在韓米軍撤退を条件に黙認する可能性がある。

 韓国国内世論では過半数が核保有に賛成であり、韓国には投射手段も含め核戦力保有の潜在能力もある。

 ドナルド・トランプ大統領の訪韓時には、韓国が開発する弾道ミサイルの弾頭重量の制限が撤廃されることになり、韓国は弾頭重量が2トン以上の「怪物」弾道ミサイルの開発を開始することになった。

 韓国は既に国産の大型潜水艦の開発を進め、巡航ミサイルを搭載しているが、2020年頃にはこれに国産の弾道ミサイルを搭載することを目指している。

 韓国がプルトニウム抽出技術を持っていることは明らかであり、原発大国でもあり、核弾頭製造の潜在能力も高い。

 ただし韓国が核保有に至った場合、ナショナリズムが過度に燃え上がり、在韓米軍撤退から反日米、半島統一に走り北の独裁体制に取り込まれるおそれもある。

 逆に過度なナショナリズムに走らず、安定した政治が続き、日米との良好な関係が維持されれば、長期的には、韓国の自由で開かれた社会と経済の優位性を生かし、北朝鮮を変質させ韓国主導の統一が可能になるであろう。

 

北の核保有能力が力で奪われる場合は次のようなシナリオが考えられる。

(1)中露が介入し北を米韓と分割占領
(2)米韓軍が北上し大半を占領、中朝国境に緩衝地帯を創る
(3)米韓は北の一時占領後撤退、北の体制は温存

 米韓軍が休戦ラインを超えて北上した場合、北の体制崩壊に至る前に中露は介入する可能性が高い。しかし両国とも米軍との直接の戦闘は核戦争にエスカレートする恐れがあり、あくまで回避しようとするであろう。

 北朝鮮の核弾頭、核関連施設、弾道ミサイル、化学兵器などの接収も米中露の共通した狙いであろう。

 これらの必要から、米国と中露は米軍が行動するに先立ち、何らかの占領地域や接収責任区域などについて協議し了解に達している可能性が高い。米中、米露首脳会談でも重要議題になっているであろう。結果的に北朝鮮は分割占領されることになろう。

 その場合も、米韓の力の行使が迅速かつ圧倒的であれば、中朝国境沿いにわずかの非武装緩衝地帯を残し米韓が半島をほぼ全面占領することになろう。中露は難民の流入阻止のため国境沿いに軍を展開するであろう。

 米国の意図が体制転覆ではなく、北の核・化学・弾道ミサイルなどの能力を奪うことにあれば、一時的に占領しても目的達成後撤退する可能性もある。

 その場合、残された北の指導部は集団指導体制になり、米朝平和条約締結に向けた交渉も始まり、長期には韓国主導の半島統一に動くとみられる。

2.2 台湾海峡の動乱

(1)中国が台湾を政治的経済的に屈服させ平和裏に併合
(2)中国が武力攻撃、米国は間接支援に留まり、台湾は抵抗するも屈服
(3)中国が武力攻撃、米国は軍事力派遣、台湾勝利

 などのシナリオが考えられる。

 今年の『防衛白書』は、次のように述べ、中国の動向に強い警告を発している。

 「中国は、周辺地域への他国の軍事力の接近・展開を阻止し、当該地域での軍事活動を阻害する非対称的な軍事能力(いわゆる「アクセス(接近)阻止/エリア(領域)拒否」(「A2/AD」)能力)の強化のほか、昨今、実戦を意識した統合運用体制の構築などを念頭に、大規模な軍改革に取り組んでいるとみられる」

 「また、中国は、東シナ海や南シナ海をはじめとする海空域などにおいて質・量ともに活動を急速に拡大・活発化させている」

 「特に、海洋における利害が対立する問題をめぐっては、力を背景とした現状変更の試みなど、高圧的とも言える対応を継続させ、自らの一方的な主張を妥協なく実現しようとする姿勢を継続的に示している」

 今年10月に開かれた中国共産党第19回全国代表大会での習近平総書記の報告では、大会の主題が「初心を忘れず、使命を深く胸に刻み、中国の特色ある社会主義の大旗を高く掲げ、小康社会を全面的に建設し、新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を勝ち取り、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現のために怠りなく奮闘すること」にあると、その冒頭で高らかに宣言している。

 そのための基本戦略として安全保障面では、「総合的な国家安全観の保持」「党の人民軍隊に対する絶対的な指導力の堅持」「”一国両制”の堅持と祖国統一の推進」を掲げている。

特に「二つの百年」という目標の実現が中華民族の偉大な復興戦略のキーとなることを強調している。

 「二つの百年」とは、現在から2020年までの間に小康社会の全面的建設に決定的に勝利し、その後の200年は「社会主義現代化国家の全面的建設」を目指すとしている。

 その中で2020年から2035年の第1段階では、「社会主義の現代化を基本的に実現」する。

 2035年から今世紀中頃までの第2段階では、「社会主義の現代化強国の建設」を目指し、中国を「総合国力と国際的影響力において世界的な指導国家にする」としている。

 これに連動し軍建設については、2020年までに機械化、情報化を大幅に進展させ戦略能力を向上させる。2020年から2035年の間に国防と軍隊の現代化を基本的に実現し、今世紀中ごろには人民軍隊を全面的に世界一流の軍隊にするとしている。

 さらに台湾との両岸政策については、台湾問題を解決し祖国を統一することは中国の人々の共通の願いであるとともに、中華民族の根本的利益がここに存するのであり、中国が「両岸関係」の政治的基礎と位置づけ、「一つの中国」を体現しているとする「92共識」を体現することが、両岸関係の平和的発展の基礎になるとしている。

 「両岸は一家であるとの理念を持ち」、両岸の文化経済交流を拡大し、台湾同胞に「大陸同胞と同じ待遇を与え、精神の一致を促進する」と表明している。

 これは両岸の経済文化交流を通じて台湾国民の大陸への心身両面での同化を進め、その独立心を削ぐことを狙った長期戦略の表明と言える。

 他方では、「我々は国家の主権と領土の完全性を堅固に維持する。国家の分裂という歴史的悲劇を決して繰り返させない」と、台湾併合への意思を鮮明にしている。

 さらに、「我々は堅固な意思と十分な信念をもっており、いかなる形の”台湾の独立”という国家分裂の策謀をも挫く能力を持っている。我々はいかなる者、組織、政党であれ、いついかなる形態であれ、一片の領土たりとも中国から分断させることは決して許さない。」と、台湾独立への動きを決して許さないこと、特に台湾内部はもとより外部からの干渉も一切許さないとの意思を強調している。

台湾国民の若い世代を中心とする独立運動の高まり、それに連動した、米日などの外部勢力による台湾独立支援を強く警戒し封じ込めようとする習近平指導部の強固な意図がうかがわれる。

 中台間の軍事バランスは、今後人民解放軍の現代化に伴いますます大陸優位に傾いていくと予想される。

 米国と台湾の軍事専門家は、両岸の軍事バランスは2020年代の前半には、台湾本島への海空侵攻が可能なレベルにまで台湾側に不利になるとみている。

 台湾は大陸の軍事的威圧の下、経済文化面で平和裏に大陸に同化され独立を失うのか、ある時期にそれに抵抗し大陸からの武力攻撃の危険を冒し独立を求めるのかという岐路に、2030年頃までには立たされることになるとみられる。

 その際の台湾をめぐる米中の軍事バランスにより、米国の対応は基本的に決まってくる。米国が劣勢なら台湾は大陸の侵略に抵抗できず武力併合されることになる。

 米国が中国との軍事衝突のリスクを冒しても、台湾を支援すれば台湾に勝利をもたらし、大陸との全面戦争になることなく介入目的を達成できると判断すれば、介入することになろう。

 中台紛争時には我が国の尖閣諸島、南西諸島にも戦火が拡大するおそれは大きく、日本も軍事面での台湾支援が自国の防衛上も欠かせないものとなろう。

3 長期の脅威

3.1 軍事大国中国の台頭

 上記の今年の党大会での習近平報告、近年の朝鮮半島情勢、台湾情勢などから、以下の趨勢は今後も避けられないとみられる。

 習近平国家主席の長期独裁体制のもと、中国の強大国建設路線と海洋覇権拡大の動きは続く。イデオロギー面での締付け、国内の民主派、少数民族弾圧も経済社会面での共産党の統制・介入も強まる。

 ポスト習近平時代が来ても、共産党独裁体制が続く限り、長期的な中国の軍事力強化と覇権拡大は止まらない。

 中国と米国とのアジア・太平洋での覇権争奪は長期的に激化し、2035年頃までに台湾海峡、朝鮮半島は動乱に巻き込まれる可能性が高まる。その際に日本は米国以上に深刻な安全保障上の危機に陥るであろう。

3.2 中国の将来

(1)民主化運動が激化し共産党独裁崩壊、少数民族独立、軍事脅威消滅、難民発生
(2)中国共産党独裁が続き日台越比などと紛争生起、力の限界、米国の支援、国際的孤立もあり敗北、体制崩壊の引き金に
(3)米軍の介入を抑止できる戦力を整備し、周辺国との紛争に勝利、各個に撃破し西太平洋の覇権確立

 

3.3 統一朝鮮の台頭

 長期的には以下の統一シナリオが考えられる。

・韓国主導での統一:

(1)韓国が自ら対北核抑止力を保有し、日米との友好関係も維持しつつ北と長期に対峙し、優勢な経済力、技術力、自由で開かれた社会の強みを生かし北の内部崩壊を促し、政治統合を果たす場合

(2)(1)と同様だが、ナショナリズムが高まり、日米との関係が悪化する場合

(3)(1)と同様だが、民族問題、領土問題を巡り中国との関係が悪化し紛争に至る場合

・北朝鮮主導での統一:

(1)韓国併合後その経済力、人口、技術力を全面動員し、核ミサイルを持った強大な軍事独裁大国を建設し周辺国を威嚇し覇権拡大へ

(2)覇権拡大が対馬海峡に向かい日本と紛争が起きる場合

(3)覇権拡大が中国に向かい中朝紛争が起きる場合

 韓国が独自の核抑止力を保持し、北の核恫喝に屈することがなければ、韓国は長期的に経済、社会の発展成熟の優位性を生かし、韓国主導の統一ができよう。しかし統一後のナショナリズムをコントロールできなければ、日本や中国と対立する可能性が高まる。

 南北を合わせた軍事力の強大さを考慮すれば、過剰な軍事的自信が対外的な冒険主義や軋轢につながるおそれは否定できない。

 日米中など関係大国との融和外交と適切な規模と能力の軍事力の保有に、統一後の韓国が進路をとるように周辺国が協力して誘導することが望ましい。

 その際に、関係大国が統一韓国の中立を保障し相互に干渉を控えることを保障する政治的外交的な枠組みの構築が必要となろう。

 北主導の統一もあり得るが、大量の難民が発生し、中国、米国、日本などに流入するおそれがある。

 武装難民も含まれる可能性が高く、各国の入国管理態勢強化と国内治安維持、難民受け入れ態勢整備が求められる。難民の保護、輸送、受け入れなどについての国際協力も必要になる。

北が半島を統一すれば、現在の休戦ラインの南北対峙が対馬海峡で再燃することになる。しかも対峙する相手は人口7000万人の独裁体制下の核大国となる。

 今年の『防衛白書』によれば、南北朝鮮の地上兵力は北が102万人、南が49.5万人である。統一朝鮮の地上兵力の規模は縮軍をしても100万人は超え、予備役も少なくとも500~600万人の規模に上るであろう。

 独裁体制下で韓国の先端技術力が全面動員されれば、通常戦力の近代化、情報化も一気に進み、軍需産業の生産能力も質量ともに大幅に向上するとみられる。

 このような軍事大国に日本は第一線で対峙することになることを予期しなければならない。日米同盟が維持されても、日本の防衛態勢は現在の韓国に倍加するレベルに引き上げなければならなくなるであろう。

 統一朝鮮では徴兵制と全面動員態勢が維持強化されるとみられるが、少子化の中その軍事圧力に対抗するには、日本でも徴兵制をとらねばならなくなるであろう。

 韓国主導で統一がされても、日米との関係が悪化し、韓国が武装中立路線をとれば、統一朝鮮ほどにはならないかもしれないが、基本的には同様の対峙状況になる可能性がある。

 いずれにしても、日本と米国、台湾、欧州、豪州、インド、東南アジアなどとの軍事、外交面での協力関係も、今よりもさらに強化しなければならない。

 集団的自衛権の行使の在り方についても、より多くの国との多角的な協力関係を具体化し深化させねばならない。

 中朝が友好関係を維持すれば、日本への軍事的圧力は一層高まることになる。日本は南西正面と対馬海峡の2正面で、厳しい軍事的対峙状況に立たされることになる。

 しかし、中朝間には領土問題、民族問題もあり、対立要因を抱えている。この点に、中朝離間を図る余地があると言えよう。

 ロシアの中立的姿勢を維持するための外交努力も重要になる。極東ロシアの経済開発協力など何らかの妥協も必要になるかもしれない。

4 日本への影響と日本の対応

・短期的:

 米韓と協力し北朝鮮に最大限の圧力を加えて北を弱体化させるとともに、米国の軍事的選択肢にも備えるしかない。特に北のミサイル攻撃に対するミサイル防衛、民間防衛態勢の整備、対特殊部隊攻撃、対サイバーなど非対称戦への備えが重要である。

・中期的:

 台湾防衛への協力が最重要課題である。南西諸島も朝鮮半島も台湾が中国の支配下に入れば防衛は困難になる。日本としても台湾関係法を制定し軍事援助の可能な態勢をとる必要がある。

 日本と体制と価値観を共有する台湾の防衛は、地政学上も歴史的つながりの面でも、米国以上に日本にとり死活的問題である。

 台湾の日本にとっての戦略的価値を踏まえ、台湾の大陸への実質的な吸収、武力統一を阻止するため、軍事面を含めた最大限の支援策を日本はとらねばならない。

 北主導で半島が統一された場合の脅威度を考えれば、ミサイルなどの反撃の脅威はあっても、いま北朝鮮から核能力を奪う方がリスクは少ない。現在は米韓との協力に最大限尽力すべきであろう。

 米国が北の核保有を黙認することになれば、日本は韓国とともに自ら核保有することを米国に認めさせるべきである。

 日韓と北朝鮮三者間の局地的な相互核抑止は、北と韓国の2国間よりも安定する。米国は北の核を黙認しながら日韓に自衛のための核保有を認めないなら、いずれ韓国、さらに日本は共産勢力に組み込まれ西太平洋の覇権を失うか、それを阻止するために大規模な軍事介入を余儀なくされることを覚悟すべきであろう。

 同様に、台頭が予想される軍事大国中国に対しバランスオブパワーを維持するためには、日韓のみならず台湾の核保有も必要となる。ただし台湾の核保有は中国の侵攻の口実になるため、秘密裏に行わねばならない。

 当面は、米国の核の傘の信頼性増大のための具体的な施策と台湾の通常戦力増強近代化が必要である。日本もそれに協力できる態勢をとり、最大限の支援を行うべきであろう。

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米中が金正恩の追放に乗り出した2017年12月7日

2017年12月06日 11:30  長谷川 良

ワシントン発の米共和党のグラム上院議員の発言を読んで、「いよいよ近づいてきたのか」という印象を受けた。同上院議員は3日、CBSの会見の中で、「在韓米軍の家族を韓国国外に退避させるべき時が来た」と訴えたのだ。

▲米韓の合同軍事訓練に投入された米軍最新鋭戦闘機F-35(ウィキぺディアから)

▲米韓の合同軍事訓練に投入された米軍最新鋭戦闘機F-35(ウィキぺディアから)

米軍の対北軍事介入があり得るとすれば、約2万8500人の米軍兵士の家族がその前に韓国から退避しなければならない。換言すれば、軍兵士家族の退避が終了しない限り、米軍は絶対に戦争を始めないからだ。そして今、上院議員が「米軍兵士の家族の退避」を要請したというのだ。同議員の発言源はトランプ大統領府周辺にあることは間違いないだろう。

それでは朝鮮半島で米朝の軍事衝突が勃発する可能性が高まってきたと予想できるのか。中国の習近平国家主席の訪朝特使、同国共産党中央対外連絡部長の訪朝後の北京、平壌、そしてワシントンの対応を時間を追ってフォローしてみた。
以下は中国反体制派メディア「大紀元」の記事(11月29日)を参考にまとめてみた。

①習近平国家主席の特使、宋濤・中国共産党中央対外連絡部長が先月17~20日の日程で訪朝した。名目は10月に開かれた共産党大会の状況報告ということだが、実際は、習近平主席からの“通告”を伝える目的があったはずだ。しかし、特使は金政権でナンバー2の崔竜海・朝鮮労働党副委員長と会談できたが、金正恩氏との会見は実現できずに北京に帰った。

②先月20日、金正恩氏は最側近の黄炳瑞・朝鮮人民軍総政治局長と金元弘・同総政治局第一副局長を処罰したという報道が流れた。「大紀元」によると、「黄炳瑞氏と金元弘氏が金正恩委員長に中国側の説得に応じるよう勧めたことが理由」で、金正恩氏の怒りを買い、処罰されたというわけだ。また、ジンバブエの政権交代劇に中国が影響力を行使し、軍部を蜂起させ、ムガベ政権を打倒したように、中国は北朝鮮でも政権交代を目論んでいる。これを恐れた金正恩氏は軍幹部を処罰した、という憶測情報を報じている。

③中国の特使が帰国した20日、トランプ米大統領は北朝鮮を「テロ支援国家」と再指定した。同時に、北朝鮮の核開発に参与したとみられる中国などの企業13社に対して追加制裁を発表した。

④特使の帰国2日後、中国国際航空は、「需要低迷」を理由に北京―平壌間の航空便を無期限に停止。同時に、中国外交部は24日、遼寧省丹東市と北朝鮮の新義州市を結ぶ「中朝友誼橋」を“修復のため”臨時的に閉鎖すると公表した。「大紀元」によると、同橋を通じて中朝貿易の7割の物流が行われてきた。すなわち、中国当局は北朝鮮に通じる陸・空のルートを閉鎖する対応に乗り出したというわけだ。

⑤北朝鮮は先月29日、同国西部から日本海に向け大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「火星15」を発射させ、射程距離約1万3000キロで米全土をその射程内に収めたと勝利宣言をした。

以上。①から⑤の動向は一見、密接な関係をもっているように感じる。それとも単なる偶然だろうか。当方は「大紀元」の記事と同様、米朝中3国の指導者の対応には強い関連性があると受け取っている。

ちなみに、金正恩氏は2013年12月13日、叔父の張成沢(当時・国防委員会副委員長)が正恩氏を追放する計画を中国当局と画策していたとして、叔父を射殺すると共に、親中国派の幹部たちを次々と粛清していったが、②の軍幹部の処罰はそのことを想起させる。また、親中派の金正男氏を今年2月、マレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺したことも思いださせる。金正恩氏は中国の支持に動く人物を許さないわけだ。

一方、④は第19回共産党大会(10月18日~24日)で権力を完全に掌握した習近平主席が金正恩氏を追放し、親中派の北朝鮮指導者をトップに立てることを決意した結果ではないか。2期目に入った習近平氏は江沢民派の親北党関係者の影響を受けることがなくなった。

そして今月3日、前述した米上院議員の「在韓米軍兵士の家族の退避要請」発言につながるわけだ。米上院議員の発言を最も深刻に受け取っているのは言うまでもなく金正恩氏だろう。このまま北王朝崩壊の日まで突っ走るか、戦略を変更し、なんらかの妥協を中国側に提示するかの選択肢に迫られている。

なお、米韓両軍は4日から合同軍事訓練「ビジラント・エース」を始めた。金正恩氏には、もはや多くの時間が残されていないのかもしれない。

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珍しい判決2017年12月6日

NHK受信契約義務付けは「合憲」 最高裁が初判断
契約成立には裁判必要

  最高裁が審理するときは、高裁判決を覆すことがほとんどであり、例外は寡聞にして聞いたことが無い。今回は、高裁が合憲とした判決について審理するとなったから、違憲判決がでるのだろう、官と官は喧嘩せずの原則に反するのかと危ぶんでいたら、結局合憲だった。本事件は、最高裁が審理するほどの案件だったのか?

 しかし、受信料不払いの人にはいちいち裁判しなければならない、なんて弁護士を喜ばせるだけの判決だな。法令変更して、税務署のように赤紙一枚で差押えができるようにして欲しいものだ。真面目に支払う人間だけが負担する、というようなことにならないことを祈る。
 
以下写し

NHKの受信契約をめぐる訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は6日、テレビを置く人に受信契約を義務付けた放送法の規定が「合憲」と判断した。1950年にできた受信料制度について、最高裁が憲法判断を示すのは初めて。

NHK受信料訴訟の最高裁判決後、記者会見する高池弁護士(右)ら被告側の代理人(6日午後、東京都千代田区)

NHK受信料訴訟の最高裁判決後、記者会見する高池弁護士(右)ら被告側の代理人(6日午後、東京都千代田区)

 最高裁は判決理由で、受信料制度について「国民の知る権利を充足する目的にかなう合理的なもの」などと指摘し、契約の自由を定めた憲法には反しないとした。

 一方、受信契約が成立する時期について「裁判で契約の承諾を命じる判決が確定すれば成立する」とした。「契約を申し込んだ時点で自動的に成立する」とのNHK側の主張は退けた。契約を拒む人から受信料を徴収するためには、今後も個別に裁判を起こさなければならない。

 いつまでさかのぼって受信料を徴取できるかについては「テレビ設置時点まで遡って受信料の支払い義務がある」とした。

 NHKが東京都内の会社経営の60代男性を訴えていた。

 男性側は「放送法で契約を強制することは、憲法が保障する契約の自由に反して違憲だ」と主張。テレビ設置者が承諾しない限り、契約は成立しないとしていた。

 NHK側は災害報道や全国の放送網など公共放送としての役割を強調し、「不偏不党を貫いて良い番組を放送するため、安定財源として受信料制度は欠かせない」と訴えていた。

 一、二審判決は、放送法の規定は合憲と判断。「契約の自由を制約するが、公共放送の目的に合理性がある」とした。

 NHKの推計によると、テレビを設置しているのに受信契約に応じていないのは約900万世帯ある。

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発酵のまち」を訪ねる10選 伝統の魅力が薫る2017年12月4日

発酵のまち」を訪ねる10選 伝統の魅力が薫る

NIKKEIプラス1

2017/12/3 NIKKEIプラス1

小豆島にある「醤の郷」
醤油に味噌、麹など日本の風土が醸す発酵のうまみ。
木造の古い蔵で静かに息づき、時間をかけて熟成する。
食も街並みも魅力ぷくぷく、発酵のまちを訪ねてみよう。

 発酵学者の小泉武夫さんは「日本はこの国独特の風土が生んだ発酵食品の宝庫」と絶賛する。味噌や醤油の種類は数知れず、日本酒や漬物も土地ごとに風味が変わる。小魚を漬け込んで作る「魚醤」や強烈な臭いで好き嫌いが分かれるくさやなど、味わいも幅広い。いずれも夏は湿潤、冬は厳しい気候風土の中で食品貯蔵のために生まれた知恵と工夫のたまものだ。発酵食品の数々は、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録された和食のうまみを支えている。

 「発酵のまち」の多くは古い木造の蔵が軒を連ね、どこか懐かしい雰囲気がある。それには理由がある。

 「蔵に住み着いている酵母を酒造りに使っています」と話すのは、酒造りで300年以上の歴史を持つ寺田本家(千葉県神崎町)の寺田優社長。1位になった小豆島でも木桶が現役で活躍する。木造の蔵や桶なしに、発酵も進まない。蔵も酵母も、生きているのだ。

 発酵食品は添加物が少なく、体にも優しいスローフード。「特に乳酸菌は、健康に好影響を与える」(小泉さん)。これからは、鍋のシーズンを迎える。寒い冬こそ「発酵のまち」を訪ね、身も心もぷくぷくしたい。

1位 香川県小豆島町 720ポイント
醤油400年の歴史、蔵や工場20軒

 海の塩や温暖な気候に恵まれた小豆島は「古くからの発酵アイランド」(小倉ヒラクさん)。特に400年の歴史を持つ醤油(しょうゆ)造りは近代化産業遺産にも認定された伝統産業で、「今も20軒以上の醤油蔵やつくだ煮工場がある」(椿浩さん)。

 その中心は島の東南にある「醤(ひしお)の郷」と呼ばれるエリア。昔ながらの木造の蔵が並び、醤油の香りが漂う。蔵に入ると「醤油造りの木桶(おけ)にびっしりと付着した麹(こうじ)菌が、歴史と伝統を感じさせる」(富本一幸さん)。近くには映画「二十四の瞳」の舞台もあり、「観光地として多彩な魅力を備えている」(黒島慶子さん)。

 (1)草壁港、坂手港(2)0879・82・1775(小豆島観光協会)

2位 秋田県横手市 580ポイント
冬に温まれる食品が豊富

 コメどころ横手だけに、「米で作る麹を使った発酵技術が古くから根付いている」(椿さん)。地元で「あまえっこ」と呼ぶ甘酒、米麹をぜいたくに使った味噌、漬物を薫製にした「いぶりがっこ」。さらには魚醤の「しょっつる」など、「長い冬の胃袋を温めてくれる発酵食品が盛りだくさん」(長谷川賢吾さん)。

 地元では自治体主導で発酵文化研究所を作るなど、いち早く発酵のまちづくりに取り組んできた。「一丸となって発酵を広めようという努力が伝わってくる」(横山貴子さん)。市内増田町の「中七日町通り」には伝統の木造建築が軒を連ね、見学もできる。

 (1)JR十文字駅など(2)0182・32・2117(よこて発酵文化研究所)

3位 千葉県神崎(こうざき)町 510ポイント
発酵テーマに道の駅開業、地域に貢献

 江戸時代に水運で栄えた利根川沿い。小さな町に今も古い酒蔵が残り、「醤油や酢、みりんなどの醸造文化が受け継がれている」(かくまつとむさん)。毎年3月に開く「酒蔵まつり」は臨時列車が運行され、町の人口の10倍の6万人近い人が訪れる人気のイベントだ。

 2015年には全国で初めて、発酵をテーマにした道の駅がオープンした。全国各地の発酵食品を扱い、発酵食品を使った手作り教室も随時、開催している。有機農業やパン店の開業などで移住する若い世代も増えており、「発酵がまちづくりに大きな役割を果たしている」(岡村英彦さん)。

 (1)JR下総神崎駅(2)0478・72・2111(神崎町)

4位 竜の子街道 490ポイント
多様な食品の製造集中(愛知県常滑・半田・碧南・西尾市)
国盛 酒の文化館

 中部国際空港から東に向かって並ぶ常滑、半田、碧南、西尾の4市は、タツノオトシゴに似た地形から「竜の子街道」を自称し、醸造を軸にした産業観光を進めている。日本酒をはじめ、味噌、醤油、酢、みりんと「多様な発酵食品の製造が集中しているのが特徴」(毛賀沢明宏さん)。豆味噌、白醤油、三河みりんなど独特の製品がある。

 「ミツカンミュージアム」(半田市)、中埜酒造の「国盛 酒の文化館」(同)など見どころも多く、「国際空港に近いので、外国人観光客にも人気が出そう」(富本さん)。

 (1)JR半田駅など(2)0569・32・3264(半田市観光協会)など。

5位 長野県木曽町 450ポイント
漬物「すんき」、山あいに根付く
すんきそば

 木曽の山あいには独特の発酵文化が根付いている。代表例が赤カブの葉を漬けた「すんき」。かつては貴重品だった塩を使わず、乳酸菌だけで発酵させた酸っぱい漬物は冬到来を告げる味覚だ。「地元の信州そばとの相性が抜群。そば店には冬季限定で『すんきそば』がメニューに加わる」(長谷川さん)。町は全国でも珍しい発酵食品振興条例を14年に制定。「伝統的な味噌玉、『すんき』の乳酸菌を使ったヨーグルトなど町をあげて発酵食品作りに取り組んでいる」(椿さん)。

 (1)JR木曽福島駅(2)0264・22・3618(木曽町商工会)

6位 石川県白山市 440ポイント
雪深い気候が育む珍味
ふぐの卵巣の糠漬け

 霊峰白山の麓から日本海へと続くエリアは「現代の食生活では思いつかない発酵食品の宝庫」(横山さん)。サバを糠(ぬか)で漬けた「へしこ」、身欠きにしんと大根を麹で漬け込んだ「大根寿司」や酒かす料理など、白山の清流と雪深い気候が育む多様な味が楽しめる。

 中でも独特なのが「ふぐの卵巣の糠漬け」。発酵技術を駆使し2、3年かけて無毒化した珍味で、検査後出荷される。「世界に誇る奇跡の発酵食品。この奇跡に触れるだけでも訪ねる価値がある」(長谷川さん)。

 (1)JR美川駅など(2)076・259・5893(白山市観光連盟)

7位 滋賀県高島市 420ポイント
「鮒寿司」、琵琶湖西岸の味

 すしの原型である「なれずし」を今に伝える琵琶湖西岸の町。特産の「鮒(ふな)寿司」は湖で採れるニゴロブナを塩漬けし、さらに米につけ込んだ伝統の味。強烈な臭いが特徴だが、「そのうま味は知る人ぞ知る奥深い味わい」(毛賀沢さん)。鯖(さば)寿司に使う酢や麹、日本酒、醤油なども数多い。「町ぐるみで発酵食品をPR」(富本さん)しており、京都市に2016年に開いたアンテナショップ「かもす家」も好評だ。

 (1)JR近江今津駅など(2)0740・32・1580(高島市商工会)

8位 新潟県上越市 360ポイント
気候風土が生んだ食品多く

 冬は低温多湿、夏は高温多湿の気候風土が生んだ発酵食品が多く、「文化として生活に溶け込んでいる」(椿さん)。例えば鍋に合う香辛調味料の「かんずり」。収穫した赤唐辛子を塩漬けし、冬場の雪にさらしてアクを抜き、ユズと麹を加えて長期発酵させる。「浮き糀味噌」は「良質な原材料を使い、手間を惜しまず作った伝統食品」(岡村さん)。豊富な日本酒も新潟ならでは。町の中心には雪よけのがん木の町並みが今も残る。

 (1)JR上越妙高駅など(2)025・522・2666(上越発酵食品研究会)

9位 京都市・伏見地区 290ポイント
運河沿いに歴史のある酒蔵
月桂冠大倉記念館

 古くから水運の拠点として栄えた伏見は国内屈指の日本酒の醸造地。歴史のある酒蔵の集積が魅力で、「京都観光で訪れるのには最適」(木下斉さん)。中でも宇治川から引いた運河沿いに建つ月桂冠大倉記念館は、明治期の酒蔵の姿を現代に伝える。「酒の仕込み水が飲める酒蔵があり、蔵を改造したレストランなども多い。坂本龍馬ゆかりの寺田屋、酒を運んだ舟運を再現した十石舟の遊覧など観光スポットも豊富」(富本さん)。

 (1)京阪本線中書島駅など(2)075・213・1717(京都市観光協会)

10位 兵庫県神戸市・西宮市 280ポイント
灘五郷、日本酒の蔵点在
白鶴酒造資料館

 「灘の生一本」で知られる日本一の清酒生産地。神戸市と西宮市にまたがる灘五郷と呼ばれるエリアに日本酒の蔵が点在する。白鶴酒造資料館など、「著名な酒蔵には資料館などが併設されており、酒造りの歴史を知り試飲も楽しめる」(富本さん)。「歩いて回れる範囲に酒蔵が集積しており、日帰りで訪れるのも楽しい」(木下さん)。毎年秋の酒蔵公開では巡回バスも運行され、神戸観光の人気スポットになっている。

 (1)阪神電鉄西宮駅など(2)078・841・1101(灘五郷酒造組合)

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 ランキングの見方 数字は、選者の評価を合計した総得点。地域名。(1)最寄り駅・港(2)問い合わせ先電話番号。写真は1、3位瀬口蔵弘、2位渡辺信雄、5位木村小左郎撮影。4位中埜酒造、6位あら与、7位魚治、8位上越発酵食品研究会、9位月桂冠、10位白鶴の提供。

 調査の方法 国内で、発酵を切り口にした街づくりに力を入れている地区21カ所を事前に選出。その中から、食品の多様性や観光地としての魅力などを基準に選者11人にベスト10を選んでもらい、合計して点数化した。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。

 ▽梅木孝志(醸界タイムス編集長)▽岡村英彦(JTB中国四国)▽小倉ヒラク(発酵デザイナー)▽かくまつとむ(地域ジャーナリスト)▽木下斉(エリア・イノベーション・アライアンス代表理事)▽黒島慶子(醤油ソムリエール)▽毛賀沢明宏(産直新聞)▽椿浩(発酵食品評論家)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽長谷川賢吾(かもし堂)▽横山貴子(日本発酵文化協会代表理事)

[NIKKEIプラス1 2017年12月2日付]

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北朝鮮ICBM、大気圏再突入時に崩壊か 技術に問題 米CNN報道2017年12月4日

枝野さんが、昨日素っ頓狂なことを言っていた、いわく「日本に届くミサイルはとうの昔の実戦配備されているのだから、今更安倍さんが大騒ぎするのはおかしい」。

彼は無知なのか、嘘つきなのか。たぶんその両方だろう。水平に近い角度で打たれるミサイルは、撃ち落とせる可能性がゼロではない、一方ロフテッド軌道のミサイルは、それはゼロだ。かつ、米国本土に届く核ミサイルが完成したら、核の傘は機能しなくなるであろう。日本国としては、まず核の小型化を阻止し、次にICBMの開発を阻止する、当然のことだ。

理想的には、独自の核ミサイルを実戦配備することだろうが、ハードルが高すぎる。20数年前の最初の核危機のときに壊滅させていれば、今のこの苦しみはなかったし、日本国の被害は僅少で済んだはずだ、くれぐれも悔やまれる。当時もすでに日本に届くサリンミサイル、細菌ミサイルは保持していただろうが、その程度だ。

2017/12/3 17:19 日経web

 
 
北朝鮮が11月29日に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)には再突入技術に問題があったとの見方が出てきた=ロイター

北朝鮮が11月29日に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)には再突入技術に問題があったとの見方が出てきた=ロイター

 【ワシントン=川合智之】米CNNテレビは2日、米当局者の話として、北朝鮮が11月29日に発射した新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」が、大気圏への再突入時に崩壊した可能性が高いと報じた。当局者は再突入技術に問題があったとみており、ミサイルの誘導技術と合わせて北朝鮮がICBMの実用化に問題を抱えているとの見方を示した。

 米軍関係者はミサイルを「KN22」と新たな名称で呼んでおり、新型ミサイルと位置づけた。爆発しない模擬弾頭を搭載した2段式ミサイルで、1段目は従来よりも大きく、搭載できる弾頭規模や飛距離が向上したとみられる。

 ミサイルの一部には液体燃料が使用されており、発射の早期検知につながったとしている。実戦配備には時間がかかるとみられるが、今後の発射実験では改良が加えられる可能性が高いという。

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