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米中が金正恩の追放に乗り出した2017年12月7日

2017年12月06日 11:30  長谷川 良

ワシントン発の米共和党のグラム上院議員の発言を読んで、「いよいよ近づいてきたのか」という印象を受けた。同上院議員は3日、CBSの会見の中で、「在韓米軍の家族を韓国国外に退避させるべき時が来た」と訴えたのだ。

▲米韓の合同軍事訓練に投入された米軍最新鋭戦闘機F-35(ウィキぺディアから)

▲米韓の合同軍事訓練に投入された米軍最新鋭戦闘機F-35(ウィキぺディアから)

米軍の対北軍事介入があり得るとすれば、約2万8500人の米軍兵士の家族がその前に韓国から退避しなければならない。換言すれば、軍兵士家族の退避が終了しない限り、米軍は絶対に戦争を始めないからだ。そして今、上院議員が「米軍兵士の家族の退避」を要請したというのだ。同議員の発言源はトランプ大統領府周辺にあることは間違いないだろう。

それでは朝鮮半島で米朝の軍事衝突が勃発する可能性が高まってきたと予想できるのか。中国の習近平国家主席の訪朝特使、同国共産党中央対外連絡部長の訪朝後の北京、平壌、そしてワシントンの対応を時間を追ってフォローしてみた。
以下は中国反体制派メディア「大紀元」の記事(11月29日)を参考にまとめてみた。

①習近平国家主席の特使、宋濤・中国共産党中央対外連絡部長が先月17~20日の日程で訪朝した。名目は10月に開かれた共産党大会の状況報告ということだが、実際は、習近平主席からの“通告”を伝える目的があったはずだ。しかし、特使は金政権でナンバー2の崔竜海・朝鮮労働党副委員長と会談できたが、金正恩氏との会見は実現できずに北京に帰った。

②先月20日、金正恩氏は最側近の黄炳瑞・朝鮮人民軍総政治局長と金元弘・同総政治局第一副局長を処罰したという報道が流れた。「大紀元」によると、「黄炳瑞氏と金元弘氏が金正恩委員長に中国側の説得に応じるよう勧めたことが理由」で、金正恩氏の怒りを買い、処罰されたというわけだ。また、ジンバブエの政権交代劇に中国が影響力を行使し、軍部を蜂起させ、ムガベ政権を打倒したように、中国は北朝鮮でも政権交代を目論んでいる。これを恐れた金正恩氏は軍幹部を処罰した、という憶測情報を報じている。

③中国の特使が帰国した20日、トランプ米大統領は北朝鮮を「テロ支援国家」と再指定した。同時に、北朝鮮の核開発に参与したとみられる中国などの企業13社に対して追加制裁を発表した。

④特使の帰国2日後、中国国際航空は、「需要低迷」を理由に北京―平壌間の航空便を無期限に停止。同時に、中国外交部は24日、遼寧省丹東市と北朝鮮の新義州市を結ぶ「中朝友誼橋」を“修復のため”臨時的に閉鎖すると公表した。「大紀元」によると、同橋を通じて中朝貿易の7割の物流が行われてきた。すなわち、中国当局は北朝鮮に通じる陸・空のルートを閉鎖する対応に乗り出したというわけだ。

⑤北朝鮮は先月29日、同国西部から日本海に向け大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「火星15」を発射させ、射程距離約1万3000キロで米全土をその射程内に収めたと勝利宣言をした。

以上。①から⑤の動向は一見、密接な関係をもっているように感じる。それとも単なる偶然だろうか。当方は「大紀元」の記事と同様、米朝中3国の指導者の対応には強い関連性があると受け取っている。

ちなみに、金正恩氏は2013年12月13日、叔父の張成沢(当時・国防委員会副委員長)が正恩氏を追放する計画を中国当局と画策していたとして、叔父を射殺すると共に、親中国派の幹部たちを次々と粛清していったが、②の軍幹部の処罰はそのことを想起させる。また、親中派の金正男氏を今年2月、マレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺したことも思いださせる。金正恩氏は中国の支持に動く人物を許さないわけだ。

一方、④は第19回共産党大会(10月18日~24日)で権力を完全に掌握した習近平主席が金正恩氏を追放し、親中派の北朝鮮指導者をトップに立てることを決意した結果ではないか。2期目に入った習近平氏は江沢民派の親北党関係者の影響を受けることがなくなった。

そして今月3日、前述した米上院議員の「在韓米軍兵士の家族の退避要請」発言につながるわけだ。米上院議員の発言を最も深刻に受け取っているのは言うまでもなく金正恩氏だろう。このまま北王朝崩壊の日まで突っ走るか、戦略を変更し、なんらかの妥協を中国側に提示するかの選択肢に迫られている。

なお、米韓両軍は4日から合同軍事訓練「ビジラント・エース」を始めた。金正恩氏には、もはや多くの時間が残されていないのかもしれない。

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トランプ大統領の政権運営の本質は世襲経営者特有の“受け身”スタイル(特別寄稿)2017年11月30日

2017年11月30日 06:10

ホワイトハウスFacebookより:編集部

大統領選挙時から現在までのトランプ大統領の動向から同大統領の政権運営スタイルが明らかになってきました。その主な特徴としては、トランプ大統領は比較的容易な案件は自ら淡々とこなす一方、極めて難易度の高い問題については殆ど自らの意思を示すことはなく、周囲のキーパーソンに実質的に対応を委任してきているということです。

大統領制度という制度上の仕組みとして大統領が議会に対して重要案件について好き勝手にできないことは当然ですが、現在までのトランプ大統領の内政・外交面での手堅い政権運営について、大統領選挙時からトランプ大統領のリーダーシップ(?)で世界が破滅するかのような予測をしていた有識者らは拍子抜けしているのではないでしょうか。

トランプ大統領は難易度が相対的に低い案件については大統領令・大統領覚書を通じて次々と実行してきました。その政策的な実績は積み重なっており、エネルギー業界に代表される個別のセクターに属する関係者への恩恵は大きいものとなっています。

しかし、実際にタフな交渉が必要となる案件、つまりオバマケアの廃止・見直しに関しては、ポール・ライアン下院議長に一任して失敗したあと、再挑戦時にはペンス副大統領・マッコーネル上院院内総務に事実上の丸投げをして再度失敗しています。オバマケアの廃止・見直しなど重要案件は連邦議会(特に共和党内)が分裂状態であることから、事態収拾のためには大統領のリーダーシップが発揮されることを必要とされていましたが、トランプ大統領は最後まで自らイニシアティブを示そうとしているようには見えませんでした。

一方、活発な動きを見せている外交的なイニシアティブについても同様であり、中東版NATO構想や自由で開かれたインド太平洋戦略などは、いずれも従来からの同盟国であるサウジアラビアや日本が主導して推進している枠組みであり、トランプ大統領自らが描いた各地域における戦略展開とは言えないものです。イランや中国に敵対するサウジアラビアや日本に乗っかる形で大風呂敷を拡げて、それらの枠組みに乗ったふりをしながら経済的成果を果実として回収するという形になっています。北朝鮮をめぐる一連の困難な対応も日本側の枠組みを踏まえつつ、中国に北朝鮮への責任ある対応を求め続けてきました。

つまり、内政・外交いずれにおいても重要で難易度が高い案件に関しては、常時パートナーとなり得る人々や国々に任せてみる、というスタンスを取ることがトランプ政権の慣例となっています。オバマ大統領のように自らの責任と能力でできもしないことにコミットしない、という現実的なスタンスだと言えそうです。そして、同案件の遂行に失敗したパートナーについて容赦なく切り捨てることで、自らの政治責任に関するダメージを最小限に抑えつつ、次の話題にテーマを移していくことに長けているように見受けられます。

トランプ大統領の統治スタイルは世襲のオーナー経営者・政治家に良くあるタイプのものであり、トランプ大統領は実質的に一代で巨大企業グループを構築した人物ではあるものの、その父もクイーンズで財を築いた不動産開発業者でした。この手のタイプの人々は自分の周囲には無限に自分を利用しようとする人間が集まってくるため、それらに対して簡単に登用したり切ったりすることを最初から所与のものとして受け入れています。筆者はトランプ大統領も自らの出自、そして長いビジネス経験を通じて同様の経営スタイルが染みついているのではないかと推量します。

したがって、トランプ大統領の本質は「受け身」にあり、今後も周囲の状況を良く観察した上で自らの利益になりそうな側にBETすることを繰り返し、勝負に負けそうになると速やかに撤退してパートナーを更迭する形をとっていくことでしょう。そして、パートナーにBETして彼らの構想に乗っかる形で大言壮語を繰り返しながら、実際にはその中で細かく点数を積み上げていく賢い経営を実施していくことになります。したがって、「トランプ大統領が何をしたいのか分からない・一貫性がない」と頭でっかちな有識者らは論評せざるを得ないことになるわけですが、トランプ大統領は既に自らのやり方でやりたいことを実行していると言えるでしょう。

ポピュリズム批判に常にさらされ続けているトランプ大統領ですが、トランプ大統領自身は冷徹な経営者であり、その任期の中で確実に米国民にとって必要な果実が手元に残されていることになるでしょう。

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アラマバ州上院補欠選挙2017年11月30日

安田佐和子氏のブログより転記

共和党の地盤として知られるアラバマ州で、上院議員補欠選挙が12月12日に行われます。

4期連続、約20年にわたり上院議員を務めた共和党のジェフ・セッションズ氏の司法長官就任に伴う補欠選挙は、米国内で注目こそされ、日本人投資家にはあまり馴染みがありませんよね。しかし、今回は留意しておくべきでしょう。

補欠選挙では、アラバマ州最高裁判所の元判事で共和党候補のロイ・ムーア氏の勝利が有力視されていました。しかし11月9日、ワシントン・ポスト紙の報道によってムーア候補の優勢が崩れます。約40年前に14歳だった女性への“性的嫌がらせ”疑惑が浮上しただけでなく、追加で4人が名乗り出る異常事態に陥ってしまったのです。民主党のダグ・ジョーンズ候補に対する約10ポイント近くのリードは消え、一時は逆転を許す場面も。直近で支持率は回復傾向にあるものの、予断を許さない戦況に変わりありません。

11月28日までの支持率動向。

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(作成:My Big Apple NY)

折しも米国では大物映画プロデューサーをはじめ、性的嫌がらせ問題が次々に発覚中。♯Metooキャンペーンがソーシャルネットワークで席捲中であることは、お伝えした通りで、ムーア候補には逆風が吹き付けます。

性的嫌がらせ問題は別として、思い出して頂きたいのが共和党が確保する上院議席数です。100議席中、共和党は52議席を有するため、税制改革法案の成立に際し造反議員が3人になれば否決となります。記憶に新しい例が、医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃・代替案をめぐる採決です。こちらでご紹介した3人が反対票を投じ、廃案を余儀なくされました。

しかし、共和党のムーア候補が敗北すれば51議席に減ります。従って造反議員が2人出てくれば、税制改革法案はゲームオーバーとなってしまいます。

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(作成:My Big Apple NY)

アラバマ州当局によれば、補欠選挙結果は12月22日、遅くとも26日に正式発表される予定。いずれにしても年末休会中にあたるため、当選した候補が正式に上院議員に就任するのは2018年1月となります。

この時までに上下院で一本化された税制改革法案が上院で可決していれば、何の問題もありません。しかし、仮に1)上院での採決が年明けにずれ込み、2)アラバマ州上院議員補欠選挙で民主党候補が当選し、3)共和党上院で造反者が2人となれば、税制改革法案が否決の憂き目に遭うというわけです。

共和党内ではこうした懸念が渦巻くためか、主流派を中心にムーア氏の出馬辞退を望む声が聞かれています。2016年の大統領選に出馬したルビオ上院議員、オバマケア代替案の採決に反対を表明し否決に追い込んだマケイン上院議員やコリンズ上院議員など少なくありません。

予備選時点からムーア氏に悉く批判的だったマコーネル上院院内総務も、出馬辞退を求める一人です。マコーネル氏は、セッションズ氏の地元人気と知名度を称賛した上で、議員復活への道に期待を表明しています。セッションズ氏の名前が候補者名簿に記載されていなくとも、制度上は有権者が投票用紙に希望する人物の名前を記入し投票できる“記入投票”候補として、出馬が可能であるためです(ちなみに、2010年のアラバマ州上院議員選挙ではオバマケア代替案に反対したマコウスキー氏が記入投票で半世紀ぶりに当選)。さらにマコーネル氏はムーア氏が上院議員に就任した場合に備え、公聴会で倫理調査を行う意思を表明するほど、驚かされますね。

ただ、共和党内部と政権がムーア氏への対応で一致していません。コーニン院内幹事はアラバマ州の選挙結果次第との立場を採ります。トランプ大統領は11月21日、ムーア氏の疑惑に「彼は完全に否定している」と発言、出馬辞退を求める共和党議員と距離を置く状況。税制改革法案の成立を控えた選挙戦ながら、引き続き政権並びに共和党内部が一枚岩で結束できない実態があらためて浮き彫りとなっています。

(カバー写真:Facebook

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ドリーマ -柄谷行人2017年11月28日

柄谷行人なる人は、毎日新聞によれば思想家だそうだ。思想家とは歴史的事実を自己の色眼鏡で見て、ありもしない世迷い言を述べる人なのか?毎日新聞の記事を写しておこう。突っ込みどころは満載だが、二点だけ指摘しておこう。

1,吉田茂が憲法の改訂を拒否したことは事実であるが、その理由は単に経済発展を優先したからであって、吉田は経済力が復元したら憲法改定を考えていた。

2.軍隊を持たなければ侵略されない、ということは無い。この人は竹島がどういう状況下で侵略され、日本人が数千人も拉致られ負傷させられ、少なくない人が殺された、という事実を知らないのだろうか。ホリエモン並みの無知蒙昧だな。

ついでながらこの人は、無意識という言葉を独自の見解で作り変えて、無意識は教育で変えることができないなんて、素っ頓狂なことを述べている。彼は、古事記も今昔物語も平家物語も太平記も、何一つ読んでいないのだろう。古事記最大の英雄日本武尊がどれほど卑怯者だったかも知らないのだろう。これらは全て物語であって漫画かもしれないが、その時の日本人の意識及び無意識を反映しない訳はないだろう。この千数百年の間にどれほど日本人が変わってきたか、これらを見れば明白だ。加えて、このたった30数年で恐ろしいほど日本人の精神は変わってきている。柄谷という人は、60年以上日本人を見てきたのに、見えていないのだろうな。人は見たい物しか見えないし、特にこのタイプの人は、自分に似た人、少なくとも自分と同じ階層の人としか付き合っていないのだろう。僕などは、自分のせがれであっても異星人のように見える。

以下、毎日新聞の写し

10月の衆院選で与党の自民、公明両党に希望の党、日本維新の会を加えた「改憲勢力」が3分の2を上回る議席を獲得したことで、今後、国会での憲法改正論議が本格化しそうだ。焦点は平和憲法の代名詞となってきた9条。安倍晋三首相は自衛隊の存在を明記したいと考えている。私たちは9条の恩恵を受けてきたのか、それとも束縛されてきたのか。9条の存在意義を思想家の柄谷行人さん(76)に聞いた。【聞き手・南恵太、写真・宮本明登】

--自民党は衆院選で「9条への自衛隊明記」など憲法改正4項目を公約に掲げて勝利しました。今後、憲法改正が進むと見ますか。

 これまで自民党は「憲法9条はそのままにしておいて、自衛隊を認める」という「解釈改憲」でやってきました。衆院選に際して9条を変えると言ったのは安倍首相が初めてです。ただし、自衛隊を公認する条文を憲法に付け加えるだけだというわけです。しかし、衆院選で3分の2以上の議席を取っても、国民投票になると、ただではすみません。もちろん、安倍首相はそれを予期しているでしょう。「改憲ではない。加憲だ」という説明で国民投票を乗り切れると考えているようです。

 しかし、それによって、事実上の憲法改定ができるか。「国の交戦権はこれを認めない」という9条の条文が残る以上、「加憲」は今までの解釈改憲と同じようなものです。憲法上、自衛隊は海外で戦争をすることは許されません。軍事同盟の言い換えである集団的自衛権も現行憲法では認められません。このような状態を本当に変えたいのであれば、安倍首相は堂々と憲法の改定を主張すべきなのです。しかし、それはできません。もしそうしたら、国民投票で負けますから。

--なぜ、国民投票で改憲が否決されると思われるのですか。

 9条は日本人の意識の問題ではなく、無意識の問題だからです。無意識は潜在意識と同一視されていますが、違います。潜在意識は教育や宣伝によって操作することができます。無意識はオーストリアの精神分析学者、フロイト(1856~1939年)の言う「超自我」=1=だと考えるべきです。超自我は意識を統御するものです。9条は日本人の戦争経験から来たものですが、意識的な反省によるものではありません。従って、教育や宣伝で変えることはできません。もし、9条が意識的な反省によるものであったなら、ずっと前に放棄されたでしょう。

--9条が日本人の無意識の中に根付いているのはなぜですか。

 確かに9条は連合国軍総司令部(GHQ)に押し付けられたものです。当時、GHQのマッカーサー元帥は天皇制を維持しなければ日本で大きな反抗が起こると思っていました。(象徴天皇制と国民主権を規定した)憲法1条を制定するため、当時のソ連などに「日本は変わったのだ」という説得材料としての9条でした。

 しかし、9条がGHQに強制されたことと、日本人がそれを自主的に受け入れたことは矛盾しません。実際、GHQが憲法の改定を言ってきたのに当時の吉田茂首相はそれをしりぞけました。まず、外部の力による「戦争の断念」がありました。それが良心を生み出し、それが「戦争の断念」を一層求めたのです。その意味で9条は日本人による自主的な選択です。いわば「文化」です。

--日本の歴史の中に9条を生み出す土台があったのでしょうか。

 長い戦国時代の後、戦争を否定する徳川幕府体制が生まれ、国内だけでなく、東アジア一帯の平和が実現されました。「徳川の平和」と呼ばれています。武士は帯刀しましたが、刀は身分を表す象徴であり、武器ではなかったのです。徳川の文化こそが9条の精神を先取りした「先行形態」です。ところが、明治維新後に日本は徴兵制を始め、朝鮮半島を植民地化し、中国を侵略しました。9条が根ざしているのは、明治維新以後、日本人がやってきたことに対する無意識の悔恨です。

 付言すれば、憲法1条のルーツも徳川時代に始まっています。徳川家康は天皇を丁重に扱いました。天皇を否定したら、他の大名が天皇を担いで反乱を起こすに決まっていたからです。徳川は天皇を祭り上げて、政治から隔離した上で徳川幕府体制の中に位置付けました。それは戦後憲法における「象徴天皇」の先行形態だと言えます。

--現行憲法の1条と9条の関わりをどう見ますか。

 1条と9条には相互依存的な関係があります。現在の天皇、皇后は9条の庇護者(ひごしゃ)になっています。天皇は日本国家の「戦争責任」を自ら引き受けることによって、皇室を守ろうとしていると言えます。つまり、9条を守ることは1条を守ることにもなるのです。かつては「1条(天皇)のための9条(戦争放棄)」でしたが、現在では「9条のための1条」へと地位が逆転しています。

--9条が国際社会で果たしている役割は何でしょうか。

 9条にある「戦争放棄」は単なる放棄ではなく、国際社会に向けられた「贈与」と呼ぶべきものだと思います。贈与された方はどうするか。例えば、どこかの国が無防備の日本に攻め込んだり脅迫したりするなら、国際社会で糾弾されるでしょう。贈与によって、日本は無力になるわけではありません。それによって、国際世論を勝ち取ります。贈与の力は軍事力や経済力を超えるものです。

--北朝鮮情勢が緊迫する中、そうした考え方は「現実離れしている」と反論されそうです。

 現実には、自衛隊を持っている日本は9条を「実行」していません。だから、北朝鮮にも大きな脅威を与えています。しかし、9条を実行すれば状況は違ってきます。具体的に言えば、日本が国連総会で「9条を実行する」と表明することです。それは、第二次世界大戦の戦勝国が牛耳ってきた国連を変え、ドイツの哲学者、カント(1724~1804年)が提唱した「世界共和国」=2=の方向に国連を向かわせることにもなると思います。

聞いて一言

 押し付けられた憲法9条を日本国民が変えようとしなかったのはなぜだろう。戦争に対する国民の反省にその理由を求めるなら、戦争を知らない戦後世代が増えるにつれて9条支持は弱まるはずだが、そうはなっていない。柄谷さんは国民の無意識に主因を見いだし、「9条が強制されたことと、日本人がそれを自主的に受け入れたことは矛盾しない」と説明する。では、9条を受け入れた無意識を精神分析することはできるのか。論理的な結論を導き出すのは難しいかもしれないが、「9条を考える材料」が提供されている。


 ■ことば

1 超自我

 フロイトの精神分析理論の主要概念。良心や理想に照らして自我の活動を統制する精神構造の一つ。柄谷さんは「フロイトは両親や社会のような『外』から押し付けられたものではなく、自らの攻撃欲動が外に向けられた後、内向して形成されると考えた」と解釈している。

2 世界共和国

 カントが自著「永遠平和のために」で提唱した世界秩序構想。永遠平和を実現する方策として(1)共和制国家の樹立と維持(2)自由な諸国家による「平和連合」の制度化(3)「世界共和国」の形成--を挙げた。理念上は世界共和国が望ましいが、暴力や権力による強制なしには実現することが困難なため、「消極的な代替物」として諸国家連合が提示されている。構想は国際連盟の創設に影響を与えた。


 ■人物略歴

からたに・こうじん

 1941年兵庫県生まれ。東京大大学院修士課程修了後、69年文芸評論家としてデビュー。法政大教授、近畿大教授、コロンビア大客員教授などを歴任。近著に「憲法の無意識」(岩波新書)。

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トランプ大統領面会報告と緊迫する北朝鮮情勢32017年11月27日

メルマガより転記

◆あと何回核・ミサイル実験を成功させればいいのか

西岡 北朝鮮がいつになったらアメリカ本土まで届く核・ミサイルを持つのか。
あと1年かかるのか、数か月かという議論がよくあります。それは実はあまり正
確ではない。あと何回実験を成功させればいいのかです。

 「火星14」はロフテッド軌道では成功させましたが、まだ通常軌道では打っ
ていません。実は「火星12」というミサイルがあります。これはグアムに届き、
多分アラスカには届くのではないかと言われています。5月にロフテッド軌道で
打って成功しました。そして8月と9月に通常軌道で打ちました。それが日本を
飛び越えたのです。日本を飛び越えるというのは日本を狙ったものではなく、グ
アムやアラスカを狙うものです。それは成功しました。

 北朝鮮の「中央通信」や「労働新聞」を読んでいると、5月の「火星12」の
時は「試験発射」でしたが、8月と9月の「火星12」の発射は、「発射演習」
でした。試験が終わって、実戦配備されて演習しているのです。これは彼らが言っ
ていることで嘘の可能性もあるんですが、報道ではそうなっています。

 そして実際に「火星12」の9月15日の通常軌道での実験は成功しました。
だからグアム、アラスカには届きます。アラスカにアメリカのMD、ミサイル防衛
システムがあります。人はあまり住んでいませんが、MDを狙えるという意味があ
ります。またアラスカにもグアムにも米軍基地があります。

 着々と力をつけている。つまり、どんどん車は接近してきている。ではあと何
回実験をすればということですが、様々な変数があり、私も軍事の専門家ではな
いのでかなり大ざっぱな言い方です。それは分かりやすく説明するためで、拉致
問題を考えるためにも必要なので大ざっぱに言います。

◆広島型の10倍の威力の核実験を成功させた

 まず核実験について言うと、160キロトンを成功させましたが、多分7回目
が必要なのではないか。小型化がまだできていないのではないか。小型化の水爆
実験があと1回以上成功する必要がある。ミサイルは、「火星12」はロフテッ
ド軌道で1回やって、通常軌道を2回やって成功させ、今実戦配備されている。

 「火星14」はロフテッド軌道を2回しかやっていない。通常軌道での実験が
必要です。1万キロ飛ばす。ただ、ロサンゼルス沖なんかに落としたらアメリカ
を刺激しますから、多分グアムとハワイの間くらいで何もないところに向けて1
万キロ飛ばすのではないか。

 それを10月、11月にやるのかなと思っていたんですが、やっていない。やっ
てない間は、いくら時間が経っても、アメリカまで届く核・ミサイルは完成しな
いわけです。やって失敗するかもそれない。だから何か月とか何年というのはか
なり大ざっぱな言い方で、正確に言うにはあと何回実験すれば成功するかと見た
方がいい。

◆アメリカ全土を攻撃する「火星13」はまだできていない

 「火星14」の通常軌道での実験が絶対必要です。「火星14」はロフテッド
軌道で2回実験をして成功していますから、技術的にはいつでも実験できるはず
なのです。それを今やっていないということです。

 それからアメリカを本当に攻撃するのだったら、ニューヨークやワシントンま
で届くものがほしいんです。「火星14」は西海岸までです。実は「火星13」
も開発しています。「火星13」は前から開発していたんですが、まだ実験する
段階に至っていなくて、「火星14」を先に実験した。

 色々な説があるんですが、有力な説は、「火星13」は固体燃料を使うという
ものです。北朝鮮のミサイルの主流は液体燃料です。液体燃料は不安定ですから
入れっぱなしにはできない。撃つ前に入れなければならない。入れる手間がかか
るから、「撃て」と言ってもすぐには撃てない。しかし、固体燃料は入れっぱな
しでいい。すぐ撃てる。その点で脅威が高まるわけです。

 でもまだそれができていないのではないか。「火星13」が軍事パレードに出
てきたりはしたんですが、それも完成させ、ロフテッド軌道で撃ち、通常軌道で
撃つことが必要です。

◆まだ複数回のミサイル実験が必要

 それから、北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイルを持とうとしている。SLBMです。
最近のニュースで、今新浦で大型のミサイルが積める新しい潜水艦を作っている
という映像が流れました。

 潜水艦発射弾道ミサイルは、「北極星3号」です。これを持ちたい。絵は公開
されています。開発しているのは間違いない。しかし、一度も実験していません。

 そこでミサイルではまず、「火星14」の通常軌道での実験をする必要があり、
これで米西海岸が射程に入る。東海岸も射程に入れるためには、「火星13」。
あるいは潜水艦の「北極星3号」なら、近くまで行って撃てるので距離がかせげ
る。これも実験が必要です。

 ロフテッド軌道で撃ってから通常軌道で撃つ実験が必要ですので、複数回の発
射実験を成功させる必要がある。特に固体燃料での長距離の弾道ミサイルを持て
るかどうか。「火星13」がまだ完成していないということは、彼らは固体燃料
の技術をそれほど完全にマスターしているわけではないように見える。しかし、
(チキンレースをしている)米朝はどんどん近づいてきている。

 しかし、9月15日に「火星12」を撃った後、ミサイル発射も核実験も止まっ
ています。本来なら「火星14」は撃てるはずです。「火星13」はまだ実験す
るほどの技術に至っていないかもしれない。あるいは水爆の小型化はまだできて
いないかもしれない。今やらない理由は、技術がまだ追いついておらず、完成し
ていないとも考えられるわけです。

 開発する立場からすると「火星14」は撃てるはずですが、政治的に抑えてい
るというのが今の状況です。

◆なぜ9月15日以降軍事挑発が止まったのか

 専門家の観察ポイントは、なぜ9月15日以降軍事挑発が止まったのかです。
去年もミサイルを十数回撃ちました。今年もずっと撃ってきた。着々と開発をす
すめてきたわけです。それなのになぜ今やめているのか。やめているということ
は開発が止まっているということです。もちろん、設計はしているし、色々なこ
とをやっていると思いますが、目に見えることはまだできていない。

 ここで技術的な壁があって乗り越えられないのなら、1年経っても乗り越えら
れないわけです。しかし、北朝鮮が言うように小型化が成功していれば、西海岸
まで撃てる直前には来ている。当然日本には撃てる。沖縄もグアムも射程に入っ
ているという状況です。

 もちろん日本が射程に入っているということは日本にとって重大な問題ですが、
日本にとってもアメリカ本土が射程に入るかどうかが実は重要な問題です。とい
うのは、日本はアメリカの核の傘で守られているわけです。

 北朝鮮が日本に核攻撃をしたらアメリカは同盟国として北を核で報復する。拡
大抑止と言われています。こういうことで力の均衡をはかっているわけです。し
かし、北朝鮮がアメリカ本土まで届く核・ミサイルを持ってしまったら、日本が
攻撃された時、アメリカが報復したら、今度は北朝鮮がアメリカ本土を攻撃する
おそれが出てくる。その場合、日本を守るためにアメリカが自国の都市を犠牲に
するだろうかという疑問が生まれます。

 フランスのド・ゴール大統領は、ソ連がアメリカ本土まで届く大陸間弾道弾を
持った時に、同じ疑問を提起して独自の核武装をした。一度NATOから出て、独自
にやったわけです。

 イギリスはアメリカとの同盟の中でアメリカを説得して独自の核を持った。原
子力潜水艦を持って、原子力潜水艦が発射できる核を持った。潜水艦は水中にい
ますから、潜水艦に核攻撃はできない。フランスやイギリスが荒廃してやられて
しまっても報復できる。アメリカが報復しなくても、潜水艦の核は報復のためだ
けに持っているわけですから。

 だから安心だ、と。相手は報復されることが分かっているので攻撃してこない
だろうと。第二撃、反撃用に限定したものですが、そういう議論が日本でも起き
ざるを得なくなる。その直前まで今来ているのです。

◆ほとんど輸出ができなくなった

 アメリカはまず、国連による経済制裁を主導した。安保理決議の「すべての手
段を使って」というところまでいっていないのは、まだやるべきことがあるとい
うことで、経済制裁をかけている。

 これまでの経済制裁はシンボル的な意味が強く、それほどダメージはなかった
のですが、7月の2回のミサイル発射に対して8月に経済制裁がかかった。9月
の核実験に対して1週間後に制裁をかけました。

 この2つの制裁を合わせると、北朝鮮の2016年の輸出の合計約28億ドル
のうち、23億ドルくらいがなくなる。石炭と鉄鉱石と、水産物と衣料品を北朝
鮮から買うことを禁止しました。2016年にはそれらで23億ドルくらい稼い
でいたが、もうその収入はなくなる。

 北の貿易相手の9割は中国ですから、主として中国が買っていたので、中国や
ルールを守ればという前提ですが、今のところ守っているようです。その結果、
北朝鮮では外貨収入の8割5分ぐらいがなくなる。

 石油製品、ガソリンなどの輸入については、3割カット。アメリカは全面禁輸
を求めたんですが、中国とロシアの反対で3割カットになった。一定の影響はあ
る。ガソリンの闇市の値段が上がっています。

 また海外に6万人くらいの労働者がいて5億ドル送金しています。外貨で給料
を貰いますがそれはほとんど召し上げて内貨で払ったりしています。この労働者
についても海外で雇うことを禁止したかったのですが、そこまではいかなくて、
新規契約を禁止しました。

 だいたい契約は2年くらいですから、あと2年経つと全部終わりになる。新規
は受け入れないから、ほとんどなくなる。外貨収入を断つことを目的とした制裁
は、じわじわと効いてくる。

 それが効くまえにアメリカの本土まで届く核・ミサイルを持ちたいわけです。
だからできる限りの核・ミサイル実験をしてきたわけです。核実験は去年から今
年にかけて3回もやっている。制裁など関係なくどんどんやっているということ
ですが、制裁が一定程度効いてくるだろうということです。

 従って金正恩としては、実験をしなければアメリカまで届く物を持てませんか
ら実験しなければならない。実験をすると、残っている石油の禁輸、海外労働者
の全面帰国となる。それでも実験をすると、「すべての手段を使ってやめさせる」
という決議が通るかもしれない。

 その決議が通りとトランプ大統領は実際に軍事行動を行うための政治的負担が
なくなる。実験をしないと完成しない。そういうにらみ合いになっている。

◆アメリカは戦略爆撃機を北方限界線を越えて飛ばした

 特に私が注目しているのは、B1Bという戦略爆撃機です。これは世界最強の戦
略爆撃機と言われていて、今年に入ってから11月初めまでに20回飛ばしてい
る。これは惠谷治さんの調査によるものですが、アメリカは全部発表していませ
ん。

 北朝鮮は単にB1Bが飛んできたと発表します。それで分かったりするんですが、
20回も飛んでいっている。B1Bには61トンくらいのミサイルや爆弾が積める。
それがいつも2機で来ます。グアムから2時間で来れます。ある時は韓国の演習
場で爆撃の訓練をやって帰った。日本の航空自衛隊が途中を援護する。韓国空軍
が一緒に援護する。そういうことをやっては帰る。

 B1Bは去年の8月にグアムに配備された。それまでいなかったんです。北が核
・ミサイル実験をするので、去年の実験の後に持ってきた。今年9月23日の深
夜から24日にかけて、これまでにないことをした。

 38度線が休戦ラインになっていますが、海の休戦ラインもあります。これ以
上韓国の軍艦も北の軍艦も来ない。韓国や米軍の軍艦が行かないということで北
方限界線と呼ばれている。NLLと言っています。

 それは海にひかれたラインですが、その北方限界線を越えてBIBが北朝鮮の沖
まで飛んでいきました。これは20回の中で初めてです。元山という北朝鮮の東
の大きな都市の近くまで行って、演習して帰って来たということをアメリカ軍が
発表したんです。

 実はその時、北朝鮮のレーダー波をBIBは受けなかった。普通だと北方限界線
を越えてきたらスクランブルをかけなければならないのですが来なかった。その
ことも発表しました。

いつでもアメリカは金正恩を殺すことができることを示したBIB

 私が最近聞いたことによると、平壌ではパニックになった。「なんで分からな
なかったのだ」と。金正恩が防空司令部に、「どうなっているのか調べろ」と言っ
たら、施設が古すぎてBIBは捕まえられない。BIBは本当のステレスではないんで
すが、それに近い。そして積める量が一番多い。バンカーバスターという地下の
基地まで破壊できる爆弾等を持っている。

 まさに金正恩がいる地下施設を攻撃できる、いわゆる斬首作戦に使われると思
われる飛行機がを北方限界線を越えて飛んできたのに、捕まえられなかった。そ
れを極秘にしているのに、流言飛語がどんどん飛んだ。「もう平壌の上空まで来
たらしい」とか「あれは60トンも積めるらしい」とか。これは正しい情報です。

 「あれが来たら核兵器を4、5発持っていてもだめだ」、「うちの国は亡びる」、
「金正恩だけ殺してくれればいいのに」とか色々噂が回っているそうです。それ
で国家保衛部がその噂を広めた人間を今捜査しているけどなかなか捕まらない状
況だと聞きました。

 つまり、いつでもアメリカは金正恩を殺すことができるという軍事演習をや
た。レーダーにも引っかからなかった。しかしこれはまだ、心理戦の段階です。
本当に戦争をする気だったら、レーダーに引っかからなかったことを発表しませ
ん。相手の弱点ですから、こっちにとっては貴重な軍事情報なんです。

 それを教えたら何か補完しようとします。それを教えるというのは、まだ本当
に戦争をする段階にはなっていなくて、心理的圧迫を加える段階です。だから心
理戦なんです。本当に戦争をするときには静かにやります。今のように、トラン
プ大統領が「滅ぼすぞ」とか言わないで突然やる。でも心理戦の段階だからやっ
たと言った。そしたら向こうでパニックが起きた。

◆アメリカの心理戦が効いているかも

 アメリカは繰り返し、「核兵器をやめるという前提なら話し合いに応じる」と
言っているわけです。習近平にもそういうことを言って、習近平もそれでいいと
言っている。習近平は特使を派遣しましたが、金正恩は会わなかった。核兵器を
やめるという交渉はまだ始まる状況ではないようです。

 水面下で米朝接触は色々やっているようです。接触をして互いに腹の内を探り
合っていますが、金正恩が今核をやめるということを言ってはいない。アメリカ
は核をやめさせることを前提とした交渉しかしないと言っている。

 ある段階に来て、「アメリカまで届くミサイルを持たせないということでいい」
という裏交渉が成立するかもしれないと言われていますし、「北朝鮮が何発核を
持ってもアメリカの安全保障には影響がない」という人もいるし、アメリカの中
でも議論がたくさんありますが、今のところトランプ大統領は公式には、「核を
やめさせる」と言っていて、北朝鮮が、「アメリカに届く核・ミサイルだけは開
発を中止する」と言ったとしても、北朝鮮はいつも嘘をつきますから、口で言っ
たことを信用できないわけです。検証しなければならない。

 アメリカの保守派の中には、「中国が北を占領して中国が保証してくれるなら、
北朝鮮地域を中国に渡してもいい」という議論もありますが、金正恩が「やめま
す」と口で言ったことを信用しようという議論はほとんどないです。

 検証の問題が難しく、今はにらみ合いが続いていますが、先ほど言った、なぜ
9月15日から風圧がとまっているのか。彼らは実験する必要がある。「火星1
4」を通常軌道で撃ちたいはずなのに、トランプ大統領が国連演説で、「北朝鮮
という国はなくなる」と言ったら、「最高度の報復をする」と金正恩の名前で生
命まで出しました。

 「太平洋上で核実験する」と言っただけで、何もできないのは、9月23~2
4日のことがあった後のことではないか。心理戦が効いているのかもしれない。

 もしかしたら来週にでも撃つかも分かりません。あまり断定的なことは言えま
せんが、少なくとも平壌がパニック状態になっていることは事実で、金正恩の近
くにいる人間は、「このまま行ったらアメリカのバンカーバスターで一緒に殺さ
れるのだったら、金正恩だけを差し出せばいいのか」、「中国もそれを支持して
いる」ということを内部で考えさせるための心理戦なのです。

◆内部矛盾を高めるのも心理戦

 今日の報道では、金元弘という元保衛部長と黄炳瑞という軍の総政治局長が、
組織指導部によって処罰を受けたそうです。韓国の国会で韓国の情報機関が報告
したという報道がありました。黄炳瑞という男はもともと組織指導部にいたんで
す。組織指導部の第一副部長だった。

 今北朝鮮の権力は、張成沢が処刑され、金元弘保衛部長が解任されて、今軍の
総政治局のナンバー2になったんですが、それを主導したのは組織指導部なんで
す。組織指導部全盛時代なのに、今度は組織指導部から軍に派遣された黄炳瑞が
組織指導部によって処罰を受けた。

 組織指導部の中に権力争いが起きたとも思えるような情報なんです。それと心
理戦が何か影響があるかどうか。あるいは経済制裁で外貨がなくなってくる。幹
部たちに対するガソリンの配給も減っている。そういうことの影響が何かあるの
か。もうちょっと様子を見ないとよく分かりませんが、内部矛盾を高めることを
目標に今心理戦をやっているという段階です。

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立憲民主党・枝野氏のデタラメな立憲主義を糾弾2017年11月22日

枝野氏の理屈は、「上位の法に反する下位の法は全く認めない」というものか。
そうすると、彼のリベラルな主張の多くは認められないことになる。選択的夫婦別姓も合憲であると最高裁が判断したのだから、彼は、かような主張はできないことになるはずだが、平気でしている。つまりは彼の合憲違憲理論は、ご都合主義に過ぎないということか。
以下写し。
 
2017年11月21日 11:30
立憲民主党の枝野幸男代表が20日、衆院本会議で代表質問に立った。枝野氏は、「(憲法違反の)安保法制を前提としながら自衛隊を憲法に明記したら、立憲主義違反を事後的に追認することになる」という珍妙な論陣を張った。
もし、このような議論がまかり通るとしたら、私学助成については、憲法違反という解釈もあるので、仮に憲法改正のおりに、疑いがないように措置するとか、同性婚とか外国人地方参政権など現行憲法では合憲か疑問がある制度を認める法律をつくって、あとで、憲法改正で手当てするとかいうのもダメだということだ。

また、憲法と法律の関係でそういうことなら、法律に違反する可能性がある政令等や条例があったとして、その疑問を解消するために法律を改正して争いがないようにするのもダメらしい。

下位の法令が上位の法令に違反するのでないかという疑念があれば、速やかに手当をするというのが好ましいと法律家として私も理解してきたし、そう教えられもしてきたが、枝野弁護士の見解は正反対らしい。

また、彼のいう立憲主義は、なんとも、奇異な点が多々ある。
憲法はそれに反する法令を排除するものであるが、すべての政策が、憲法をよりよく実現するように樹立されるべきものだとまで要求するものとは思えない。

それはイスラム原理主義みたいな考え方だ。経済政策にせよ、防衛政策にせよ、複数の勧考え方のどちらが憲法の精神に忠実かで適否を議論でもしろというのか?それはもはや憲法カルトだ。

それから、憲法の柔軟な解釈は、現行憲法の厳しい改正要件から必要とされるという視点も必要だ。どこの国でも憲法は普通の法律より厳しい改正要件がかけられる。しかし、そのときに、つねに問題になるのは、そのことが国民の意思と違う法律や政策を強いることをどう正当化するかということだ。

特に日本国憲法は、押しつけ憲法でないかという疑念がある。私は基本的にはその議論に与しない。その理由のひとつは、嫌なら憲法改正すればいいからだ。ところが、現行憲法の改正規定は、国民の意思が改正にあっても、容易に改正が出来ない。

となると、GHQは憲法を強い圧力で受け入れるようにしただけでなく。それを変更することすら国民の通常の意思でできないようにしたということになってしまう。

そうなると、現行憲法の妥当性は著しく低いことになるのだが、それを緩和しているのは、解釈についてある程度の柔軟性が存在することだと思う。

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エリザベス女王と鳩山由紀夫が租税回避で窮地2017年11月6日

ルーピー、死んでくれ。最低でも県外、Trust me、学べば学ぶほどなどと、史上最低の宰相だったが、政治家止めても害悪の限りを尽くしているな。
爺さんの一郎は、統帥権干犯問題を大きくした張本人だし、ろくでもない血筋だ!
 
2017年11月06日 14:00八幡 和郎
バミューダ諸島などに拠点を置く法律事務所「アップルビー(Appleby)」から流出したものなど1340万の文書からなるパラダイス文書は、南ドイツ新聞が入手し、2015年の「パナマ文書」公開でも活躍した国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)と提携するメディア各社が分析にあたっていたが、エリザベス女王の個人資産から約1000万ポンド(約15億円)がオフショアのタックスヘイブンのファンドに投資されていたことが判明した。

違法性はないようだが、イギリスでは大騒ぎで、
“君主制をゆるがす問題に発展するかもしれない”
とされるが、再投資先には貧困層を搾取しているとして物議を醸した英企業も含まれていた。

女王の個人資産は、日本の中世の荘園群と同じように、いくつかの領地ごとに管理されていて、そのひとつがランカスター公領だ。その管理人が、ケイマン諸島やバミューダ諸島の複数のファンドに投資されていたという。

ファンドが再投資していた先には、評判の悪いブラック企業もあるようだ。女王は課税特権をもつなどしており、王室への信頼に深い傷をつけること間違いない。

一方、日本ではなんと鳩山由紀夫元首相が政界を引退した次の年である2013年にバミューダに登記があって香港が拠点の石油・ガス会社「ホイフーエナジー」の名誉会長に就任し、報酬を受け取っていたことが判明した。

鳩山氏は、名前だけでも連ねてほしいと言われたが実質は何の意味もなく、鳩山の名前で信頼を得たいと思っただけだとかわけのわからん説明。副会長にジョージ・W・ブッシュ元大統領の弟ニール・ブッシュ氏がいるそうだが、香港だから中国がらみのきな臭さ一杯。

大富豪のくせにこんなせこい錬金術を駆使して、中国に遠隔操作されて南京虐殺だ慰安婦だと騒いでいたのかとか言うことなら、なるほどということだが、そんなことはないと信じたい。

しかし、大富豪の貴公子にして首相までつとめてなんたる倫理観。エリザベス女王は自分では知らなかったから監督不行届だけだが、鳩山氏は自分ひとりで動いて「おいしい話」にありついていたのだから罪は重い。

ドイツではロシアのガスプロムの関連会社に雇われてプーチンのエージェント化し、韓国人の愛人のためにナチスと日本軍を一緒にするシュレーダーというどうしようもない元首相がいるが、あっちは正々堂々と隠していなかっただけベターかもしれない。

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三菱UFJ信託、新規住宅ローン撤退 18年4月2017年10月30日

 2017/10/30 1:37

 三菱UFJ信託銀行は来年4月から、住宅ローン事業の新規融資をやめる。日銀のマイナス金利政策で経営環境に厳しさが増すなかで、富裕層向けの資産運用や相続といったより強みを持つ分野に経営資源を傾けることにした。グループの三菱東京UFJ銀行の代理店として住宅ローンは取り扱うが、自前での新規融資は撤退する。

 三菱UFJ信託銀行はこれまで、取引先の企業の従業員向けに金利を優遇する商品や不動産業者経由を中心に、住宅ローン事業を展開してきた。融資残高は1兆2千億円。残高が10兆円以上の国内メガバンクや8兆円強の三井住友信託銀行と比べると、規模は小さい。

 来年4月の新規融資分からは、三菱東京UFJ銀行の住宅ローンに商品を一本化。来年1月にも自前ローンの事前審査の受け付けをやめる。既存のローン契約は移さず、そのまま三菱UFJ信託銀行が管理を続ける。

 新規の融資から撤退するのはグループ内の役割分担を明確にし、効率化するためだ。メガバンクや地方銀行をはじめ国内金融機関の間で低金利競争に拍車がかかり、採算が悪くなっていることもある。三菱UFJ信託銀行は住宅ローン業務に携わってきたおよそ200人を、相続や不動産、富裕層向けの資産運用など付加価値の高い手数料ビジネスに振り向ける。

 三菱UFJフィナンシャル・グループは今年5月、三菱UFJ信託銀行の法人融資業務を来年4月に三菱東京UFJ銀行に移すことなどを柱とするグループ経営の再構築に向けた長期ビジョンをまとめている。今回の住宅ローンの新規融資の停止は同計画では触れていないが、踏み込んだ効率化策を打ち出し、グループの収益力向上につなげる。

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希望の党の敗因と立憲民主党の勝因2017年10月24日

kazuさんのブログより

https://ameblo.jp/kazue-fgeewara/entry-12322003023.html

2017年の衆議院選挙は、自由民主党と公明党の与党が全体の2/3の議席を超え、希望の党が議席減、立憲民主党が大躍進を遂げるという結果になりました。この記事では、希望の党・立憲民主党・自由民主党の3党に着目し、勝敗の要因を定性的に分析したいと思います。

政治的強者と政治的弱者

希望の党
今回の選挙は、ワイドショーが主導する満員御礼の「小池劇場」で始まりました。希望の党・小池百合子代表の【ポピュリズム populism】が頂点に達し、朝から晩までテレビの報道番組やワイドショーは政権交代を視野に入れた過熱報道を開始しました。完全に政治的強者となった小池代表は事実上の解党を決めた民進党議員の受け入れにあたって「排除宣言」をしました。この排除宣言は、機能集団である政党にとって極めて合理的な意思決定です。しかしながら、小池代表の【ポピュリズム】のターゲットとなっていた情報弱者にとってみれば、排除宣言をするような政治的強者は大衆の敵であり、ここに小池代表の決定的な誤算があったと言えます。【ポピュリズム】を忘れた【ポピュリスト populist】は当然のことながら大衆の敵であると言えます。独裁的な権力を使って、都民ファーストの会の結党に貢献した音喜多都議と上田都議を政治的に粛清していたことや、若狭勝氏と細野豪志氏をリセットしたことも【対人魅力】を大きく減少する要因となりました。

立憲民主党
小池代表の排除宣言のターゲットとなった立憲民主党は、大衆から政治的弱者と認識され、政治的強者である希望の党と対峙する大衆の味方を装いました。立憲民主党の枝野幸男代表は【同情論証 appeal to pity】に基づくこの棚ボタの【ポピュリズム】に徹し、「数合わせや権力ゲームとは距離を置く」という実効性のない誠実さをアピールして言説を肯定させる【誠実さに訴える論証 appeal to sincerity】と「エダノン」と呼ばせる親近感をアピール言説を肯定させる【庶民性に訴える論証 appeal to common folk】という誤謬を利用した心理操作で情報弱者の支持を得ました。まさにバットを構えただけで一度も振ることなく、相手投手の四死球の連発から得点を重ねただけと言えます。

自由民主党
当初は安倍一強と指摘されたように実際に完璧な政治的強者の自民党ですが、希望の党が大衆から横暴な政治的強者と認識されたために、政治的強者であることをちゃっかり隠して選挙を戦ったと言えます。

大衆に対する上から目線と下から目線

希望の党
小池代表は、ゲームを有利に進めるため、自らの意思決定を先送りして大衆の情勢を見極めるいつもの作戦に出ました。特に小池代表は衆院選への立候補の意思を明言しなかったことから、「国民ファースト」と言いながらその行動原理は常に「自分ファースト」であったことが情報弱者からも見透かされたと言えます。大衆に対するコミュニケーションの努力に乏しく、一方的な政策の提示によって党首への追従を求める政治スタイルは、大衆から上から目線と認識された可能性が高いと考えます。

立憲民主党
枝野代表が強調し続けた「上からの政治を草の根の政治に変えていく」という言うだけなら誰でも言えるスローガンは【ルサンチマン ressentiment】を持つ大衆を扇動するポピュリズムそのものです。枝野代表が口にする「立憲民主党はあなたが創った政党だ」「立憲民主党と一緒に戦ってほしい」「日本の民主主義を進める」「私にはあなたの力が必要だ」「皆さんは民主主義の主役」といった言説は、立憲民主党と対峙している自民党も認識している単なる民主主義の精神を扇情的に言葉に出しているだけですが、民主主義の原則も知らない情報弱者はこの手の言葉に酔ってしまい、あたかも立憲民主党が特別な党であるかのように認識してしまいます。すなわち自分が「民主主義の主役」であることを知らなかった中二病の情報弱者は、【返報性の原理 reciprocation】に従って、枝野代表にお返しの感情を持つようになり、結果的に強く支持するようになります。まさに政治家の他愛もない【プロパガンダ propaganda】の餌食となったわけです。

自由民主党
自民党は、今回の選挙でもいつもながらの下から目線で、組織を通して大衆とコミュニケーションしたと言えます。実質的には、口だけの立憲民主党よりはよっぽどきめ細かくサイレント・マジョリティの民意を引き上げていると考えられます。このそつのなさが自民党の強さとも言えます。

イメージだけの政策とお花畑の政策

希望の党
大衆に受けそうなイメージ・ワードで構成されるハチャメチャな政策を堂々と発表してしまった希望の党は、ネット言論を中心にコテンパンに論破され、どんどん無口になっていったと言えます。そもそも最初は、一院制を実現するための党であったはずなのに、一院制は入党の要件からも外されてしまいました。ユリノミクス「12のゼロ」など、情報弱者にも見破られてしまうあまりにもシュールすぎる政策が多すぎたと言えます(笑)

立憲民主党
立憲民主党の希望の党との大きな違いは、立憲民主党にはお花畑政策という確固たる政策があるということです。お花畑政策は、共産党や社民党の政策と大きな違いはなく、議論になれば瞬殺されてしまうような内容といえます。立憲民主党の賢いところは、ボロが出るので政策の詳細な内容には触れることなく、「政策がある」ことだけを強調した点です。政策・理念を捨てて希望の党へ移った民進党議員が批判される中、立憲民主党は「政策・理念の筋を通す」と主張するだけで人気を得ることができたわけです。お花畑政策は、詳しい議論さえしなければ(笑)、戦後民主主義の呪縛から解放されることがない中高年層からの一定の支持を期待できる政策と言えます。

自由民主党
自民党は、サイレントマジョリティが評価する外交政策をひたすら強調したと言えます。なお、増税を主張しても大きな影響がなかったことは特筆すべきであると言えます。

他党批判

希望の党
これまでに大衆に不人気な敵を作ってきた小池代表ですが、今回は不人気な敵がいなかったと言えます。仕方なく森友・加計問題を問題視して安倍晋三首相の【人格攻撃 ad hominem】をしましたが、既に森友・加計問題に疲弊していた国民の支持を受けられなかったと同時に、小池代表自身の人格が国民に問われたと言えます。

立憲民主党
立憲民主党は、森友・加計問題で政府を全体的に批判することがあっても、個人に対するヒステリックな【人格攻撃】については回避したと言えます。これは【人格攻撃】をするたびにブーメランとして返ってきた民進党時代の経験を踏まえたものと推察します。

自由民主党
自民党は、大衆がウンザリしている小池劇場を批判しました。「希望の党と立憲民主党は民進党に過ぎない」という指摘は、民進党に懲り懲りしている多くの国民を納得させたものと考えます。

エピローグ マスメディア支配の構造

どうであれ、今回も野党の政策が十分に示された選挙ではなかったと考えます。このような選挙では、この記事で示したような要因によって吹く「風」だけが頼りになり、「風」を吹かせる原動力であるマスメディア報道がその勝敗に大きく関わることになると言えます。今回の選挙の場合は、希望の党が明確に憲法改正に積極的な姿勢を示した頃から、マスメディアの小池バッシングが始まり、憲法改正に消極的な姿勢を示す立憲民主党の姿勢を美化し、その高まるプレゼンスを強調する報道が急激に増加したと言えます。結果として立憲民主党は大躍進することになりました。

一方で、TBSテレビ「NEWS23」と「サンデーモーニング」はフェイクニュースを使って、自分達の論調とは異なる意見が多いネット言論を貶めて無力化するような特集報道を行いました。そしてネットでその報道の矛盾が追及されると、アリバイを作るように報道を訂正して、何もなかったかのように装いました。また、都議選最終日における秋葉原での組織的選挙妨害を肯定した「モーニングショー」等のワイドショー報道によって、各所で組織的な選挙妨害が普通に行われるようになりました。救いは演説の聴衆がこのような反社会的行動を許容しない雰囲気が形成されたことです。

報道を逸脱したマスメディアの選挙への関与は日本の民主主義を揺るがす大問題であり、多くの国民がこのことを認識し、各個人がマスメディアの暴走を監視していくことが重要であると考える次第です。

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安倍〝戦時内閣〟は「国難突破」できるか 潮 匡人2017年10月24日

http://agora-web.jp/archives/2029076.htmlより写し

いよいよ米朝の軍事衝突が現実味を増してきた。当欄で指摘してきたとおり、たとえば2010年の延坪島砲撃のような突発的事態から武力紛争が拡大していくリスクはいまも高い(詳しくは拙著『安全保障は感情で動く』文春新書)。

加えて(残念ながら、そうなってしまう可能性が高いが)北朝鮮の核ミサイル開発を、制裁や交渉で止められない以上、米軍が航空攻撃を実施する可能性が増していく。

ならば、攻撃はいつか。時期的には今度の冬が危ない。極寒期は最低気温が零下20度に達し、すべてが凍りつく。そうした厳しい気象条件は、北朝鮮軍の行動を大きく制約する一方、米軍の航空攻撃に与える影響は少ない。米軍が大規模な地上部隊を半島に投入するなら話は別だが、その可能性は極端に低い。もはや米軍は朝鮮半島に限らず、中東でもどこであれ、大規模な地上作戦を展開する体力に乏しい。

このため、米軍の作戦行動は航空攻撃が主体となろう。そうした米軍の作戦行動にとり絶好のタイミングがこれから訪れる。なんらかの理由で米軍が軍事行動を控える場合も、今後さらに、各国による経済制裁の効果が出始める。来年2月9日から開催される平昌オリンピックの日程を睨みながら、今後いっそう半島情勢は緊迫していく。先日の総選挙を受け、改めて組閣される安倍晋三政権は第二次朝鮮戦争に対処する〝戦時内閣〟となるかもしれない。

おそらく総理はそうした腹を固めているのであろう。もし上記のとおり展開すれば、来年の通常国会で衆議院を解散できるチャンスを失ってしまう。だから「大義なき解散」との批判を甘受し、今回の「冒頭解散」に打って出た。そういう事情であろう。

実際、安倍総理は訪米前から「北朝鮮危機前に総選挙は今しかない」と語っていた。総理(と私)の盟友(荒井広幸「新党改革」元代表)が産経新聞のインタビューで、そう明かしている(下記サイト)。最近、他にも同様の情報を耳にした。日本政府の情報分析でも、北朝鮮危機は確実に迫っている。

荒井広幸・元新党改革代表「安倍晋三首相は『国民の結束を問いたい』と言ったんです」「北朝鮮危機前に総選挙は今しかない」(産経ニュース)

そのとき安倍内閣は「国難突破」できるのか。なるほど安倍総理や小野寺五典防衛大臣には、そうした能力や資質があるといえよう。ただ残念ながら、今回の総選挙では、具体的な対北朝鮮政策はほとんど語られなかった。

たとえば、旗国(北朝鮮)船長の同意がなければ立ち入り検査もできない船舶検査法の問題を指摘し、法改正を訴えた候補者がいただろうか(先月の当欄参照)。解散まで自民党が検討していた「敵基地反撃能力の保有」を主要な政策に掲げたのは、当の自民党ではなく、少数野党(「日本のこころ」)だった。その野党も今回、議席を失った。

さらに言えば、安倍総理は解散表明会見で「憲法改正」に一言も触れなかった。くわえて選挙中も、ほとんど語らなかった(詳しくは月刊「Voice」12月号拙稿)。今後「自衛隊の明記」をめぐり、与野党間で政治的な駆け引きが行われるのだろうが、元自衛官としては釈然としない。できれば、きちんと争点化したうえで、正々堂々「自衛隊」を憲法に明記してほしかった。

冒頭解散により、安全保障上の致命的な「政治空白」が生まれた経緯も無視できない。平和安全法制(いわゆる安保法制)は自由民主党と公明党の連立与党に加え、日本を元気にする会、次世代の党及び新党改革の野党3党を含む5党が合意し成立した(詳しくは月刊「正論」12月号拙稿)。

この5党合意は単なる口約束ではない。附帯決議として議決され、本会議で可決成立した。加えて「政府は、本法律の施行に当たっては(中略)合意の趣旨を尊重し、適切に対処する」と閣議決定された。いわゆる集団的自衛権の限定行使を巡り、こう合意された。

「存立危機事態に該当するが、武力攻撃事態等に該当しない例外的な場合における防衛出動の国会承認については、例外なく事前承認を求めること」

たとえば北朝鮮弾道ミサイルのグアム攻撃がこれに当たる。これまで「例外的な場合」と考えられてきたが、現実あり得る想定と言えよう。その際、政府は「例外なく(国会の)事前承認を求める」との「合意の趣旨を尊重し、適切に対処」しなければならない。そう安倍政権が自ら閣議決定してしまった。

それが「適切に対処」できない状況が生まれていた。衆議院は解散され、参議院を含め、永田町は〝もぬけの殻〟となった。憲法上は参議院の「緊急集会」が招集される建前だが、現実には弾道ミサイル攻撃などの「緊急」事態には対応できなかった。

加えて、平和安全法制は閣議(と国家安全保障会議)の議決を必要としている。今回の選挙中、防衛大臣は在京だったが、総理や閣僚は全国に散らばった。いざとなれば「電話閣議」で対処するつもりだったのだろうが、携帯電話の圏外を移動中など、それすらできない状況が生まれていた。

たとえば選挙カーの上で総理らが応援演説中に、もし弾道ミサイルが撃たれていたら、どうなっていたであろうか。携帯スマホで「緊急速報メール」を受信した聴衆がざわつき始めても、車上の総理らは(秘書官から報告を聞くまで)何が起こったのか分からない・・・そうした反安倍メディアにとり格好の場面が生起していたかもしれない。いくら安倍総理が「自衛隊最高指揮官」と名乗ろうと、常に「核のフットボール」を手放さない海軍士官が随行するアメリカ軍の最高指揮官(合衆国大統領)とは似ても似つかない。

総選挙を通じ、安倍総理は「国難」として北朝鮮情勢を語ったが、もし選挙中に半島有事が起きていれば、上記の政治空白が致命傷を生んだかもしれない。

ただ、実際問題「ならば、いつ解散すればよかったのか」とも言えよう。以上の問題は、緊急事態を本気で想定してこなかった戦後日本の病理(いわゆる平和ボケ)に起因する。これを機会に憲法と関連法制の抜本改正を図るべきではないだろうか。

最低でも、平和安全法制の抜本改正や、いわゆる敵基地攻撃能力の保有は検討してほしい。「国難突破」と大言壮語するのは、それからでも遅くない。

安全保障は感情で動く (文春新書 1130)
潮 匡人
文藝春秋
2017-05-19
カテゴリー:Diary

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