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中国から資本が逃げる2016年12月20日

中国から資本が逃げる ドル高・人民元安の先に

2016/12/20 1:34
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 10月1日の国慶節(建国記念日)。重慶市の40代男性は家族で香港に飛び立った。妻子をホテルのプールに残し、向かった先はIFAと呼ばれる金融アドバイザーの事務所。休暇を兼ね、外貨建て保険を購入するのが目的だった。

 複数の保険を吟味し、大手AIAの保険に決めた。年3万元(50万円)相当を積み立てていく。「高利回りが見込めるため」と男性は語るが、もちろん別の狙いがある。資産の海外移転だ。保険を買う形なので、年間5万ドル(590万円)という両替制限には該当しない。銀聯カードで支払える手軽さも魅力だった。

 人民元は2016年、ドルに対し6%強も値下がりした。下落率は元切り下げがあった15年より大きい。通貨当局は海外送金などの規制を断続的に打ち出したが、思惑とは逆に市場の元安予想はかえって強まった。「ドルの現金がなく、ご希望の額すべては両替できません」。数千ドルの両替で銀行窓口にこのような対応を受ければ、だれだって不安になるのは当然だ。

 結果、中国である程度の資産を持つ層はいま、様々な手段で資金を海外に逃がそうとしている。ビットコインを使った流出も勢いを増している。トランプ氏が米大統領選に勝利した11月はドル高・元安が進む裏で、ビットコインの取引が過去最高に膨らんだ。うち9割を占めたのが中国だ。

 「1日の送金上限は200ビットコインです」。北京の大手ビットコイン取引所の担当者は事もなげに話す。足元のビットコイン価格は790ドル前後。15万ドルを超す金額をやすやすと移転できる計算だ。「ハンドキャリーは有効」「地下銀行も健在」。ネットでは流出ルートを探る記事も目につくようになった。

 12月、ドラや鐘が響く中で始まった香港と深圳の相互取引も振るわない。深圳株の取引は1日あたり20億元ほど。エアコン最大手の格力電器、東芝の白物家電買収で名をはせた美的集団が名を連ねる割には寂しい数字だ。「元安や資本流出への懸念がくすぶる中では手掛けにくい」。香港のファンドマネジャーは話す。

 場当たりな金融行政を繰り返す中国への不信感も強い。15年の株バブルの崩壊以降、当局は「国家隊」と呼ばれる政府系資金を動員して買い支えに奔走した。上海総合指数が3000を上回ったところで落ち着くと、今度は次なるバブルの抑制策に着手した。不動産への投資規制を受け、資金が改めて株式に流れ込むのを恐れているのだ。

 今は複数の保険会社がやり玉に挙がり、特定銘柄の買い占めで株価をつり上げたなどと糾弾している。相場を安定させることだけに気を取られ、自由な株価形成のもとで銘柄選別や資金調達の場を提供するとの意識は失われている。

 15日には国債先物が初めてストップ安をつけた。中国は今、資本逃避に歯止めがかからなくなっている現実を受け止める時期に差し掛かっている。

(上海支局 張勇祥)

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米FRB、1年ぶり利上げ0.25%2016年12月15日

米FRB、1年ぶり利上げ0.25% 全会一致
17年は3回見込む

2016/12/15 4:03  

 【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、1年ぶりの利上げを全会一致で決めた。利上げ幅は0.25%。同時に公表した政策金利見通しでは、2017年中に3回の利上げを中心シナリオとし、引き締めペースの加速を見込んだ。FRBは08年の金融危機後に続いた超低金利からの脱却を目指しており、世界のマネーを再び揺り動かしそうだ。

 短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年0.25~0.50%から0.50~0.75%に引き上げた。新たな政策金利は15日から適用する。利上げはイエレン議長ら投票メンバー10人の全員一致で決めた。

 FOMC後に公表した声明文では「労働環境と物価上昇率の実績と見通しに鑑みて、政策金利を引き上げると決断した」と強調した。米経済成長率は7~9月期に2年ぶりの高さとなり、失業率も11月には9年ぶりの水準まで改善。物価上昇率も1.7%と目標の2%に近づいている。トランプ次期政権が巨額減税などの財政拡張策を掲げ、株価や金利が上昇したことも利上げを後押しする材料となった。

 今回の会合で政策金利を0.25%引き上げたのは、金融市場の事前の予測通りだ。市場が注視するのは今後の利上げペースだが、FOMCメンバー17人の利上げ見通し(中央値)は、17年に3回、18年に3回となり、引き締めが加速すると見込んだ。前回公表した9月時点の見通しは17年に2回、18年は3回だった。

 市場はトランプ次期政権の財政拡張策でインフレ圧力が強まるとみており、来年の利上げペースが加速するとの見方があった。米国市場では長期金利が2年2カ月ぶりの水準まで上昇し、ドルも通貨指数が14年ぶりの高値圏にある。FRBが市場の見方に追随して利上げペースの加速を見込んだことで、金利上昇とドル高に拍車がかかる可能性もある。

 基軸通貨ドルを抱えるFRBの利上げは世界のマネーの流れにも影響する。金利上昇で利回りが見込めるドルに資金が回帰し、日本は円売りが進みやすい地合いとなる。一方で緩和マネーが集中していた新興国は、資本流出や通貨安のリスクに見舞われる。

 FRBは昨年12月に9年半ぶりの利上げに踏み切り、08年末から続いたゼロ金利政策を解除した。ただ、その直後の1月には世界同時株安に見舞われ、1年にわたって追加利上げを凍結することになった。

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リフレ派はなぜ終了したのか2016年12月14日

リフレ派はなぜ終了したのか

2016年12月13日 11:16 
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  • 池田 信夫

Czdif9-VEAAtZR9文藝春秋1月号の浜田宏一「『アベノミクス』私は考え直した」というリフレ派からの「転向宣言」が話題を呼んでいる。朝日新聞も「アベノミクスよ、どこへ 理論的支柱の『教祖』が変節」とからかっている。リフレ派の教祖が、その終了を認めたわけだ。

これは奇妙な現象にみえるかもしれないが、今年のFRBのジャクソンホール会議で発表されたシムズの論文は、それほど衝撃的だった。これはインフレは貨幣的な現象ではないという事実を証明したからだ。

その論理は単純である。たとえば日本でマネタリーベースを2倍以上にしても物価が上がらないのは、政府が財政健全化のために単年度の財政赤字を縮小しているからだ。財政赤字は経済全体の超過需要なので、それが大きくなると需給ギャップが拡大して物価が上がる。

しかし日本のように大きな政府債務を抱えていると、政府は「財政赤字を減らす」といわざるをえない。人々は財政赤字が減って需給ギャップが縮小すると予想するので、物価は上がらず、財政デフレが起こる。これが世界的に低金利とデフレが続く原因だ。

だから物価を上げるには、この逆をやればいい。政府が「財政健全化はやめた」と宣言して、大幅な減税をするのだ。たとえば消費税を5%に下げると財政赤字が拡大して、大幅な超過需要が起こるので、インフレが起こる――というのがシムズのFTPL(物価水準の財政理論)である。

これは数学的にはトートロジーだが、問題はその仮定が現実に当てはまるかということだ。FTPLはリカードの中立命題の一般化なので、長期的には均衡財政が実現する(ネズミ講の非存在)という条件が必要だ。それが自分と子孫の世代で実現すると予想すると財政政策は無効だが、将来世代に先送りできると財政政策は有効になる。

だから「中立命題は成り立たないがFTPLは成り立つ」という浜田氏の話は矛盾している。FTPLも長期的には均衡財政を仮定しているので、彼のいうネズミ講を永遠に続けることはできない。問題は、ネズミ講がいつまで続けられるかだ。

その答も単純だ。投資家が続けられると予想する限り続けられる。その上限は国家の支払い能力だが、これは将来の徴税能力だから、日本政府が消費税率を30%以上に上げることができると多くの人が信じていれば、財政赤字で金利は上がらず、インフレも起こらない。

しかし将来の徴税能力というのは主観的な予想だ。「果てしなく増税を先送りする自民党政権が消費税率を30%まで上げることはできない」と予想する投資家が増えると、国債が売られて金利が上がり、財政インフレが起こる。普通のインフレは金利を上げると収まるが、金利が上がると財政赤字は増えるので、財政インフレは金利を上げると加速する

日本でインフレにするには、消費税率を下げて財政赤字を増やすしかないとシムズは提言しているが、これはインフレで借金を踏み倒す実質債務のデフォルトである。2%程度のインフレでは財政や社会保障の危機は解決できないので、やるなら5%ぐらいのインフレを10年以上続ける必要がある。

しかしそれが5%で止まる保証はない。インフレで資本の海外逃避が起こると金利が上がり、インフレ・スパイラルに入るおそれが強い。財政インフレがコントロールできるかどうかはわからないが、それが残された唯一の選択肢かもしれない。少なくとも将来世代に莫大な政府債務を残すより社会的には公正だ。

いずれにせよ、リフレもアベノミクスも終わった。金利上昇が遠くない将来に起こることは確実だが、これは日銀だけではコントロールできない。インフレは財政的な現象だという前提で、マクロ経済政策を考え直す必要がある。

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中央銀行は持ちこたえられるか2016年11月22日

ハイパーインフレが来るとしたら、いつ来るのか。

いつまで保つのか?

中央銀行は持ちこたえられるか ──忍び寄る「経済敗戦」の足音 (集英社新書) 新書 – 2016/11/17
河村 小百合 (著

2016年11月22日 00:01 アゴラ 

池田 信夫

本書のタイトルはわかりにくいが、「持ちこたえる」の目的語は「金利上昇」あるいは「国債暴落」だろう。つまり日銀がこのまま量的緩和を続けて金利が上昇した場合に、そのバランスシートはどうなるのかという話だ。

答は明らかである:日銀は大幅な債務超過になる(すでになっている)。これは本書に引用されているように今年の国会でも議論された。

前原委員 独立法人経済産業研究所の試算、これは、2016年末に恐らく365兆円に保有国債は達するであろう。仮に長短金利が2%上昇すれば、平均残存期間8年の日銀保有国債の時価は約14%低下をして、そして日銀の損失は51兆円になる。こういう試算も出ているわけです。

黒田参考人 日本銀行の使命は、物価の安定と金融システムの安定ということでございます。[…]財務の問題、その可能性を言って金融政策をしない、あるいは物価の安定、金融の安定の目標を達成しないということではいけないと思っております。

前原委員 つまりは、国民負担は生じ得るということを認められたわけですよ。

その通りである。今年中に(自己資本6兆円の)日銀は40兆円以上の債務超過になり、これは最終的に国民負担になる。問題は、それで何が困るのかということだ。シムズも指摘するように、中銀はいくらでも通貨を発行して借金を返せるので、債務超過になること自体は問題ではない。

しかし日銀が通貨を増発してインフレになると、「インフレ税」は国民負担になるので、それをコントロールするためには政府の資本注入が必要になる。数十兆円の財政支出は政治的に困難だが、政府が資本注入をいやがるとインフレが加速して(理論的には)ハイパーインフレになる。

巨額の国民負担はすでに発生しているので、問題はそれをどう処理するかだ。究極の選択は、増税かインフレ税かということだ(IMFのような「最後の貸し手」に頼ることは債務の規模が大きすぎて無理だろう)。普通は本書のようにインフレ税は好ましくないと考えるが、それは自明ではない。

消費税を30%に上げることは政治的に不可能に近いが、インフレは政府が資本注入を拒否すれば起こる。それによって金融資産は大幅に減価するが、政府があらかじめ警告すればいい。銀行の債務超過は、日銀が融資すればいい。投資家は海外に資産逃避するだろうが、それによって円が下がれば損失を海外の投資家に転嫁できる。

オフバランスの社会保障債務を含めて2000兆円を超える日本の政府債務を、増税や歳出削減だけで正常化することは不可能だ。ピケティも推奨するように7%のインフレを10年続ければ、日本の政府債務は半減して将来世代の負担も減る。重要なのはインフレ率をコントロールすることで、これは日銀だけではできない総力戦である。

国民負担を最小化するには、金利上昇が始まったとき、政府と日銀がどう対応するかを決めておくべきだ(シムズをジャクソンホール講演に招いたFRBはすでに考えていると思われる)。資本注入は為替介入のような一時的な措置で、最終的には一般会計に計上する必要がある。金利上昇は必ず起こる。原発事故と同じく、安全神話がもっとも危険である。

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地震で円高?2016年11月22日

http://mituwasou.com/fxblog_beginner/free/earthquake.htmlより

FX相場は日本の地震や災害時になぜ円高に動く?

 FX初心者の方々から「日本で地震発生時、為替はどのように動きますか?」や「日本で災害が起きるとなぜ円高に動くのですか?」または「災害時のトレードにはコツがありますか?」と言った質問を頻繁にお受けします。

 そうした質問が多い理由として、日本が地震・台風それに地滑り・洪水など世界を見渡しても「これほど災害の多い国は他には無い!」と言えるほど災害が多い国ですので、必然的に、日ごろから危機意識が鍛えられているのだと思います。

震災後の相場イメージ

 そこでここでは、そんな初心者トレーダーの疑問に答える意味も込めて、「日本で災害が発生した場合、なぜ為替相場(FXマーケット)は円高に動きやすいのか?」と言う根本となる理由と、「災害発生時にはどのようにトレードを組み立てていくと利益が出やすいのか?」と言うお話をしてみたいと思います。
 ※ 災害発生時には『まずは身を守ることが何よりも1番大切である』と言うことを深くご理解して頂けた上でお読みください

リパトリエーション(リパトリ)の動きとは?

 震災に限らず、日本で災害が起こった後にマーケットが円高に振れると、突然、頻繁に使われるようになる「リパトリエーション(リパトリ)」と言うマーケット用語があるのですが、この「リパトリエーション」と言う言葉について一体どのような意味で使われるのかご存知でしょうか?
 ※ 中にはレパトリエーション(レパトリ)と言う表現をする場合もありますが英語では「Repatriation」と書きますので、本サイトにおいては英語発音に近い「リパトリエーション(リパトリ)」を採用しております

リパトリエーション(本国送還)イメージ

 そもそも「リパトリエーション(Repatriation)」は英語で「本国送還、帰還」と言う意味で、海外生活時の資産を引き払って帰国することになった「引揚者」と言う意味もあります。

 英語では「本国送還」と言う意味を持つリパトリエーションですが、マーケット用語でも同様に「海外に持っている資産を日本(本国)へと戻す(帰還させる)」と言う意味で使用し、「企業や投資家、金融機関それに保険会社などが海外に持っている株や債券を売り払い日本円へと変換すること」を指します。

 例えば、「保険会社(A)」がアメリカの「大手企業(B)」の株を大量に持つことにより資産運用をし、その利益により保険会社が運営されている場合、「保険会社(A)」が「大手企業(B)」の株を売り払い、「大手企業(B)の株 ⇒ アメリカドル ⇒ 日本円」と、日本円にまで資産を戻すことを「リパトリエーション」と言います。

 大筋の「リパトリエーション」についての知識はこんなところで十分ですね。

 さて、ここからがトレーダーとして重要な知識となってくるのですが、「“保険会社が海外で運用している資産を売り払い日本円にまで資産を戻す必要がある時”、つまり“リパトリエーションをする必要がある時”と言うには一体どのような時だと思いますか?」

 答えは簡単ですね。そうです。「保険料の支払いがある場合です」

 保険会社は、保険加入者である私たちから保険料を受け取り、その集めた保険料を投資・運用資金として利用し利益を生み出すことで、高額な保険料の支払いを行った場合においても企業として儲けが出る仕組みを作っています。

 つまり、保険会社に掛けている保険金と言うのは、保険会社により「日本の株や債券、または海外通貨・海外企業の株や国債」と言った様々な資産へと投資が行われており、災害のような大規模な保険料支払いが予想されるケースにおいては、投資中の資産を現金化(日本円化)する「リパトリエーション」が起こる(起こりやすい)と言われています。

 そして、この保険会社を代表とした本邦企業によるリパトリエーションの動きこそ、「日本での大規模災害発生時に円高に動く理由」だと言われています。

地震後の円買いは日本に起きる不思議な売買?

 「リパトリエーションの動きが日本での災害発生時に大きな影響を与えている」と言うことについてご理解頂けたところで、続いては、多くの方が疑問に思うことについて回答させて頂きたいと思います。

 それは、「本当にリパトリエーションの動きで震災後には円高になるの?」「日本での災害発生が意味するのは日本の経済が不安定になることを意味するから、日本円も売られて当然じゃないの?」と言った疑問です。

 正直、このような災害時における円高の動きに関する質問を、私は、身近な友人はもちろんのこと、ビジネス先の知り合いの知り合いから、散髪にたまたま居合わせた個人投資家の方まで、老若男女、幅広い業種の方々から幾度と無くお受けしました。

 まずは、「FXは論より証拠」と言うこともありますし、過去30年間の実際の米ドル円の値動きをチャートで見てみましょう。

阪神大震災・東日本大震災時の長期ドル円チャート

 日本は数多くの災害を経験していますが、その中でも代表的な大きな地震災害となったのは「阪神大震災」と「東日本大震災」でしょう。

 実は、こうして30年の長い期間を切り取ったドル円の値動きを見てみると、阪神大震災が発生した1995年につけたドル円の最安値(円を主に見ると円最高値)を破ったのは、東日本大震災が発生した2011年となります。

 アナリストの中には「日本はデフレ状況にあったのだから、円高方向に動いていたのは当然のことで、ドル円の最安値更新は震災がたまたまそれに重なっただけの偶然である」と言う発言をする方もいらっしゃいますが、こうして見ると偶然にしては出来過ぎている気もします。

 そこで、もう少し分かりやすくするために表示期間を短期にして、再度、震災時のチャートを見直してみましょう。

阪神大震災時のドル円チャート

 上は、阪神大震災時のドル円チャートになりますが、震災発生後にドル円は一気に下方向(円高方向)へと舵を切り、史上最安値を更新した後、下値を探った後に大上昇を見せています。

東日本大震災時のドル円チャート

 次に、東日本大震災時のチャートですが、こちらもまた震災発生後に史上最安値を更新した後、何度か底値を探った後で上昇トレンドが発生しています。

 ドル円のように非常に取引人数の多い通貨ペアにおいて「史上最安値や史上最高値を更新する」と言うことは、今のようにコンピュータ制御が入っているマーケット環境では、瞬間的な戻りを狙った膨大な売買(下げたら下げた分を戻そうとする売買)が発生するので、“よほどの事”が無ければ更新は不可能と言うのが現実です。

 そのようなマーケット環境の中で史上最安値更新へと傾いたのは、やはり震災が“よほどの事”で有ったと言うことと、「人々のマインドに対して強い影響を与えたから」と言わざるを得ないように思えます。

 しかしながら、「震災が無ければ最安値更新は無かったのか?」と言った議論は、コロンブスの卵のように永遠に続きますので、最安値や最高値については深く意識せず、「災害(震災)と円は何かしらの関係がある」と言う風に考えておくと、いざという時に臨機応変な対応が行えるかと思います。

震災時のトレードとトレーダーの防御本能

 ここまでの解説を読んで「そっか、日本で災害が起きれば円高で良いんだな!!」と思われる方も多いと思いますが、この考えを持たれた方は、高い確率で災害時の相場に押し潰されてしまうことになるので要注意です。

 と言うのは、この記事を書き上げるに当たり、「地震と円相場」に関して書かれている本や記事、それにコラムなども幾つか読んだのですが、全部、「リアルタイムで本当にマーケットを見ていたのか?」と言うような軽い投資論、つまり「日本での地震=円高」と言う締めくくりになっています。

 しかしながら、それは「日本が特殊な条件を持った国だから」で、他の国であれば、先の質問に有ったように「災害の発生=災害発生国通貨・株の売り」で反応するのがマーケットとしては自然な流れとなります。
 ※ 日本以外の国で地震が発生した場合、一般的に「その国の通貨は売りで反応する傾向」があります

 その反応は「トレーダーとしての直感的な防御反応」とも言え、それは東日本大震災時においても例外では無く、地震発生のニュースが流れた瞬間ドル円相場は一気に「円売り方向」での反応を見せました。

 つまり、中途半端な災害時のマーケットについての意識を植え付けられてしまい、「地震発生直後に円買い」をしようものなら、トレーダーの反射行動による膨大な円売りにより発生した円安方向の波に全て絡めとられてしまうことになるでしょう。

 円買いの動きが起きたのは、第一報のパニック発生後に情報分析を行い始め、「リパトリエーションの動きが意識されてから」と言うことになるので気を付けて頂きたいと思います。ただし、大きな災害が連続して起こる場合(震災後の大規模な余震等)には、マーケットは既に学習しているので「即円買い」で反応することは意識しておきたい点です。

本当の円買いはリパトリに絡む投機筋の動きが原因

 それでは災害と円相場の関係について、最後に、他ではなかなか聞くことのできない「トレーダーにも余り知られていない災害時に円高に振れる本当の理由」をお話してみたいと思います。

 「日本で震災が起きれば円買い」と聞くと、先ほどから何度も登場した「リパトリエーション」の話題になりがちなのですが、東日本大震災のような大規模な災害が発生したにも関わらず、実際は、「震災要因となる海外資産の売却からの円買いの動き」と言うのは、ほとんど起こりませんでした。

震災とトレーダーと義捐金のイメージ

 あれほどの大規模な災害であったにも関わらず、なぜリパトリエーションの動きは発生しなかったのでしょう?それには日本企業の大きさが影響しています。

 そもそも日本の保険会社と言うのは、世界を見ても大規模であり莫大な資産を運用しているのですが、基本的に海外投資は高利回りとなる一方でリスクが高いことから運用比率は小さめに設定されており、今回の震災時の保険料支払いに関しても主だった海外資産の売却を行う必要無く、国内資産だけで十分に賄うことができました。
 ※ そもそも生命保険は「自然災害による死亡は免責条項」だったりします(東日本大震災時は特別対応)

 それでは、なぜリパトリの動きが円高を生んだと言うのでしょう?

 実は、震災の裏側では海外投資家による「日本の株買いの動き」と言うものが非常に密接に関係しており、災害時に彼らがとる行動こそが「円高に動く最大の要因」と言う見方があります。

 日本の株式相場は、日本で震災や災害が発生すると円相場が円売りで反応していても、その動きを全く無視するかのようにして「売り一辺倒」の動きを見せます。

 そんな中、海外投資家もまた、防御本能から持ち株を売りたい訳ですが、あの早いマーケットの中で持ち株を全て売りきるのは至難の業ですし、逆に売りきってしまっても残るのは大きな負債だけです。

 そこで、投資家の中には「持ち株を売り払わずに下がっていくマーケットに耐えよう」と言う考えが生まれ始めるのですが、彼らの多くは高いレバレッジを掛けたトレードを行っているため、「証拠金としての日本円」がどうしても必要になります。

 そうです。この自分の持ち株を守るために必要だった証拠金の日本円こそが、「震災時に円買いで動く」と言う事実と深い関わりがあるのです。

 株が下がれば下がるほど証拠金としての円が必要になり、海外勢は更なる「円買い」を起こすようになり、震災後は加速度的に下げていく株式相場に呼応するように円が買い進められます。

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 そして、史上最高値が射程距離へと入った時、投機筋は「リパトリエーション」と言うキーワードを大々的に掲げ、一気にストップを巻き込む取引(仕掛け)を行います(東日本大震災の時は、日本のFX会社のメンテナンス時間を狙ってのストップ狩りトレードが行われました、通称:メンテアタック)。

 マーケットは後で考えると「なぜ?」と思えるようなことは多くありますが、多くの場合、「トレーダーの条件反射と経験則」によって左右され、特に、阪神大震災時に最安値を攻略したイメージが東日本大震災時に引き継がれたところも大いに影響を与え、円高方向への動きを作っていくことになりました。

 震災後は、「トレーダーは日本の一大事まで金にするのか!?」と言う罵倒を受けることもありますが、日本の一大事にも関わらず、冷静沈着に行動し、日本の資産を守りきったのもまたトレーダーです。日本に災害が発生している中でトレードをしていても胸を張っていてください。

 そして、震災後にこの記事が切っ掛けになり少しでも利益を出すことができたならば、その利益のほんの一部で良いので被災地に義捐金として送って頂けるような流れとなれば、この記事を書いたトレーダーとして、そして日本人として本当に嬉しく思います。

FX相場は日本の地震や災害時になぜ円高に動く?のまとめ

 これまでの「FX相場は日本の地震や災害時になぜ円高に動く?」のまとめです。

  • 円高に振れるのはリパトリエーションと投機筋の円買い
  • 震災後直ぐに円買いをすると危険(投資家の防衛本能)
  • 震災後の株の動きが円買いを呼ぶ
  • 利益が出れば一部を義捐金とする流れを・・
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連年贈与の誤解2016年11月16日

塩川税理士事務所さんHPより

極寒?

「毎年連続して贈与(連年贈与)すると遡って贈与税が課税されると○○税理士のHPに書いてあるけど大丈夫?」とのクライアントの指摘ではじめて気が付きました。色々HPを閲覧してみると確かに税理士どころか税務関係のほとんどのHP(調べた限りの)には、「毎年同じ時期に同額を贈与し続けると贈与開始の時に遡って贈与税が課税される」「金額や時期を毎年かえないと危ない」等と誤った説明が書いてあります。そしてその設例には「毎年、子に100万円ずつ10年間にわたって贈与すると、贈与を始めた年に、有期定期金に関する権利(10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利)の贈与を受けたものとして贈与税が課税されます。」といった内容のものが多く見られました。不思議なことにどれも課税の根拠となる条文等を書いていませんでしたが、おそらく元ネタは、国税庁のタックアンサーのようです。

Q 毎年、子に100万円ずつ10年間にわたって贈与することとしましたが、1年間では基礎控除額である110万円以下となるため、贈与税の申告納税は不要ですか。
A 1年ごとに贈与を受けると考えるのではなく、契約をした年分に、有期定期金に関する権利(10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利)の贈与を受けたものとして贈与税の申告が必要となります。(タックスアンサーより原文どおり)

この回答事例について検討しますと
「親から子に100万円づつ10年間贈与する契約を行ったが贈与税はどうなりますか」と聞いているわけです。この答えは、1000万円を10年間に分割して支払う有期定期金の権利を贈与する契約をしたのですから、契約時に1000万円の贈与があったものとして課税されます。ちなみにこの贈与に対する税額は、82万円です。
 計算
有期定期金の評価をしますので1000万円×60%(期間10年として)=600万円
600万円-110万円=490万円(控除後の課税価格)
490万円×30%-65万円=82万円(贈与税額)

この事例に対する感想としては、当局の立場では、こう聞かれればこう答えるしかないということです。
しかし逆に「10年前から毎年100万円づつ贈与してきたが問題がありますか」と聞かれるとどうでしょう。おそらく「その贈与が法的に有効である限り贈与は非課税の範囲内だから申告の必要はありません」と答えるしかないでしょう。つまり毎年の判断で法的に有効な贈与を行えば結果的に同時期同額であってもその都度の贈与契約となるのでこれを連年贈与として課税されることはないということです。基本的に例えば10年前開始した連年贈与を遡って10年間の有期定期金の権利として課税するというのは、有期定期金であることの事実認定と10年という期間の認定をどうするのか、贈与税の課税権の時効(正確には除斥期間)6年から考えて10年前に遡って課税できないがどうするのか、また5年目に課税するのであれば一体何年の有期定期金として課税するのか等。同時期同額の連年贈与を贈与開始時に遡って課税するという法律や通達が無い以上このような法律構成で課税できないことになります。
ただし、タックスアンサーの設例については法律論として有期定期金の贈与契約の有効性には疑問が残ります。

それにしてもなぜか「連年贈与は遡って課税」のフレーズだけが一人歩きしているようです。さすがに私と同じ相続税専門の税理士はこんな解釈はしていないでしょうが、ひどい例になると20年前に遡って課税される(昭和63年分の期限後申告?時効なんて関係ない!)とか、設例で定期金の評価(10年で60%相当額)をしないで贈与税を計算しているHPもありました。おそらくは、安易に他のHPから拾ったために誤って広がってしまったのでしょう。少し考えれば気づくことです。税務署にそうのように指摘されて疑問も持たないで修正に応じるのでしょうか。専門家がHPで検索して答えを出すのはいかがなものか。根拠条文を確認するのは常識なのですが。

この連年贈与の問題の本質は、このような毎年同額と言うようなことではなくてその贈与が法的に有効な贈与か。ことばをかえれば税務当局に反証できる贈与かということがもっとも重要なことなのです。
この連年贈与でもっとも調査で否認される可能性が高いのが贈与の有効性です。相続税調査で故人が非課税枠内の贈与を長年行ってきたものの、その贈与資金を入金した預金通帳を故人自身で管理していたとなれば、何十年間もコツコツと続けてきた贈与が無効として全額相続財産に加算されることになります。
そのために贈与の有効性をはっきりさせる必要があります。
具体的には、
何よりも贈与を受けた者(受贈者)が贈与を受けたことを知っていること。
贈与契約書を作成して双方が署名捺印を行う。確定日付があればなお良い。
受贈者が、贈与財産を管理する。(使用や処分可能な状態にあること)
預金通であれば受贈者が印鑑と通帳を管理する。
等です。実際には、事実関係により最適な方法がありますので、税理士に確認してください。

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銀行口座へマイナンバーが付番!その理由を分かりやすく解説2016年10月30日

https://biz.moneyforward.com/mynumber/basic/my-number-bank-account/より

国によると、2018年から銀行口座への付番を始める予定です。マイナンバー導入の大きな目的の一つである正確な所得把握を実現には必要不可欠なもののため、先頃マイナンバー法が改正され、銀行口座への付番が決定しました。時期の前後はあるかもしれませんが、スケジュール通りであれば、2018年から行われるようになります。

銀行口座へマイナンバーが付番される理由とは?

銀行口座へマイナンバーが付番される理由は、マイナンバー導入の目的の一つである個人の所得把握のためです。

経緯は、次の通りです。

銀行口座にマイナンバーを付番する議論は、番号関連四法が成立した3ヶ月後には、既に始まっていました。2013年8月の社会保障制度改革国民会議報告書の中に、「社会保障・税番号制度も活用し、資産を含め負担能力に応じて負担する仕組みとしていくべきである」との記載があり、マイナンバーを活用した個人の資産把握が言及されています。

その後、2014年の政府税制調査会マイナンバー・税務執行DG論点整理の中で「社会保障について所得・資産要件を適正に執行する観点や、適正・公平な税務執行の観点からは、国民の多くが保有する預金が把握の対象から漏れている状態は改めるべきであり、預金口座へのマイナンバーの付番について早急に検討すべき」との意見が出されました。

続く2014年のマイナンバー等分科会中間とりまとめにおいては「預金保険法や犯罪収益移転防止法等に基づく金融機関による顧客の名寄せ、本人確認及び口座名義人の特定・現況確認に係る事務について、マイナンバーの利用範囲に追加すること」などが言及されています。平成27年通常国会で銀行口座への付番に必要な法整備に向けて、関係府省が協力することで一致しました。これを受け、先頃、銀行口座への付番を認めるマイナンバー法改正案が可決されました。

つまり、日本人の多くが持っている預金資産を把握しないことには個人の正確な所得把握は不可能である、とのことです。

銀行口座にマイナンバーを付番する具体的な手続

預金口座への付番は2018年を目処になりそうです。その間、銀行では、新規口座開設時、既存口座については来店時などに顧客にマイナンバーの告知を求めていくことになります。

具体的な手続はあまり変わらないと思われますが、マイナンバーの通知が必要になってくるので、銀行口座開設時には個人番号カードなどが必須になるかもしれません。

休眠口座の取り扱い

これから銀行口座への付番が始まると、大きな問題になりそうなのが休眠口座の問題です。休眠口座とは長い間預金の出し入れがなされていない口座のことですが、このような口座の持ち主とは連絡を取ることが困難であることが予想されています。また取引があっても連絡先の変更等により、連絡が付かないケースの口座も相当数存在することが予想されています。

今回の法改正においては、マイナンバーが付番された銀行口座については利子課税の優遇措置や、付番されていない口座の取引制限などが検討されましたが、どちらも大きな影響を及ぼす可能性があるため、盛り込まれないことになりました。今回の改正では銀行口座へのマイナンバー登録は任意となったため、銀行への通知は少数にとどまってしまうのではないか、と予想されています。ただし、2021年以降は義務化することも目指しており、その際にはATMの利用制限などの罰則を設ける可能性も指摘されており、今後の議論の推移を見守る必要がありそうです。

まとめ

銀行口座への付番が始まると、預金資産が複数の口座に分散されていても、税務当局が預金総額を把握しやすくなるという利点があります。一方、プライバシー侵害や、口座情報が万が一漏洩してしまった場合、大きな社会的損害が発生する可能性があります。

一方、近年、生活保護の不正受給に対して、国民の厳しい目が向けられているのも事実です。そういった生活保護の不正受給に対して、銀行口座へのマイナンバー付番は、非常に大きな効果を発揮することは間違いありません。マイナンバーが、銀行口座という情報を持つことになることで、情報保護が一層重要となり、マイナンバーを取り扱う国、自治体、企業などの責任も大きくなることが予想されます。特に中小企業にとっては大きなリスクを背負うことになってしまうのではないか、という不安もあります。

今回は義務化が見送られたといっても安心することはできません。マイナンバー導入の大きな目的である正確な所得把握を実現するためには、銀行口座の把握が必要であることは明らかです。いずれは銀行口座へのマイナンバーの付番は義務化されることが強く見込まれています。銀行口座へのマイナンバーの付番は、脱税や生活保護の不正受給などに対し、かなり効率的な対策になることが期待される一方、国による資産把握が強まるといったデメリットもあることを理解しておいてください。

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未だに「福島の原発不安」をあおる2次被害2016年4月21日

未だに「福島の原発不安」をあおる2次被害

Wedge5月号が「放射能・ワクチンへの不安 カルト化からママを救うには」と題し、「ニセ科学が生み出す実害行政とメディアの責任」を追及している。

社会学者で福島大学特別研究員の開沼博氏と、医師でジャーナリストの村中璃子氏が対談形式で告発しているが、実態のすさまじさに空恐ろしさを覚えるほどだ。

私の不案内な子宮頸がんワクチンの話は割愛し、もっぱら開沼氏による福島の放射能問題に絞って実態を見ると――。

<福島の惨事に便乗する言説によって、2次被害と呼べる問題が明確に出ています。(原発)事故直後の「急性期」には、避難する過程で多くの人が命を 落としました。放射線の危険性を過剰に煽る報道によって、農業や漁業に従事する人の中に自殺したり、将来への悲観から廃業したりする人が出ました。しか し、……「慢性期」の現在も惨事便乗言説による実害は発生し続けている>

避難を続けて心身が不調となり、亡くなった人は2000人を超え、福島の地震・津波で亡くなった約1600人を上回っている。相馬・南相馬で避難経験を持つ人の糖尿病は1.6倍となり、福島の子供の肥満は一時、全国1位になった。

現在、被曝による健康被害の可能性は極めて低いと科学的に勝負が付いている。「過剰反応を煽り続けることは明らかに有害です。今は(行政などが)過剰反応に適切な対応をとって来なかったことの問題を議論すべき時期です」と開沼氏は憤る。

誤った言説の周辺には、経済的利得を得ようとする怪しげな業者や得体の知れない「専門家」と称する人物が存在する。彼らが組んで被害者につけ込み、特殊な食物や薬を売り込んでいる。

<有名なニセ科学の「EM菌」。放射能を排出できるなどともっともらしいデータをでっち上げている。有名どころでは「通販生活」。ひたすら不安を煽 る論者を並べ立て客を囲い込む。「DAYS JAPAN」もデマを流して、地元紙にとりあげられたら逆ギレして誹謗中傷記事を出す始末>

こうした2次被害はなぜ続くのか。開沼氏の分析は鋭い。

<NPO、法律家、自称ジャーナリスト、自称専門家などの「支援者」側に責任がある。彼らの共通点は勉強していないことです。放射線に関する知識を ほとんど持っていないにもかかわらず、自分達は正義だと自己正当化する。原子力ムラならぬ「不安寄り添いムラ」が形成されています>

正義の味方を実践していると思いたいのだろう。専門家が科学的な問題点を指摘すると、「弱い被害者と支援者を潰そうとしている」という言説を大々的 に外部に流して圧力をかけ、「自分たちは正義の味方」なのだ、と自他を信じ込ませようとする。それにより自己の利得を得続けて行く。

それだけなら、まだいい。「支援者」は地元を復興しようと努力する人たちを罵倒し、その行為をやめさせようとする。

福島の農家や漁師が「安全でおいしいので食べてください」と売り歩くと、「毒売るな!」という非難が漁協などに殺到。地元のNPOが子供たちと一緒に幹線道路を清掃しようとすると、「子供を傷つける殺人者」などという誹謗中傷の非難を浴びせる。

「支援者ムラ」には法律家や学者が入っているのに、そうした根拠のない「差別行為」を黙認している。もはやカルト的人権侵害行為がまかり通っているのだ。

そうしたカルト集団は今や福島では圧倒的に少数派なのに、朝日新聞やテレビ局などの大手メディアが彼らを支援し、「少数派」に見えないようにしている。

<メディアは(まともな)サイレントマジョリティを無視しようとする。(福島から)自主避難する人は取り上げるけれども、その何倍も存在する自主避 難から戻ってきた人……は取り上げない。福島から震災後自主避難して県外に移った人って20~40%いると思っている記者が多いですが、正確には2%に過 ぎません>

事態がわからないときは安全サイドに立って判断するのはやむを得ないとしても、状況が分かってきたら、「安全だ」という情報を正しく大きく伝えるのがメデイァの役割だ、と開沼氏は強調する。

大体、反原発者は反安保で反安倍首相。今回の熊本震災では米軍の輸送機オスプレイが投入されたが、朝日や毎日はその効果よりも「オスプレイの危険性」ばかり過剰に報道する。フィリピンの台風時にオスプレイがいかに活躍したか、は報じない。

そうした偏った報道では困るのだ。

もう1つ、開沼氏らが指摘するのは、行政や政治家の無責任な態度だ。自分たちが「被害者」に対して冷たいと見られまいとして、明らかに科学的に決着 がついた今でも、少数の「支援者」をおもんぱかって、結論を先延ばしする。政治家と役人は科学的なデータを元に、福島の安全性をもっと強調すべき時なの だ。

フリージャーナリスト
 
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河合弘之弁護士は依頼人を破産させる2016年4月7日

無担保で仮処分申立を受理する裁判所もいかがなものか。
不動産で仮処分を申し立てる時には、相手方がその筋の人であっても、必ず担保は取る。不動産の価額の3割が相場で、それ以下なんて聞いたことも無い。原発での損害は多大なものになるので、3割は不可能だとしても、相当額を担保に取らないと濫訴を招くことになる。
以下アゴラより
2016年04月07日 06:51

九州電力の川内原発1・2号機について、住民が運転差し止めを求めていた仮処分申し立ての抗告審で、福岡高裁宮崎支部は抗告を棄却した。

この訴訟で、当初は29人だった原告は10人に減った。それは九電が、運転が差し止められて最終的にくつがえって確定した場合、運転を停止した期間に発生する1日5億5000万円の損害の賠償金を担保として積み立てるよう求めたためだ。

関西電力の八木社長も、運転を差し止められた高浜3・4号機について同様の賠償請求を検討していると表明したが、これに対して河合弘之らの脱原発弁 護団は「恫喝で容認できない」という抗議声明を関電に送った。ここで重要なのは、彼らが「賠償請求は違法だ」とは主張していないことだ。つまり河合は、損 害賠償が法的に正しいことを認めたわけだ。

高浜3・4号機は福井地裁でも差し止め決定が抗告審で取り消され、原告が最高裁まで争ったとしても、過去の判例からみて敗訴は確実だ。最高裁まで5年かかるとすると、原告は5億円×5年=9125億円の損害を賠償しなければならない

だから判決が確定したら、原告は関電に損害賠償すべきだ。なにしろ彼らにとっては命の値段は無限大なのだから、9125億円ぐらい安いものだろう。12人の原告と弁護人が1人700億円ずつ出せばいい。

それで足りなければ、全国の反原発派から募金が集まるだろう。河合を初めとする悪徳弁護士がこれまで東電に対する訴訟で巻き上げた金を電力利用者に還元するにはいい機会だ。

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いつまでも死なない老人を敬う必要はない2016年4月7日

アゴラのブログより

いつまでも死なない老人を敬う必要はない

2015年09月28日 18:08
仲宗根 雅則
去ったシルバーウィークの期間中、間もなく90歳になるイタリア人の義母に日本には「敬老の日」というものがある、と会食がてらに話した。義母は即座に「私を含めて最近の老人はもう誰も死ななくなった。いつまでも死なない老人を敬う必要はない」ときっぱりと返した。
老人は適当な年齢で死ぬから大切にされ尊敬される。いつまでも生きていたら私のようにあなたたち若い者の邪魔になるだけだ、と義母は続けた。そう話すとき義母は微笑を浮かべていた。しかし目は笑っていない。彼女の穏やかな表情を深く検分するまでもなく、僕は義母の言葉が本心から出たものであることを悟った。
老人の義母は老人が嫌いである。老人は愚痴が多く自立心が希薄で面倒くさい、というのが彼女の老人観である。そして義母自身は僕に言わせると、愚痴が少なく自立心旺盛で面倒くさくない。それなのに彼女は、老人である自分が他の老人同様に嫌いだという。なぜならいつまで経っても死なないから。彼女は 80歳を過ぎて大病を患った頃から本気でそう思うようになったらしい。

僕は正直、死なない自分が嫌い、という義母の言葉をそのまま信じる気にはなれない。それは死にたくない気持ちの裏返しではないかとさえ考える。だがそれはどうやら僕の思い違いだ。

義母は少し足腰が弱い。大病の際に行われたリンパ節の手術がうまく行かずに神経切断につながった。ほとんど医療ミスにも近い手違いのせいで特に右足の具合が悪い。

足腰のみならず、彼女は体と気持ちがうまくかみ合わない老女の自分がうとましい。若くありたいというのではない。自分の思い通りに動かない体がとても鬱陶しい。いらいらする。

もう80年以上も生きてきたのだ。思い通りに動かない体と、思い通りに動かない自分の体に怒りを覚えて、四六時中いら立って生きているよりは死んだほうがまし、と感じるのだという。

そういう心境というのは、彼女と同じ状況にならない限りおそらく誰にも理解できないのではないか。体が思い通りに動かない、というのは老人の特性であって、病気ではないだろう。

そのことを苦に死にたい、という心境は、少なくとも今のままの僕にはたぶん永遠に分からない。人の性根が言わせる言葉だから彼女の年齢になっても分かるかどうか怪しいところだ。

ただ彼女の潔(いさぎよ)さはなんとなく理解できるように思う。彼女は自分の死後は、遺体を埋葬ではなく火葬にしてほしいとも願っている。カトリック教徒には珍しい考え方である。僕はそこにも義母の潔さを感じる

カトリック教徒が火葬を望む場合には、生前にその旨を書いて署名しておかない限り、自動的に埋葬されるのが習わしである。

そこでカトリック教徒である義母は、50歳台半ば頃にそのことを明記した書類を作成して、火葬協会(SOCREM)に預けた。娘である僕の妻にもコピーを1部渡してある。

現在は書類を作らなくてもカトリック教徒を荼毘に付すことができる。しかし義母がまだ若かった30~40年前までは、イタリアでは火葬は奇怪な風習とみなされていたのだ。今もそう考えるカトリック教徒は多い。

また義母はこのさき病魔に侵されたり、老衰で入院を余儀なくされた場合、栄養点滴その他の生命維持装置を拒否する旨の書類も作成し、署名して妻に預けてある。

生命維持装置を使うかどうかは、家族に話しておけば済むことだが、義母はひとり娘である僕の妻の意志がゆらぐことまで計算して、わざわざ書類を用意した。

義母はこの国の上流階級に生まれた。フィレンツェの聖心女学院に学んだ後は、常に時代の最先端を歩む女性の一人として人生を送ってきた。学問もあり知識も豊富だ。

彼女は80歳台前半で子宮ガンを患い全摘出をした。その後、苛烈な化学療法を続けたが、副作用や恐怖や痛みなどの陰惨をひとことも愚痴ることがなかった。毎日を淡々と生きて来年1月で90歳になる。

理知的で意志の強い義母は、あるいは普通の90歳の女性ではないのかもしれない。あるていど年齢を重ねたら、進んで死を受け入れるべき、という彼女の信念も特殊かもしれない。

だが僕は義母の考えには強い共感を覚える。それはいわゆる「悟り」の境地に達した人の思念であるように思う。理知的ではなかったが僕の死んだ母も義母に似ていた。

日本の高齢者規定の65歳が待ち遠しい還暦まっ盛りの「若造」の僕は、運よく80歳まで生きるようなことがあっても、まだ死にたくないとジタバタするかもしれない。

それどころか、義母の年齢やその先までも生きたいと未練がましく願い、怨み、不満たらたらの老人になるかもしれない。いや、なりそうである。

だから今から義母を見習って「死を受容する心境」に到達できる老人道を探そうかと思う。だが明日になれば僕はきっとそのことを忘れているだろう。

常に死を考えながら生きている人間はいない。義母でさえそうだ。死が必ず訪れる未来を忘れられるから人は老境にあっても生きていけるのだ。だが時おり死に思いをめぐらせることは可能だ。

少なくとも僕は、「死を受容する心境」に至った義母のよう存在を思い出して、恐らく未練がましいであろう自らの老後について考え、人生を見つめ直すことくらいはできるかもしれない。

これといった理由もないままに忘れ果てていた「敬老の日」が、いつからか9月の第3月曜日と決められ、且つその前後の日々がシルバーウィークと呼ばれることを今回はじめて知った。

「敬老の日」の前日の日曜日、いつもの週末のように妻が母のもとを訪れた際に、妻に伴って行って僕も義母に会った。そこで日本の「敬老の日」の話をしたのである。

義母は足腰以外は今日もいたって元気である。身の回りの世話をするヘルパーを1日数時間頼むものの、基本的には「自立生活」を続けている。そんな義母にとっては「敬老の日」などというのは、ほとんど侮辱にも近いコンセプトだ。

「同情するなら金をくれ」ではないが、「老人と敬うなら私が死ぬまで自立していられるように手助けをしろ」というあたりが、きっと彼女が日本の「敬老の日」への批判にかこつけて僕ら家族や、役場や、ひいてはイタリア政府などに向かって言いたいことなのだろう。

言葉を変えれば、義母の言う「いつまでも死なない老人を敬う必要はない」とはつまり、元気に長生きしている人間を「老人」とひとくくりにして、「敬老の日」などと持ち上げ尊敬する振りで実は見下したり存在を無視したりするな、ということなのだろうと思う。

仲宗根雅則
テレビ屋
イタリア在住

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