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上昇期入りの米金利、変わる銘柄選びの視点  NQNニューヨーク 松本清一郎2017年10月1日

2017/9/30 7:41
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  「トランプ米大統領がケビン・ウォーシュ氏と会い、米連邦準備理事会(FRB)議長職について協議した」。29日の午前10時前(米東部時間)に米メディアがこう伝えると、米10年物国債利回りは2.30%から2.33%台に跳ね上がった。

 ウォーシュ氏はFRB元理事。来年2月に任期が切れるイエレン議長の後任候補に挙がっており、金融引き締めに前向きな「タカ派」とされる。報道を受け、指名競争で抜け出したと受け止められた。トランプ大統領は同日午後、記者団に「次期議長は2~3週間以内に決める」と述べた。

 市場では金利上昇観測が強まっており、ウォーシュ氏の動向に相場が鋭く反応したのもそのせいだ。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では緩やかな利上げ継続の方針が示された。27日にはトランプ政権と与党が税制改革案を発表。減税による景気刺激と国債増発の両方が見込まれ、債券売りを促した。

 10年債利回りは8日未明の2.01%を底に、29日終値は2.33%と2カ月ぶりの水準に上昇。ゴールドマン・サックスは「2017年10~12月期には2.60~2.75%に上がる」と予想する。

 株式投資家は金利の持続的上昇という新たな局面への対応を急ぐ。ゴールドマンのチーフ米株ストラテジスト、デビッド・コスティン氏は「今後は売上高の伸びが株価を左右する」と説く。

 借入金利や人件費の上昇が重荷となり、すでに高い売上高純利益率の一段の改善は期待しにくい。歴史的な高水準にあるPER(株価収益率)の上昇も望めない。株価を押し上げるには「売上高の伸びを伴った増益が求められる」という。

 そんな見方を裏付けたのが26日夕に6~8月期決算を発表したナイキだ。1株利益は0.57ドルと市場予想(0.48ドル)を2割近く上回ったが、翌日の株価は一時5%安と急落した。売上高が横ばいにとどまった半面、在庫が6%も増えたことが失望された。ジェフリーズのランダル・コニック氏は「コスト削減で目先の利益を伸ばしても買えない」と指摘する。

 米株市場の主役であるハイテク株は割高感が指摘されながらも、高い増収率が株価を支える。QUICK・ファクトセットによると、市場予想の7~9月期の売上高はフェイスブックが前年同期比40%増、アマゾン・ドット・コムが26%増、アルファベット(グーグル)が20%増に達する。

 10月に入ればほどなく7~9月期の決算発表シーズンを迎える。投資家の個別銘柄を見る目は厳しくなっている。4~6月期決算では売上高が市場予想を上回った銘柄の株価は発表翌日に平均0.1%高にとどまったのに対し、予想を下回った銘柄は1.9%下落した(バンクオブアメリカ・メリルリンチ調べ)。

 成長は株価に織り込まれており、期待を裏切った銘柄には売りが浴びせられる。金利が上昇基調に転じ、決算を受けた優勝劣敗の構図が鮮明になりそうだ。

(NQNニューヨーク=松本清一郎)

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