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大衆に政策なしの新党を支持させる戦略型フレーム報道2017年9月14日

ポピュリストの小池都知事が失速するのはいつか?

以下https://ameblo.jp/kazue-fgeewara/より

2017年09月14日 06:00
 

最近の報道の中で私が最もブルーな気持ちになったのはこちらの記事です。

「小池新党」期待48.1% 既成政党の不満の受け皿に [産経ニュース 2017/08/21]

産経新聞社・FNN合同世論調査では、自民党を離党した若狭勝衆院議員が東京都の小池百合子知事と連携して新党結成を目指していることに関し、新党に期待するとの回答は48.1%、国政選挙で新党に投票すると答えたのは35.6%に上った。小池知事の支持率も73.6%と高水準だった。新党が既存政党に対する不満の受け皿となる可能性が高い。

新党については、自民党支持層の37.3%、民進党の53.6%が新党への期待を示した。投票するとの回答は、自民党では22.4%と、4分の1近くが新党に流れる計算だ。民進党だと37.7%になり、実に4割近くが同党に投票しないと答えたのに等しい。

私が言うまでもなく、日本が採用している【間接民主主義】は、政治を行う首長や議員を有権者の自由意思による投票によって選ぶことを基本とします。有権者が何を基準に議員を選択するかは自由であり、選択に関しては公的にも私的にも責任を問われませんが、国権を信託し税金を負担している以上、国民がより幸福な生活を営むための福利を享受できる【政策】を擁した人物を選択することが普遍の原理であると考えます。このような認識の中で、【綱領】も【政策】もない日本ファーストの会を母体とする小池国政新党に「投票する」と答えた有権者が1/3を超えるというショッキングな世論調査結果は、「政策を選択する」という普遍原理がけっして国民の共通認識ではないことを示しています。

日本ファーストの会の若狭勝議員は、[会見]で「政策は示さない。政治塾を続けるうちにだんだんと収れんされていく。」と断言しています。これは【政策】という大前提なしに政治家を名乗る政治屋が語る言葉です。

それでは、なぜ一部有権者が【政策】未発表の小池国政新党に投票したいと考えるのでしょうか。理由として考えられるのは、一部有権者が「既成政党よりも新党に期待できそうである」と錯覚していることです。そして、なぜこのような錯覚が生じたかと言えば、それは日本ファーストの会の影の形もない時点から「小池国政新党の待望論」を喧伝したマスメディアの【政局】報道の影響以外考えられません。

同一視による政党支持

一部有権者が政策をもたない新党に投票するという意思決定を行う背景には、新党が【政策】という合理的要因とは別の何かしらの要因が存在していることは自明です。その要因とは何かといえば、知名度が低い若狭勝議員を選好しているのではなく、その背景にいる小池都知事を選好していることは自明です。

都政に対してほとんど実績がない都民ファーストの会が都議会選挙で完勝した要因は、都民ファーストの会代表(当時)の小池都知事の【ポピュリズム populism】とその最大の味方であるワイドショーの【センセーショナリズム sensationalism】が互いの利益のために強固に結びついたことと考えられます[過去記事]

ただし、この都民ファーストの会に対する大衆の支持と今回の日本ファーストの会に対する大衆の支持には大きな違いがあります。それは都民ファーストの会には、評価は別として、【綱領】があり、まがりなりにも情報公開という【政策】が存在していたわけです。ところが、日本ファーストの会には【綱領】も【政策】も存在していないのです。そのような中で一部有権者が、日本ファーストの会が母体となる小池国政新党に投票したいと思うのは、「小池国政新党の考え方を正しいと思った」からではなく、「小池国政新党と同じ考えでいたい」からであると考えられます。詳しくは[過去記事]をご覧いただければと思いますが、前者のような同調の動機を【内在化 internalization】、後者のような同調の動機を【同一視 identification】と言います。ここで言えることとして、政党に政策がなければ【内在化】は発生しませんが、政党に【政策】がなくても政党に【対人魅力 interpersonal attraction】を感じれば【同一視】は発生することになります。【同一視】とは単なる好き嫌いの感情の発現と言えます。

別の例で【内在化】と【同一視】について説明すると、プロ野球において、巨人菅野智之投手や西武菊池雄星投手のピッチング、広島菊池涼介二塁手のフィールディングなど選手の卓抜したプレイを選好してファンになるのは【内在化】によるものであり、元広島黒田博樹投手や元横浜三浦大輔投手の男気、ソフトバンク川崎宗則内野手のガッツなど選手の人格を選好してファンになるのは【同一視】によるものです。

プロ野球はエンタテインメントであり、【内在化】でファンになろうと【同一視】でファンになろうと自由であり、けっして他者から否定されるものではありません。ファンが楽しければよいのです。しかしながら、政治はエンタテインメントとは違います。政治は国民の生命・財産を守ることが至上命令であり、政治家が提示する公約という約定を国民が吟味した上で投票を通じて契約を締結するものです。このため、【政策】を考慮しない【同一視】により政党支持する一部有権者は、政治家と正当に契約を交わす国民からすれば納得できる民意の形成を阻害する極めて迷惑な存在であると言えます。

戦略型フレームによる政治のドラマ化

大衆の同一視による政党支持をプロモートしているのが、テレビ・ラジオの政局報道であると言えます。私達国民にとって重要なのは、私達の生活に影響を及ぼす【政策】を議論する【争点型フレーム issue frame】の報道であることは間違いありませんが、ニュースを配信する報道番組・情報番組では政治家の権力争いである【政局】の勝ち負けを報じる【戦略型フレーム strategic frame / game frame】による報道が占める割合が極めて多く、とりわけワイドショーでは、そのほとんどが【政局】の話題であると言えます。

この【戦略型フレーム】の政局報道において、その戦略顧問となっているのが自称「政治アナリスト」「政治評論家」の伊藤惇夫氏・鈴木哲夫氏などの「政局巷談家」です。これらの政局巷談家は【政策】についてはほとんど触れることはなく、そのほとんどが真偽不明な情報ソースから憶測したスキャンダラスな政治家の権力闘争であり、視聴者はまるで吉川英治「三国志」や山岡宗八「徳川家康」のような「戦略ドラマ」を見せられることになります。この戦略ドラマは現在進行形であり、視聴者はゲーム感覚でヒーロー/ヒロインに声援を送り、アンティヒーロー/ヒロインに野次を浴びせることになります。

現在進行中の政局ドラマの主人公は、闇のドンが支配する伏魔殿の東京都庁に一人切り込むヒロインである小池百合子東京都知事と祖父の思いを実現するために憲法改正をたくらむアンチヒーローである安倍晋三首相です。政局巷談家は、小池都知事に対しては豊洲問題・五輪問題などに対する政治判断を絶賛することによってあたかも「小池都知事は戦略に長けている」という錯覚を与える一方で、安倍首相に対しては森友問題・加計問題・日報問題・各種失言問題などのスキャンダルを軸に徹底的に悪魔化することによってあたかも「安倍首相は信頼できない人物である」という錯覚を与える印象操作を行っています。

もっぱらワイドショーのスタジオは「小池国政進出」と「安倍おろし」のための戦略本部であり、この大目標を実現するために極めて偏向したスタンスで自論に有利な情報を延々と流しています。何か一つの出来事が発生すると、司会者が「この動きについてどのように見られますか」「関連した何か情報はお持ちですか」といった質問を政局巷談家に投げかけ、これを政局巷談家が、完全な憶測や政権中枢から聞いた話と称する真偽不明で検証不能な情報を根拠にして、小池政権を絶賛し、安倍政権を罵倒するというのが多用されているパターンです。

ここで、ワイドショーで専門家として紹介される政局巷談家はけっして政治の玄人とは言えません。なぜなら、彼らは政策の長所・短所を説明することなどほとんどなく、単に芸能レポーターのように政権周辺の人物を追いかけて聞いたとする真偽不明な話を紹介しているだけだからです。本質的には「アマチュア玄人」と呼ぶのが相応しいかと思います。一方で、番組の司会者や室井佑月氏のような芸能人コメンテイターなど、政局巷談家の言説を無批判にありがたく受け入れてはオーソライズする役割の出演者は、台本の存在を視聴者に意識させない高度な演技力が必要となります。このような人達は「プロ素人」と呼ぶのが相応しいかと思います。

さて、このような「小池国政進出」と「安倍おろし」の戦略本部を毎日延々と覗き見させられている視聴者は無意識のうちに政局ゲームに参加させられています。視聴者は、【単純接触効果 mere-exposure effect】と呼ばれる心理効果の作用によって、司会者が発する「小池都知事は次にどんな手を打ってくるのでしょうか」「安倍首相はどのように幕引きを謀ろうとしているのでしょうか」など、まったく私達の生活に無意味な質問に憶測100%で回答する政局巷談家の言説に次第に興味を持ち、耳を傾けるようになります。そして、いつの間にか「小池都知事は戦略に長けている」「安倍首相は信頼できない」という錯覚を無意識のうちに持つようになります。

【単純接触効果】とは、人間が特定の人物や集団を繰り返し知覚すると好感を持つというものです。これは熟知するほどその人に好感を持つという人間心理の傾向によるものであり、例えば、テレビでよく見る芸能人を好きになったり、過去に毎日のようにゲームがテレビ中継されていた読売ジャイアンツのファンが多かったのはこのためです。売れっ子芸能人のように連日テレビに露出した小池都知事はこの効果の恩恵を最大に受けたものと推察されます。一方、特定の人物や集団を繰り返しネガティヴに知覚すると悪感を持ちます。森友問題・加計問題で毎日バッシングを受けた安倍首相や自民党がこれにあたるものと推察されます。このネガティヴな【単純接触効果】のメカニズムは、ポジティヴな【単純接触効果】のメカニズムとは異なり、ネガティヴな【同調圧力】の履歴に伴う態度変更であると考えられます。

このような効果によって、豊洲問題・五輪問題で事態を著しく混迷させたにも拘わらず小池都知事は世論の支えを受けて都議選で大勝利を収めた一方で、森友問題・加計問題に対する法的過失がないにも拘わらず安倍首相は国民の信頼を失って支持率が急落したわけです。

ケーススタディ 小池劇場

ここでは、ニッポン放送「高嶋ひでたけのあさラジ!」における政局巷談家の鈴木哲夫氏と扇動司会者の高嶋ひでたけ氏による小池都政に関する発言のやりとりを中心として、戦略型フレームの報道とはいかなるものかを確認していきたいと思います。

[あさラジ!参照-1]

あさラジ!2017年4月5日

鈴木氏:小池さんが出てきたときからいつも言われていた。「いつかは総理大臣を目指して国政に行く」と。今回も国政研究会というのを小池さんが創ると言うので「すわ」・・・
高嶋氏:着々と手を打っているなみたいな。
鈴木氏:今まで自民党が小池氏に対してガチンコであったかと言えば、小池さんが凄く人気があるものだから抱き着き作戦というのか。(中略)小池さんとは「程々仲良くやっていった方がいい」と言う感じだった。それが方針ががらっと変わった。「徹底的に対決しろ」と。特に官邸は、「都議選では手を握るなどということをせずに戦え」と。(中略)一時は大敗するのではないかと言われていたが、「そこそこに戦えるのであれば、変に抱き着いて組織が壊れていくよりもきっちり戦っていけるのではないか」と方針転換した。これに対して小池さんは、「官邸を含め国政レベルでも自民党は自分と対決してくる」と感じて「こちらも備えなければ」と。こんな感じの動きだと思う。
高嶋氏:安倍官邸が旗幟を鮮明にした。「小池さんとは徹底的に対決していく」と。小池さんも7月2日の都知事選からその先の事も見据えて、国政研究会と。
鈴木氏:ある意味で全面対決。
高嶋氏:公明党との関係はどうなるのか。
鈴木氏:自民党にしてみると「おいおい公明党よ。小池さんとあんたのところは都議選で組むのか。地方では自公一緒ではないか。どうなんだ。」という、ある意味では小池さんと対決姿勢を示すことによって公明に対しても、踏み絵ではないが、通告している感じはある。
高嶋氏:都議会議員選挙が帰趨によって、次の総選挙に大きな影響を与えることがよくある。

政局巷談家と扇動司会者は、このような歴史小説まがいの脚本を巷談することによって、無意識のうちにリスナーに小池都知事主演の都議会支配ゲームを観戦させています。もっぱら、覇権を得るために抱き着き作戦や公明党に踏み絵を踏ますキャラに設定された安倍自民党は明らかに悪の存在であり、国政に進出して総理大臣を目指す崇高な目標を掲げて悪と全面対決するキャラに設定された小池都知事は明らかに善の存在です。注目すべきは、この巷談におけるキャラの発言部分はいずれも鈴木氏の完全なる憶測に基づく脚色に過ぎない点、及び政治の本質である政策については一言も触れていない点です。国民にとって必要なのは、鈴木氏が報じる権力争いの勝ち負けではなく、鈴木氏が報じない政策に基づく政権選択です。

[あさラジ!参照-2]

あさラジ!2017年4月12日

鈴木氏:豊洲が象徴になって来て自民党が「ここが攻めどころだ」ということで、公約で「豊洲に早く移転すべきではないか」と。なんとなく小池さんが決めあぐねているから、それを追及することが自民党の追い風になる。そういう意味では自民党も豊洲を政争の具に使っている。

鈴木氏は、豊洲を政争の具に使う小池都知事に対して論理的根拠を示して豊洲移転という対案を出した自民党を「豊洲を政争の具に使っている」と断罪しました。主人公である小池都知事が穢れそうな場合には、それ以上に敵役を穢れさせるというのは政局巷談家の常套手段です。彼らにとって小池都知事は情報を歪曲してまでも死守すべき商売道具であると言えます。

あさラジ!2017年4月26日

鈴木氏:小池さんが知事にならなければ、豊洲の裏でこんなことがぐちゃぐちあったというのはわからないまま過ぎて行った。それをここまで出したという功績は、行政の透明化ということを考えれば僕は評価してもいいと思う。

豊洲市場の過去の経緯について小池都知事は徹底的に調査しましたが、不正な点は全く見つかりませんでした。逆に、移転延期のために少なくとも200億円の経費が無駄に支出されることになりました。このような利益なしで損害だけ生じた判断をポジティヴに評価するのは、鈴木氏が政治評論家ではなく政局巷談家であることの証左です。明らかに不合理な評価が、政局巷談家の勝手な感想によって、一見合理的な評価であるかのように印象操作されることになります。

あさラジ!2017年5月17日

高嶋氏:鈴木さんに言わせると7月2日の都議選というのは、「小池さんの選挙」なんだと。実に端的な表現をされている。
鈴木氏:小池さんの人気がそのまま投票行動に繋がる。そんな傾向が強いと見てもよい。
高嶋氏:相変わらずその勢いは続いていると。
鈴木氏:ただここに来て一つポイントは、自民党が反転攻勢をやってきた。
高嶋氏:三県の知事が、五輪の費用について、意表をついて官邸に行ったら、安倍さんから丸川さんに指示が出て、「小池さんは決められないんだ」というキャンペインみたいなことが行われている。
鈴木氏:あれも自民党というか官邸が仕組んだという話がある。というのは小池さんはもっと早い段階からこのことについては「面会したい」と安倍さんに言っていたけれども、それには日程をはっきり言わなかった。先に三県の知事に会って、「小池さんは決断力がないだろ」というのを演出したという情報もある。そういうことも全部相まって小池さんに対してのバッシングというか小池さんを攻撃して、こういうのも自民党が勢いを盛り返している背景にある。選挙前になると、必ずスキャンダルとかいろいろなものが出てくるので、自民党がそういうものを仕掛けてくる可能性もある。

都議選は東京都民の選挙であり、小池都知事の選挙ではありません。マスメディアの放送において、政治家を偶像化する鈴木氏の発言は極めて不穏当です。人気投票を煽る発言に至ってはジャーナリズムを否定するものと言えます。さらに、情報の所在を明確にせずに伝聞をあたかも真実のように語り、それを「バッシング」「攻撃」と認定しているのは不合理です。汚い手を使って安倍首相が小池都知事を貶めていると主張するのであれば、明確な証拠を示す必要があります。憶測で自民党がスキャンダルを仕掛けてくる可能性があるというのは深刻な【人格攻撃 ad hominem】です。政治家の勝ち負けだけを報じる【戦略型フレーム】の報道は次第にエスカレートしていきます。

[あさラジ!参照-3]

あさラジ!2017年5月24日

高嶋氏:アントニオ猪木さんが緊急会見して小池都知事の特別秘書で都民ファーストの会代表の野田数さんという人を業務上横領の容疑で刑事告訴していた。
鈴木氏:なぜ今出たかというと、これは明らかに選挙が近いから、このタイミングを見て「今出せ」と。
高嶋氏:裏に大きな政党が絡んでいるのですか。
鈴木氏:絡んでいる可能性もある。
高嶋氏:自民党に対して小池さんは完全に牙をむいた。
鈴木氏:予想通りだ。全面対決。だからこういう話も出てくる。選挙になればスキャンダルも含めて山ほど出てくるから、その中の一つということだ。
高嶋氏:政治家って元気だな。しかし。(中略)小池さんが市場移転問題に明らかな結論を出さないと、豊洲移転に賛成している都民は自民党に入れてしまう。
鈴木氏:どちらに選んでも選挙にはリスクがあるので。まだまだ最後までに小池さんがスパンという可能性はある。
高嶋氏:勝負勘をどう働かすかだ。

ここまで来ると、小池都知事の選挙戦略本部の人物がプロパガンダを放送しているレベルです。自民党を想起させる「大きな政党」という言葉、及び「豊洲移転に賛成している都民は自民党に入れてしまう」という自民党への投票行為に対する困惑の表現は、放送の公正性を著しく欠くばかりでなく、根拠なく個人・団体の名誉を汚すという公共の福祉に反する行為です。「政策」は単なる勝負の道具であり、勘によって決定することを推奨するような主張も大問題です。

あさラジ!2017年5月31日

高嶋氏:今日をもって小池百合子さんが都民ファーストの会の代表に就く。
鈴木氏:無党派にどれだけ自民党がアピールして無党派層をもってこれるのかと。片や小池さんだ。小池さんは無党派には強い。何をやるかわからいというところもある。となると、まさに小池さん側としては伸びしろをとっていくためには、小池さん自身が選挙と一体化して「都民ファースト」よりも「小池新党」のようなイメージでどんどん先頭に立って積み上げるんだと。
高嶋氏:小池新党ね。その意味がわかる。

この日は、まるで金正恩が将軍職に就いたことを発表する朝鮮中央テレビのような声の上ずりようで(笑)、ポピュリズムに毎回騙される有権者が多い無党派層に「都民ファーストの会=小池新党」であることを呼びかけました。結果的に、このような公共の電波を使ったマスメディアの大宣伝によって、都民ファーストの会の知名度は格段に上がったと言えます。

[あさラジ!参照-4]

あさラジ!2017年6月7日

高嶋氏:朝日新聞の調査によると、小池新党自民に並ぶと言う。自民党を正式に小池さんが離党して、都民ファーストの会の代表となったら、これだけ数字が変わってきた。
鈴木氏:小池新党、小池ファースト、小池の選挙ですよ。
高嶋氏:その勢いは益々ついていきますか。
鈴木氏:そうですね。一番有効なのはおそらく空中戦。無党派層の半分くらいが決めてないという。そこにかなり訴えかけていくだろうと。(中略)市場移転問題については、かなり迷っていると思う。元々そうだったからもしかしたら築地に決める。決めたらまた大変なショックであり、リスクはあるけれども。
高嶋氏:決断で7月2日の都議選というのは票がどういう流れになるか。
鈴木氏:いやいや、これはかなり動く、そういうことを「小池さんならやるのではないか」という警戒の声が出ている。(中略)小池さんと一緒に応援すると言った若狭さん。自民党を離党して都議選を応援するが、若狭さんが自民党を離党した理由の一つに「加計学園の対応が自民党はなっていない」と挙げている。若狭さんあたりが街頭でガンガン言い出すと、東京は無党派が多いからこういうところにこの(加計)問題は響く可能性がある。しかも自民党は総理・菅さんが「全面に都議選に出てきて応援する」と言っているから、攻める側としてはターゲットになる。
高嶋氏:ということは、今日最初に出た「自民党って最近感じが悪いよね」ってね。
鈴木氏:その感じの悪い人がまた出てきて・・・
高嶋氏:それに対して勘のいい小池さんが攻めないわけがない。
鈴木氏:攻めてくる可能性はある。
高嶋氏:そうすると、このソバ屋論争は結構影響が出るかもしれない。
鈴木氏:またさらに拡がる可能性はある。
高嶋氏:なるほど。

ニッポン放送に置かれた実質上の小池都知事の選挙宣伝本部が、公共の電波を使って「小池新党、小池ファースト、小池の選挙ですよ」と小池劇場を煽ると同時に、自らが悪魔化した自民党に対して無党派層が投票したくない気持ちになるのはもっともであるかのような心理操作を行っています。ここに政策の解説は全くありません。政局巷談家と扇動司会者が行っているのは、政治家に善悪を付与して劇を盛り上げることだけです。加計問題と都政のどこに関係があるのか、そもそも加計問題は問題であるのか、すべては非常識な憶測を根拠にして中傷しています。これは政治評論家による政治番組ではなく、政治巷談家による娯楽番組です。

[あさラジ!参照-5]

あさラジ!2017年6月14日

高嶋氏:いよいよ小池東京都知事も正念場にさしかかった。
鈴木氏:「決められない知事」というネガティヴ・キャンペインに対して、「決められる知事」というのを見せるタイミングが来たということだ。都議選が23日告示なので、それまでに「方向を示そう」ということだと思う。
高嶋氏:「築地も残す」と。気の早いスポーツ新聞は「築地は食のテーマパークだ」と書いてあった。政治家小池百合子としては、最終的に「決められない知事」の汚名を晴らすためにも、東京都議会選挙の前に「こうします」という具体的なことを言わざるを得ない。

鈴木氏と高嶋氏が「小池氏は決められない知事というのはネガティヴ・キャンペインであって、本当は決められる知事である」とインプリシットに主張しているのは自明です。

あさラジ!2017年6月21日

高嶋氏:「東京都でも起きるか、マクロン現象」ということだ
鈴木氏:東京発の小池さんの国政政党。「永田町でも小池さん、新党作ろう」と言っている人たちが出てきている。
高嶋氏:当然の流れはそっちの方へ行っている。
鈴木氏:都議選後・・・
高嶋氏:とりあえずの勝負、都議選で負けては話にならない。
鈴木氏:もちろんそうだ。40議席台というのが大きな一つの鍵だと思う。
高嶋氏:127のうち40議席台。なるほど。
鈴木氏:(不祥事の国会議員を庇うのは)全部ブーメランで自民党に返る。
高嶋氏:「国会議員の進退は自身の」というのは常套句だ。
鈴木氏:逃げでもある。
高嶋氏:さぁ、選挙民はこれに影響されるのか、されないのか。
鈴木氏:(加計問題は)全員を同じ舞台に揃えて、証人喚問でも参考人でも構わないが、けじめをつけない限りダメだ。
高嶋氏:最後に、相当影響出そうなのか?都議選に。
鈴木氏:間違いなく出る。各政党の世論調査も含めて数字に変化が出てきている。
高嶋氏:どうなるか。

都議選も近くなり、鈴木氏は、今回の都議選は小池新党の国政進出のためには絶対に負けてはならない選挙であることをリスナーに認識させています。この言葉により、ゲーム感覚で都議選を鑑賞している一部リスナーは、小池劇場のゲーム・オーヴァーを恐れて都民ファーストの会への投票意思を強固にするものと考えられます。小池劇場が商売の種である鈴木氏からすれば、一部リスナーを引き締めているとも言えます。散々小池劇場を煽ると同時に散々自民党を悪魔化している張本人が「選挙民はこれに反応するのか、されないのか」と発言していることには強い不条理を感じます。鈴木氏が「間違いなく影響が出る」として小池都知事に有利な情勢を語るのは【バンドワゴン効果 bandwagon effect】を狙っている可能性があります。

[あさラジ!参照-6]

あさラジ!2017年7月5日

高嶋氏:自民党にとっては大荒れの都議会議員選挙が終わりました。笑いが止まらないのは都民ファーストの会です。(中略)総選挙で仮定すると、東京都は1勝24敗だということで。
鈴木氏:結論を言うと、公明党も小池さんもうまいな。(中略)うまい。上手。したたかな要素が動きを見せたというのが今度の連携。
高嶋氏:政治家同士の手の握り合いは、裏に三筋四筋五筋のいろんな理由があって、その辺見てくると面白い。

笑いが止まらないのは、明らかに鈴木氏と高嶋氏です。選挙戦術にしたたかなことは、けっして絶賛されることではなく、むしろ民主主義を手玉に取っているという証左です。

あさラジ!2017年7月26日

高嶋氏:勝てば官軍とか、我が世の春とか、いろいろ言うが、線で結び付けると小池百合子に行く。小池さんが新党を立ち上げると、週刊誌で鈴木哲夫さんが書いているが、信憑性というのはどの程度か。
鈴木氏:かなり高いと思う。
高嶋氏:鈴木哲夫さんは、総選挙があれば50議席獲得という皮算用があると。

都政に結果を出していないばかりかネガティヴな結果を出している小池都知事が率いる政党が、大衆を扇動してゲームに勝ったことはむしろ民主主義の危機と言えます。勝てば官軍という言葉がどれだけ危険であるか似非ジャーナリズムの扇動家は認識していません。

あさラジ!2017年8月2日

高嶋氏:とにかくいろいろ批判はあるが、これだけ大胆にいろいろ仕掛けて、この間の都議選でなんだかんだ言われて都民ファーストが第一党になった。なかなか見事な手腕と言わざるを得ない。
鈴木氏:好き・嫌い・評価・批判、いろいろなことを全部ひっくるめても、それを認めざるを得ない。常に小池さんが勝ってきたというか、小池劇場というのは見事にこの一年間しっかり演じ続けた。
高嶋氏:内田都議とか、石原慎太郎知事とか、森喜朗さんとか、世間も納得する敵づくりをやってきたが、透明のターゲットはあるのか。
鈴木氏:敵はちょっといない。
高嶋氏:困っているかもしれない。
鈴木氏:次は国政の話がある。

気持ちが悪い程の【個人崇拝 cult of personality】による「小池劇場」の肯定は【ポピュリズム】を肯定することに他なりません。

あさラジ!2017年8月9日

高嶋氏:議員心理というのは生々しいから外野で見ている分には本当に面白い。

まさに【戦略型フレーム】報道が極まったと言えます。

提供されたロール・プレイング・ゲーム

なぜ一部有権者は、【政策】未発表の小池国政新党に投票したいと考えたのか。なぜ一部有権者は、記念撮影や握手の有無で政治家の評価を決めてしまうのか[過去記事]。それが報道各社が行っている【戦略型フレーム】報道に帰結することは明らかです。一部有権者は、マスメディアからリアルタイムに体験できるロール・プレイング・ゲームを無償提供され、それを無邪気に楽しんでいるのです。

非常に危険なことに、ロール・プレイング・ゲームには作者が設定した特定の結末があります。プレイヤーはこの結末を変えることができず、がむしゃらにゴールを目指します。例えば、第一章で都政を掌握した「小池劇場」の場合には、第二章で小池国政新党の大躍進、そして第三章で政権奪取と小池百合子総理大臣の誕生がプログラミングされています。

都政のブラックボックスを打破する公約を掲げた小池都知事は、実際には側近と密室で決定した政策を都民ファーストの会の議員に議会で称賛させる最強のブラックボックスです。知事をチェックすべき都民ファーストの会の議員には個人の情報発信を制限するという全体主義的な恐怖政治を「都議会のドン」を超える「都政のドン」として執行しています。一部有権者におかれましては、そろそろヴァーチャルな世界を脱出してリアルな世界に生きていただきたく強く希望する次第です。

政策を語らずに政局の勝ち負けを語る【戦略型フレーム】報道は有権者にとって全く無意味であると言えます。


 

カテゴリー:Diary

国連安全保障理事会が北朝鮮に対する新たな制裁決議を採択2017年9月12日

北朝鮮に対する制裁決議が全会一致で採択された。 つまりは、北朝鮮は決定的な打撃を受けるわけでは無く、今後も現状のまま推移するということだろう。北朝鮮が核搭載大陸間弾道ミサイルを確保する可能性は極めて高く、日本はこれを受け入れざるを得ないか?北に対抗するには、核ミサイルの確保しかない、ということになろう。速やかな非核三原則の破棄が望まれる。 

以下産経新聞記事

【ニューヨーク=上塚真由】北朝鮮による6回目の核実験を受け、国連安全保障理事会は11日夕(日本時間12日朝)、北朝鮮への原油や石油精製品の輸出に上限を設定した制裁強化決議案を全会一致で採択した。安保理の北朝鮮制裁決議は、2度の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて8月5日に採択して以降となり、9回目。

 北朝鮮への制裁決議で、原油の輸出制限に踏み込んだのは初めて。米国は当初の提案で石油の全面禁輸措置を盛り込み、渡航禁止や資産凍結の対象に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を指定するよう求めたが、決議では見送られた。制裁強化に慎重な中露が反対し、米国が譲歩した形となった。

 決議では、北朝鮮への原油供給について、年間上限を過去12カ月の総量と決めた。事実上の現状維持となり、北朝鮮の核・ミサイル開発にどれだけ打撃を与えるかは不透明だ。

 また、北朝鮮への石油精製品の輸出量の上限は年間200万バレルに定めた。米当局者によると、北朝鮮は原油を年間400万バレル、石油精製品を450万バレル輸入しており、石油精製品の上限措置で輸入量の約3割を削減することにつながるという。天然ガス液(天然ガスが地上産出されるときに回収される天然ガソリン)などは全面禁輸とした。

 また、北朝鮮の主要産品である繊維製品の輸出は全面禁止とした。北朝鮮の貴重な外貨獲得源となっている海外派遣労働者については、受け入れを原則禁止。決議採択日よりも前に書面で雇用契約がある場合は例外としたが、契約が切れた時点で更新することは不可能となる。米当局者によると、現在、約9万3千人の北朝鮮労働者が海外に派遣されているという。

 石炭などの密輸を防ぐため、公海での貨物船の臨検措置も規定。貨物船が、禁輸品目を運んでいるという合理的な情報がある場合は貨物船の属する「旗国」の同意のもと、加盟国が臨検を行うことを要請した。

 安保理の対北制裁交渉は近年、1~2カ月以上を費やしてきたが、日米は迅速な対応を強く主張。核実験から約1週間後のスピード採択となった。

カテゴリー:Diary

北朝鮮6回目の核実験;面子を潰された米中首脳2017年9月6日

http://yusukenakamura.hatenablog.com/
より
 
2017年09月05日 16:00

トランプ氏の邸宅を訪問した当時の習氏(トランプ氏Facebook:編集部)

ついにと言うか、やっぱりと言うか、北朝鮮は核実験を行った。水素爆弾の可能性が高い。10日ほど前、トランプ大統領は「われわれは金正恩をレスペクトしているし、彼らもわれわれをリスペクトしている」とスピーチで述べた。ホンマかいなと思ったが、やっぱり、全くの空想で北朝鮮は米国を馬鹿にして挑発を続けている。米中会談後、中国に期待する発言を続けていたが、中国が本気なら、こんな状況にはなっていないはずだという理解に欠けているのではないか?

トランプ大統領は、中国に期待し続けているようだが、その根拠が見えてこない。日本は、北朝鮮の発射したミサイルが、北海道上空を通過するのを黙って見過ごす状況で、完全になめられている。もし、ミサイルのトラブルで日本の領土に落下していたら、どうすべきなのか、それをはっきりさせておくのが、危機管理ではないのか?

かの国は、何十年に渡って国際社会を欺き続け、とうとう核保有国になってしまったのだ。外交努力が空を切り続けてきた結果だ。核放棄することを望むというような甘い幻想から覚める時なのだ。もし、北朝鮮が核爆弾をもってして、日本を脅してきたらどうするのだ。北朝鮮の漁船が日本の経済水域で操業しても、「僕ちゃん、核爆弾が怖いから、好きにして」と黙って見過ごすのか!各新聞社の回答を聞きたいものだ。そんな事が起こるはずがないという、夢見る夢子ちゃんのような甘い見通しなど、もうたくさんだ。力には力という抑止力が必要なのだ。かつての冷戦がそれを証明しているのではないのか。

それに加え、東京では某新聞社の記者が、官房長官に、まるで北朝鮮の手先かと思えるような質問「(米国と韓国に)金正恩・朝鮮労働党委員長の要求に応えるように、冷静に対応するように政府として働きかけているか」をしたと報道されていた。この新聞社はどんな思想を持っているのか、信じがたいものがある。これまでの歴史的背景を知っていても、この相手を盲目的に信じることができるこの記者の純粋さは驚嘆に値する!?

核兵器を含め、戦争に対する備えなど、なくて済めば、いいに決まっている。しかし、警察がいなければ悪人がはびこるように、悪に対する備えは絶対的に不可欠なものだ。国と国の関係でも同じだ。軍備がなければ、そして、抑止力がなければ、領土と国民の生命は、悪の心を持った国によって脅かされる。それが眼前に迫っているのに、危機を煽ると政権を攻撃するのは私には信じがたい。

こんな当たり前のことを前提に備えをどうするのかを議論ができない日本と言う国は、世界的に見ても稀有な国だ。「戦争は嫌だ」と誰でもそう思う。しかし、今の東アジアの現状を見ても、なおかつ、「軍備を持てば戦争につながる」との短絡的な考えを捨てきれないのは、やはり、戦後70年あまりの平和ボケの後遺症だと思う。トランプ大統領が、次の手をどう打つのか。目を逸らしてはならない。すぐに、戦火が開かれるかもしれないのだ。

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北朝鮮危機、9月11日まで続く2017年8月21日

金正恩の“賢い決断”は本物か?あの日を待たない判断は早計だ(特別寄稿)

2017年08月21日 06:05

flickrより(編集部)

北朝鮮の金正恩委員長(朝鮮労働党)は本当に「賢い決断を行った」のだろうか。ここに至る最近の経緯を振り返ってみよう。

北朝鮮の金洛兼(キムラクキョム)朝鮮人民軍戦略軍司令官は8月9日、その前日付で発表した米領グアム周辺への中距離弾道ミサイル「火星12」の「包囲射撃」計画について、4発を同時にグアム沖に撃ち込む計画案を検討しており、「8月中旬までに最終完成させる」と表明していた。司令官は「火星12は、島根県、広島県、高知県の上空を通過する、射程3356・7キロを1065秒間飛行した後、グアム島周辺30~40キロの海上水域に着弾する」と説明。ただ同時に、包囲射撃を「慎重に検討している」とも表明していた。

これに対し、トランプ米大統領は「これ以上、米国にいかなる脅しもかけるべきでない。北朝鮮は炎と怒りに見舞われる」との強い表現で軍事対応を辞さない考えを示した。

北朝鮮が自ら、計画の最終期限と明示した「8月中旬」となった15日、金正恩委員長は北朝鮮の国営メディアを通じ、「アメリカの行動をもう少し見守る」と述べた。これを受け、翌16日、トランプ大統領が「北朝鮮のキム・ジョンウンはとても賢い、よく考えた決断を行った。別の選択は壊滅的かつ受け入れられないものになっただろう」とツイートした。

さて今後どうなるか。日本政府やマスコミの間では「もう発射はない」との楽観論が流れている。本当にそうなのだろうか。

行方を見極める最初のポイントは8月21日から始まる米韓合同軍事演習となろう。北朝鮮はこの演習に神経を尖らせており、演習項目の公表や空母派遣、さらに戦略爆撃機B-1Bの(北朝鮮のレーダーに映る空域への)展開を中止するよう、国連本部のニューヨーク・チャンネルなどを通じて米側に求めているという。

かりに米側が北の要求を受け入れ、戦略爆撃機の飛行を自粛したり、あるいは演習そのものを中止したりすれば、北のミサイル発射は止まるかもしれない。

しかし、それでは誰の目にも、米国が北朝鮮の軍事的な脅しに屈したと映ってしまう。それはできないし、そうはしないであろう。

その結果、米韓の演習が粛々と実施され、空母や戦略爆撃機が参加している場面を各国メディアが報じれば、どうなるか。北朝鮮はミサイル発射を中止する大義名分を失う。当初の計画通り、グアム沖に4発発射するか、あるいはSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を海中から発射するなど、一定の軍事的意義を持つ威嚇や挑発を続けるほかあるまい。

どうせ米軍に迎撃される、加えて反撃を招く・・・などの判断により、グアム沖への発射が中止され、SLBMなど別の選択肢がとられるなら、その標的はどこか。おそらく日本国となろう。

常識的に考えても、そうなる。そうであるにもかかわらず、他ならぬ日本人が「グアムへの発射がなくなった」と官民挙げて喜んでいるが、本当にこれでいいのか。

思い出せば、2012年にも似たようなことがあった。同年12月1日、北朝鮮の朝鮮中央通信は「人工衛星」を12月10日から22日の間に打ち上げる旨の北の談話を報じた。これを受け日本は12月7日、破壊措置命令を発出。イージス艦とPAC-3を展開させた。

ところが発射予告期間初日の12月10日、朝鮮中央通信は、「運搬ロケット」(テポドン2派生型)の1段目操縦発動機系統の技術的欠陥が発見されたとし、「衛星」発射予定日を12月29日まで延長するとの談話を報道。それを(真に)受け翌日のNHKニュースが「明日の発射はないとの空気が防衛省内でも広がっています」と報じるなど日本中に楽観論が広がった。ところがその翌12日、北朝鮮はテポドン2派生型をほぼ予告通りの軌道で正確に発射、加えて「地球周回軌道に何らかの物体を投入させた」(防衛省)。日本政府とマスコミを含め、関係国をまんまとだまし、その裏をかいたとも言えよう。

ならば今回はどうか。2012年と同じ展開を辿るなら、8月中にも発射はあり得るという判断になろう。実は2012年の際も今回も、北朝鮮は「撃たない」とは一言も言っていない。

もし北がグアムへも、日本近海へも太平洋その他どこへも撃たない、核実験も見送るといった「賢い決断」を下すなら当面、危機は回避されることになろう。ただ、その判断には、米韓合同軍事演習の無事終了に加え、最低でも9月11日まで待たなければならない。なぜ、米同時多発テロ事件の日付が重要なのか。当欄の読者に説明は不要であろう(本年6月の投稿または拙著『安全保障は感情で動く』参照)。

安全保障は感情で動く (文春新書 1130)
潮 匡人
文藝春秋
2017-05-19
 

 

かりに来月以降、何事もなく平静が続くなら、その功績はひとえに米軍の抑止力による。さらに言えば、8月16日に米統合参謀本部議長を中国東北部の遼寧省瀋陽で人民解放軍北部戦区の軍事訓練を視察させた房峰輝(連合参謀部参謀長)の〝賢い決断〟による。それに先立ち中国当局は8月11日付「環球時報」の論説記事で「仮に北朝鮮が先に米国に向けてミサイルを発射し、米国が反撃した場合は、中国は中立を保つことを明らかにすべきだ」との立場を示していた。

こうした状況下、北がグアムにミサイルを撃つのは難しい。もし今後とも発射がないなら、それの主な理由は以上に求めるべきであろう。もとより日本の手柄ではない。

今回、日本は米軍の戦略爆撃機と空自機が共同訓練を実施したが、それ以外、さしたる貢献を果たしていない(8月20日時点)。中国、四国地方にPAC-3ミサイルを展開するなど、いわば自分で自分を守ろうとしただけ。小笠原諸島島に、弾道ミサイル防衛が可能な海上自衛隊のイージスMD艦を展開し、グアム近海を含め迎撃態勢をとるなどの実効的な措置を講じなかった。唯一、国会答弁で(集団的自衛権の限定行使を可能とする)「存立危機事態」認定の可能性を示唆しただけ。たとえそう認定しても迎撃可能なアセットを展開させなければ机上の空論に終わる。

中国、四国地方へのPAC-3ミサイルの展開も軍事的な意義に乏しい。なぜならPAC-3が迎撃できる範囲が小さいからである。しかも、四国に落ちる可能性よりも、グアムまで届かず小笠原諸島に落ちるといった可能性のほうが実は大きい。

結局いつも日本は北朝鮮に振り回されているだけではないか。ずっと人任せ、アメリカ任せにしてきたから、こうなる。それは言い過ぎとのお叱りを受けるなら、こう反問したい。

なら、いつまで四国などにPAC-3ミサイルを展開し続けるのか。イージスMD艦の展開もいつまで続けるのか。破壊措置命令はいつ解除するのか。それとも未来永劫、「常時発令」し続けるのか。ならばそれは関係法令の想定を大きく逸脱している。憲法上も重大な疑義を避け難い。実際問題、現場が許容できる負担の限度も超えている。

相変わらず護憲派も改憲派も、いまそこにある危機を直視しようとしない。

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潮 匡人
新潮社
2017-07-13
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日銀の「財政ファイナンス」はフリーランチか2017年8月15日

2017年08月14日 14:30

内閣府の発表した今年4~6月期の実質成長率(速報値)は、1%(年率4%)と高い伸びを示したが、GDPデフレーターは前年比-0.4%だった。これは先週の個人ブログでも書いたように、リフレは失敗したが財政ファイナンスは(今のところ)成功したことを示す。財政ファイナンスとは政府債務を無制限に中央銀行がファイナンスすることで、財政節度を失わせるため禁忌とされる。

日銀の保有資産(青・億円)と国債残高(赤)と企業物価指数(緑・右軸)

日銀も「量的緩和は財政ファイナンスではない」という見解を維持してきたが、図のように日銀の保有資産は500兆円を超え、その9割近くが国債である。これを財政ファイナンスと呼ばないで何と呼ぶのだろうか。安倍政権は消費税の増税を2度も延期し、プライマリーバランスの黒字化目標も放棄して、財政節度はとっくに失われたが、インフレも金利上昇も起こらない。

財政ファイナンスの何が悪いのだろうか。マクロ経済学の常識では、政府が無限に財政赤字を拡大すると長期金利が上がり、それによって国債費が増えてさらに財政赤字が拡大する…というスパイラルに入るといわれてきたが、長期金利はゼロに張りついている。

だが日銀の保有する500兆円の資産がなかったら、国債もETFもREITも大幅に供給過剰になり、金利が上がって政府の資金調達も困難になるだろう。つまり財政ファイナンスは、政府に代わって金利リスクを日銀が負担する財政政策なのだ。その影響は株価や不動産などの資産価格に出ている。

これは政府がリスクなしで資金を調達できる「フリーランチ」のようにみえるが、統合政府会計でみると、政府の得は日銀の損である。「イールドカーブ・コントロール」で長期金利をコントロールできるというのは幻想で、日銀の含み損は拡大しているのだ

財政ファイナンスのおかげで、物価指数もやや上向いてきた。今までは物価が上がらないので金利も上がらなかったが、人手不足などの景況感からみると、今年の後半から物価が上がる可能性もある。そうなると名目金利も上がる。藤木裕氏のシミュレーションによると、長期金利が2%になると日銀は債務超過になり、単年度で10兆円近い赤字になる。

日銀は資産を時価評価しなくてよいが、地方金融機関では債務超過が顕在化して「取り付け」が起こるおそれがある。1998年には金融システムが崩壊し、金融機関に100兆円の損失が出たが、今度の危機はそれよりはるかに大きい。景気も回復してきたので、これから日銀が出口戦略に向かうと、金利リスクが顕在化することは避けられない。

予算の支出には国会の同意が必要だが、「隠れ予算」である日銀の資産購入は、日銀法43条で日銀の裁量にまかされている(国会は事後承認)。これは民主国家としてはおかしい。日銀の過剰なリスクテイクを国会が監視し、歯止めをかける必要がある。

追記:内閣府の内訳をみると、4~6月期の「公的資本形成」が5.1%増と異常に大きい。これは2016年度の補正予算が期末に執行されたものとみられ、1%という成長率は一時的なものだろう。外需はマイナスなので、円安の効果は消えた。

カテゴリー:Diary

台湾政府は民進党の弱みを握った2017年7月21日

台湾政府は民進党の弱みを握った

2017年07月21日 11:05

JBpressで蓮舫問題の経緯をざっとおさらいしたが、今週の会見で疑惑はむしろ深まった。最大の疑問は、この1984年に失効したパスポートで台湾政府の国籍喪失許可証が取れるのかということだ。

民進党は記者レクで「台湾政府の特別な配慮で喪失許可がおりた」と説明したが、その意味ははっきりしない。有効な旅券がなかったのに台湾政府が超法規的に許可した、といいたいようだが、それは考えにくい。

台湾の国籍法では「満20以上であって、中華民国法によって能力を有し、自ら外国国籍の取得を申請する者」と定めている。これは台湾の戸籍や旅券をもつという意味で、日本生まれの蓮舫氏は台湾に戸籍がないので、有効な台湾の旅券がないと国籍法の手続きはできない。彼女の1984年の旅券には穴があけられ、左上が切られている。これは別の旅券に更新したことを意味するので、少なくとも1994年まで台湾の旅券を使ったはずだ。

それは1993年の朝日新聞に掲載された「在日の中国国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい」という記者会見でもわかる(彼女は「編集部の間違いだ」と否定している)。彼女は日本国籍を取得した1985年以降も台湾の旅券を更新し、2016年9月の段階で有効な旅券をもっていた疑いが強い。

渡航記録は台湾政府も日本政府も持っているので、彼女が嘘をついていることは両国政府が知っている。台湾政府が「特別な配慮」をして国籍喪失許可の日付を3ヶ月も遡及したのは、日本の野党第一党に「貸し」をつくるためだろう。これで台湾政府は、いつでも民進党代表のクビを取れる弱みを握ったことになる。

遡及するメリットは台湾にはないので、民進党側が日付の改竄を依頼したものと思われる。これは目黒区役所の9月26日付の「不受理証明」と整合性を取るためだが、少なくとも昨年10月17日までは台湾内政部で審査していたので、9月26日に区役所に喪失許可証を出せるはずがない。

いずれにせよ蓮舫側の説明は矛盾だらけで、特に2016年まで有効だった旅券があるはずだ。これが出てきたら「故意ではなかった」という彼女の説明は崩れ、2016年の参議院選挙でも経歴詐称していたことになる。その証拠が出てきたら、当選無効である。野田幹事長を更迭するより、民進党執行部が彼女を更迭すべきだ。

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蓮舫記者会見総括と望月衣塑子不在の残念さ2017年7月20日

2017年07月20日 15:00

 

蓮舫氏がついに、「戸籍謄本」「国籍離脱申請書」「台湾旅券」の3点セットを公開したことは、アゴラでこの問題を追及してきた我々と読者のみなさんにとって偉大な勝利である。

当初は戸籍謄本を公開すると伝えられたが党内左派や自称リベラル系マスコミの圧力で後退する発言をしていた。そこで、アゴラなどで「3点セットを公開しないと『二重国籍』状態が解消したかどうかすら不明のままだ」とキャンペーンを張ったことが功を奏した。

記者会見に先立つ数日、この点に先回りをして徹底的に釘を刺して置いたのである。満足すべき大戦果である。

これで、「政治家たるもの、国籍について曖昧な点を残していけない」という画期的な前例になったことは喜ばしい。これを前例として欲しくないと蓮舫氏はいっていたが、当然これは前例だ。前例としないかどうかを決めるのは法的義務に反した行為をしていた蓮舫氏ではない。少なくとも国会議員については、そうあるべきだ。

折しも、オーストラリアでは国会議員2人が「二重国籍」を理由に議員辞職に追い込まれた。二重国籍を認めてないのに、いい加減な運用をしている日本は甘すぎるのだ。世界の常識は我々にあることが立証されたといえよう。を

ただ、蓮舫氏が開示した3点セットのうち、台湾旅券は最新のものではない(=1987年以降に有効な旅券は取得してないと主張)。日本旅券を公開しなければ、台湾出入境時に台湾旅券を使用していない証明にはならない。

あくまでも、「二重国籍の事実は知らなかった」と強弁したが、大富豪だった台湾人の父親が亡くなったときの相続過程で気付かなかったとは思えない。タレント時代には、自分で「父は台湾で、私は、二重国籍なんです」(週刊現代1993年2月6日発行号)などと発言していた。

このことを記者会見で追及されて、「結果として法的な評価、あるいは事実関係を含めて齟齬が生じている」「発言が軽かった」などと、ごまかすように答えていたが、過去の自分の発言を「嘘を言っていた」というなら挙証責任は蓮舫氏にある。

マスコミで繰り返し犯罪や法に反する非行をしたと自白しておきながら、あれはワルを装っただけと弁解しても世の中では通らない。

「戸籍を強要されて開示することは前例としてはならない」などとも語っていたが、世界の常識として国籍はプライバシーなどと認識されていない。ヨーロッパでは、国民も身分証明書携行が義務で、買い物するときにクレジットカードや小切手を使うときに提示を求められる(このごろは暗証番号やサインだけではダメでダブルチェックが多くなっている)。

日本は外国人が少なかったから必要がなかっただけで、今後ともそれでいいかは著しく疑問だ。世界に開かれた国にするためにこそ、また、軽武装の平和国家であるためにも普通以上の安全装置は不可欠だと思う。

それから記者の質問は甘く、隔靴掻痒だった。あの東京新聞の望月記者がいないのが残念だった。菅義偉官房長官に浴びせた20連発のような質問したら褒めてあげるのにと思った。しかし、あの記者会見のてぬるい質問を「悪意がある」というなら、官房長官記者会見での望月記者の発言は悪意どころか、なんと表現したら良いんだろうか。

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蓮舫さんの戸籍開示は「あしき前例」にならない!2017年7月20日

そう言えば同じく二重国籍で問題となった自民党の小野田紀美議員も戸籍謄本の開示をして日本国籍を選択したことを立証した。そのことによって小野田さんのプライバシーが著しく侵害されたなんて話は聞いていない。

自称インテリはとにかく頭の中の抽象論・概念論で物事を考える。頭の中だけで理屈をこねくり回す。現実を見ない。蓮舫さんの戸籍謄本の開示について、7月13日付朝日新聞社説はプライバシーについての「あしき前例にならないか」と大騒ぎしているけど、小野田さんの戸籍謄本の開示でどれだけのあしき前例になったのか、現実を見てみろっていうの。

まず一般の人が理由なく戸籍謄本の開示を求められることはあってはならない。でも今回は二重国籍の疑いがある国会議員の事例だ。そして、戸籍謄本の開示といっても日本国籍選択宣言の事実だけを立証すればよく、あとは黒塗りで十分だ。日本国籍選択宣言の日付を明らかにしたところで何のプライバシー侵害があるのか。しかも蓮舫さんは日本国籍選択宣言の事実を公言しており、公言している以上そもそもプライバシー侵害でもなんでもない。

蓮舫さんは野党第一党の代表という公人中の公人。公人はプライバシーも名誉も制限される。報道の自由による国民チェックが優先されるということを前提に、メディアや自称インテリは政治家のプライバシーをバンバン暴くじゃないか。

僕なんか、記憶もない実父のもっともっとセンシティブな話をバンバン週刊誌に書かれた。一般人だったら完全なる人権侵害でしょ。だけど僕は公人だったから、公人である以上僕の出自は全て明らかにすべきだという意見も多かったよ。特に普段は「人権を大切にしろ!」とかっこつけて叫んでいる自称リベラルのインテリたちに限って「橋下は権力者なんだからそれくらい我慢しろ」と言ってたな。メディアでも僕を擁護する声はほとんどなかった。

自称リベラルのインテリたちは、真の人権擁護者じゃない。単に反権力を叫んでいることに自己陶酔しているんだよね。反抗期の子供のよう。あれ以来、自称リベラルの人権派インテリの似非ぶりには辟易しているよ。

その最たる御仁が、参議院議員の有田芳生。こいつだけはほんと許せないね。

週刊朝日が僕の出自を差別的に連載記事にしたとき、有田は「これは面白い!」と言い放ったんだよね。そして僕が猛反撃したら、よく分からん言い訳をしていた。その一方、今回の蓮舫さんの戸籍謄本開示問題では、「人権問題の歴史的逆行」になるから開示を許してはいけないなんて言っている。

有田は自分が嫌いな相手(僕)の出自が公になることは面白く、自分の所属する党の代表の、ちょっとした戸籍情報が開示されることはプライバシー侵害になり、人権問題にもなるから許されないと言うんだ。典型的なダブルスタンダード!

こんな有田でも有権者が当選させちゃったんだから、まあ仕方がないと諦めるしかないけど、それでもこいつの給料を税金で賄っているのかと思うと、一納税者として腹が立ってしょうがないね。

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.63・64(7月18日配信)からの引用をもとに加筆しました。もっと読みたい方は、メールマガジンで!! 今号は《民進党・蓮舫代表「二重国籍」問題でメディアはここを追及せよ!》特集です。

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謝蓮舫の件2017年7月18日

政治家に忠誠と文化への愛着を求めたら差別か?

2017年07月18日 07:00
  •  八幡 和郎

民進党サイト(編集部)

蓮舫さんの二重国籍問題が発覚したのは、民進党代表選挙に出馬した蓮舫さんに、日本国家への忠誠と、日本文化への愛着が感じられないことが遺憾であると指摘している過程でのことだ。

そのとき私は、フランスなど海外諸国で、移民系の政治家が受け入れられているのは、先祖代々の国民より国家に対する忠誠や文化への愛着をことあるごとに示すことが前提になっているという国際的な常識に従うべきことを主張していたのであるから、国粋主義とはまったく正反対の立場であった。

そのときに、まさか二重国籍のままだとは思っていなかった。ただ、蓮舫さんの国籍取得に至る経緯がはっきりしなかったので、そういうことを疎かにしておくと、将来、二重国籍の政治家が出る可能性すらあると思い、あいまいな経緯を明確化して欲しいとは思っていただけだが、まさか、本人が二重国籍だなんて思わなかった。そんな人が総理をめざすなんて想像の外だった。

国民が国家に対する忠誠を要求されることは当たり前のことだ。そして、その程度は、公職にあるもの、国会議員、閣僚、総理と大きくなっていくし、野党の党首は総選挙に勝ったらすぐに総理になるのだから、総理と同等のものだ。どうせ、政権に戻りっこないなどという言い方はふざけている。すでに、我々は、2009年と2012年に国会で三分の二をもっていた与党が敗れるのを見ている。

ところが、尖閣問題を蓮舫さんは「領土問題」と表現したことがある。蓮舫さんがもともと中国籍であったのなら、非常に神経質にならねばならない部分だ。(大陸であれ台湾であれ中国国家である。台湾国家であるとの立場は国内でも承認されていない。特に蓮舫さんが若かった頃の台湾は中国政府としての性格をいまより強調していた)

好むと好まないとにかかわらず、日本と中国や台湾は衝突することだってありうる。そのときに命をかけねばならない、自衛隊や海上保安庁の人たちの最高司令官があやふやで許されるはずもない。

政治家が外国の文化が好きでも構わない。しかし、その国の文化に対して知識も愛着もない総理なんてあり得るのか?どこの国でもそんなのは論外だ。

ところが、蓮舫さんは日本文化に対する知識も乏しそうだし、愛着を口にしたこともなかった。焼き魚の頭は逆さまに置くし、和服を着たこともなかった(今年になってやっと始めて着たが、借り物の着物のど真ん中に穴あけて議員バッジをつけた)。日本人の多くが信仰する宗教への敬意もなかった(自分が信者でなくとも指導者は敬意を示すのが常識だ。今年になって伊勢神宮にいったのは遅ればせながら良いことだ)。

名前にしても、村田蓮舫という本名があるのに、あえて、中国風のファーストネームだけという非常識な使い方をしているとか、SNSで謝蓮舫を名乗っているとか、日本国籍の子供にまで、華人としての意識をもち、海外で華人としてふるまうためと公言して中国語名をつけるというも釈然としないのはあたりまえだ。

もし、蓮舫さんがことあるごとに日本国家への忠誠を口にし、日本文化への愛着を語ってきたのなら、以上のようなことも気にするほどでないが、そういうことはまったくなく、華人としての意識ばかり強調しているのが日本国家の指導者にふさわしくないといったら人種差別だとか多様性の否定なのか?ふざけるなといいたい。そんなことを許す国民は世界のどこにもいない。

そして、そういう日本国家や日本文化に対する敵対的な意識の原因であり結果が、法律上認められない 二重国籍という秘密だったのである。

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当面、朝鮮半島情勢は悪化の一途を辿る(特別寄稿)2017年6月23日

2017年06月23日 06:01

北朝鮮に拘束され、帰国後に死亡した米国人大学生、オットー・ワームビア氏(Marian.Mizdrea/flickr:編集部)

北朝鮮に一年半以上も拘束され、昏睡状態で「解放」された米国人大学生がついに死亡した。北朝鮮は「大学生がボツリヌス菌に感染して睡眠薬を服用した結果、昏睡状態に陥った」と説明したが、ボツリヌス菌の痕跡は発見されなかった。「大学生の脳組織は広範囲にわたって壊死」(米病院)していたという。

北が危険な自白剤を投与したのか、あるいは大学生が自殺を図ったのか。直接の原因がなんであれ、死亡した事実が持つ重大性は変わらない。当然ながら、アメリカ(や韓国)の主要メディアは日本時間の20日朝から、この事件をトップニュースで報じてきた。

《帰国大学生“拷問死”でトランプ氏激怒、北に軍事オプション含む対抗措置か 識者「一番取りやすいのはサイバー攻撃」》――こう題した20日夕刻発売(21日付)の「夕刊フジ」一面記事で、私は以下のとおりコメントした。

「シリアにトマホークを打ち込んだとき、トランプ氏は化学兵器による子供や女性の被害の映像や画像に激しく感情を動かされ、軍事作戦のゴーサインを出した。今回も、トランプ氏やトランプファミリー、政権中枢の人々の心を動かしたことは間違いない。目に見える対抗措置を取る可能性は飛躍的に高まった」(以下略)

いわゆる「レッドライン」については先々月の当欄で述べた。今後の展開によっては、後世「あの大学生死亡がレッドラインだった」と評価されるかもしれない。なぜなら、結局それは人間の主観的な判断であり、感情で動くからである(拙著最新刊『安全保障は感情で動く』文春新書)。実際すでにトランプ政権や米共和党の幹部らは口々に、最大級の表現で北朝鮮の金正恩政権を非難している。私は今後、何が起きても驚かない。

米大学生の死亡が報じられた6月20日朝、上記「夕刊フジ」の取材を受けた後、私は新潟市での講演に向かうべく急いで北陸新幹線に乗車した。同線は大半がトンネル内のため関連報道を詳しく確認できないまま会場に到着し、講演でこう失言した。

「今朝7時のNHKニュースでは、翻訳が間に合わなかったせいなのか、取り上げていませんでしたが、きっと正午のニュースで詳しく報じたでしょうし、今晩の『ニュース7』では間違いなくトップニュースになるでしょう」

講演を終え、東京に戻り、念のためNHK「ニュース7」を再生視聴して愕然となった。トップどころか、ニュースとして取り上げていなかったからである。同夜のNHK「国際報道」(BS1)も報じなかった。当日正午のNHKニュースを再生視聴してみると、豊洲移転、加計学園、森友学園、九州南部の「激しい雨」のニュースに続けて、ようやく12時10分過ぎから短く報じていた。

NHKは「すでに正午のニュースで報じたから、同夜の看板ニュース番組で取り上げる必要はない」と判断したのであろうか。ならば今後、視聴者は朝も昼も夜も、ずっとテレビでニュースを注視しなければなるまい。

いや、皮肉や冷笑を抑え、率直に、こう聞きたい。

ならば、いまも連日連夜、豊洲移転や加計学園、森友学園などに関する報道を詳しく繰り返しているのは、いかなる理由からなのか。6月22日現在、米メディアは北朝鮮による6回目となる核実験の兆候を報じている。だがNHK以下、日本のマスコミは(産経新聞など一部を除き)これらを報じていない。

5月29日に発射された「精密誘導システムを導入した新しい弾道ミサイル」についても「命中精度高いとは考えにくい」(NHK)など、相変わらず(先月の当欄参照)、北朝鮮の脅威を過小評価している。日本のテレビでは「ダチョウの平和」という名の現実逃避が続く。

蛇足ながら「Xデー」に関する各社の報道も当を得ない。

げんに今年4月、日本のマスコミが「Xデー」と報じた4月15日や4月25日には何も起きなかった。大規模な軍事挑発は、私がテレビ番組などで予測したとおり、キリスト教国アメリカにとって最も重要なイースター(復活祭)の朝となった。上記「精密誘導システムを導入した新しい弾道ミサイル」発射も、予測どおりアメリカの「メモリアルデー」(戦没将兵追悼記念日)となった。

振り返れば、2009年の核実験も「メモリアルデー」に強行された。2006年の核実験もアメリカの祝祭日(コロンブスデー)だった。2009年の「テポドン2」発射はオバマ大統領のプラハ演説の朝だった。後にノーベル平和賞をもたらした歴史的な演説日に、北は長距離弾道ミサイルを発射した。その報告で起こされたオバマ大統領が放送禁止用語で悪態をついたと伝え聞く。せっかく推敲を重ねてきた原稿を急きょ修正し、「つい今朝、この脅威に対して、新たな、より厳しいアプローチがなぜ必要かを、思い知らされました」と演説するに至った。

2013年2月12日にも同じ光景が再現された。オバマ大統領は一般教書演説の原稿を急きょ修正、北の核実験に触れ「この種の挑発は、さらなる孤立を招く」と非難した。しかも当日は全米各州の祝日「リンカーンデー」等々の理由から、同年のGIサミット(日本版ダボス会議)で私が「12日」と予測し、そう小野寺五典防衛大臣らに申し上げたとおり核実験が強行された。

さて今後はどうなるか。当面7月4日(米独立記念日)をにらみながら、高い緊張が続く(あるいは第2次朝鮮戦争が始まる)に違いない。事実、2006年の「テポドン2」を含む弾道ミサイル発射は、独立記念日をにらんだ大規模な連射となった。

だが、日本の(政府や)マスコミはそう考えない。公共放送までが根拠を示さず「北朝鮮はこれまでも自国の重要な政治日程に合わせて軍事的な挑発を繰り返してきました」(NHK)と繰り返し断じながら、毎年4月15日(金日成誕生日)などに決まって空騒ぎする。げんに今年もそうなった。これまで予測を外し続けてきた不明を恥じず、各社みなで頬かむりを続けるから、こうなる。

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