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出生数、初の100万人割れへ 少子化止まらず2016年12月22日

厚労省16年推計

2016/12/22 0:41
日経web

 2016年生まれの子どもの数が100万人の大台を1899年の統計開始以降で初めて割り込む。98万~99万人程度になる見通しだ。20~30代の人口減少に加え、子育てにかかる経済的な負担から第2子を産む夫婦が減っており、少子化の進行が改めて浮き彫りになった。社会保障制度を維持していくためにも、政府の人口減対策や子育て支援の充実が一段と重要になっている。

 厚生労働省は近く、16年の人口動態調査の推計を発表する。15年は100万5677人だった。すでに公表されている15年8月~16年7月までの1年間の出生数は99万人で100万人を割り込んでいる。「団塊の世代」で出生数が最も多かった1949年の4割に満たない。規模としては100年超前の水準だ。

 出生数が減っているのは20~30代の女性が減っている影響が大きい。16年10月時点の人口推計では同年代の女性は約1366万人で、10年前に比べて2割減った。

 15年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子どもの人数)は1.45で前年を0.03ポイント上回った。最低を記録した05年(1.26)から改善している。ただ女性の人口は減っており、出生数を押し上げるまでに至っていない。

 婚姻数は16年1~7月の合計で36万8220組で前年同期に比べ0.7%減った。結婚する年齢も上昇しており、15年時点の平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性29.4歳だった。晩婚化に伴い、第1子の出産年齢が上がると第2子以降の出産は減る傾向にある。

 第2次ベビーブームの71~74年に生まれた「団塊ジュニア」世代の出産が一巡してきたことも一因だ。団塊ジュニアの一部は45歳になった。この年齢を超すと出生数は急激に減る。

 16年は死亡数が出生数を上回る「自然減」も10年連続になる。戦後最も多い30万人に達する可能性がある。

 国連によると中国の出生数は1687万人、米国は393万人だ。人口は日本の半分程度のフランスも76万人にのぼる。

 政府は子育て対策に力を入れる姿勢を示すが、子どもがもっと欲しいのに経済的な理由で産めない家庭も少なくない。フランスなどは手厚い子育て支援を実施している。安定した人口バランスでの経済成長のためにも、医療や介護など高齢者重視の社会保障の予算配分の見直しが欠かせない。

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プーチンは鄧小平を見習った=領土の棚上げと経済的利益2016年12月21日

西村眞悟の時事通信

http://www.n-shingo.com/jiji/

平成28年12月21日(水)

 十六日からキーボードの前に座る機会がなかった。そこで、この間、考えたことを記しておきたい。

(プーチン来日と対ロシア交渉)
   大山鳴動して鼠一匹。
 即ち、「領土」進展なし。
 ただ、北方領土での日露共同経済活動合意(これがネズミ)。

 十六日夕刻、神田の学士会館に向かっていたが、大手町は大渋滞だった。
その理由は、ロシアのプーチン大統領の経団連訪問に伴う交通規制だった。
 その夜に見たTVの影像には、
経団連に入るプーチンに、サッと擦り寄って握手する男がいた。
ちょっと、狡いと感じた。客を迎える館(やかた)の亭主が挨拶を済ます前に、横から自ら客を迎えるが如く挨拶をするのはルール違反であろう。この男は、先日、ニューヨークでアメリカの次期大統領トランプ氏と会見してきた御仁であった。とはいえ、経団連は営利目的の企業が集う団体であるから、はしっこいのがいるのは当然で、目くじらをたてることもない。
 それはともかく、
 ロシアのプーチン大統領は、安倍総理と総理大臣公邸で共同記者会見をして、
直ちに経団連を訪れている。そして、サッと日本を離れた。
この行動に、プーチンの日本訪問目的が現れている。
 つまり彼の訪日目的は、
 領土問題を「棚に上げ」た上での経済的利得。
 このプーチンを見て、
かつて日本を訪れた中共の鄧小平の行動を思い出した。
クリミア占領による経済制裁と石油の価格低迷で、
経済的に苦しいプーチンは鄧小平を見習ったなあ、と。
 鄧小平は、初めて日本を訪問して、
尖閣諸島を「棚に上げ」て我が福田内閣をホッとさせ、
直ちに我が国の大企業を訪問した。確か、大阪では松下電器に来たのではないか。
 これが日本を訪れた鄧小平の真の目的だった。
これを切っ掛けにして、我が国と企業は、中共へ巨額の資金と技術援助を開始した。
これによって、我が国の政治は、我が国の資金と技術で、
現在の最大の脅威である中共という軍事大国を造ることになる。

 他方、安倍総理も、この度の日露の共同経済活動の合意を、
領土問題解決の大きな一歩を踏み出すことができたと評価(自画自賛)している。
 この安倍総理の対露交渉における真意を、
木村汎北海道大学名誉教授が本日(二十一日)の産経新聞の「正論」に書かれている。
「関心は領土よりも露との『共栄』か」と。
 また、産経新聞は、安倍総理の評価を裏付けるように、
「総理が日露防衛協力を急ぐ理由」
と題する記事を掲載し、それは、
中共の軍事的脅威に、日露連携して対処する為であるとした。
そして、その為に、この度の日露の領土問題を「棚に上げた」共同経済活動の合意
が必要であると位置付けている。
 そこでまた思い出した。
日本は、かつて、同じようにロシアを頼ろうとしたことがあった、と。
即ち、我が国政府は、昭和二十年初夏、ヤルタ密約を知らず、
米軍による本土爆撃が激しさを増す中で、大東亜戦争の停戦を、
日ソ不可侵条約を結んでいるソビエトのスターリンに頼って実現しようとした。
そして、そのスターリンが日本侵攻の準備中であることを知らずに、裏切られた。
いま、また同じように、
我が国政府は、ロシアに頼って中共の軍事的脅威をしのごうとしている。
二年前にクリミアを武力併合したKGBのプーチンが、そんな甘い相手か。
 そこで、言っておく。
 国家の安全を確保するために、
もちろん、諸外国との連携と協調が必要である。
しかし、それは、自ら独立自尊の力を保持する国家が為しうることであって、
その努力を放棄して他国を頼るのは、
李氏朝鮮がシナやロシアの属国に堕ちて国を失った故事を見るまでもなく、
我が国家を軍事的強大国の属国に堕落させる道である。
これが、どうして
「領土問題解決の大きな一歩」であり得ようか。
 その正反対だ。
 国家の存続を、独力で為す体勢を整えずにロシアに頼る道は、
 全ての領土を失う道であるからである。

(オスプレイ墜落事故)
 十二月十三日、夜、沖縄北部の浅瀬に、
アメリカ海兵隊のオスプレイ一機が不時着し機体が大破した。
幸い乗員五名は無事である。

 このオスプレイ不時着に対する地元沖縄の反応と、
その反応に引きずられるように同調する内閣・防衛省の対応はまことに惨めである。
地元沖縄から報道されてくる反応は、
この不時着を「反基地闘争」の格好の材料として利用するものである。
従って、内閣・防衛省は、断じてこれに同調してはならないのである。

 防衛大臣は、
まず、不時着したオスプレイの五人の乗員の無事に安堵した旨を表明し、、
次ぎに、彼らの、身の危険を承知で、
住民のいる陸地を回避して浅瀬に不時着させた判断と行動を賞賛しなければならない。
 国家は、そういう武人の道義を忘れてはならんのだ。

沖縄のアメリカ海兵隊司令官のローレンス・ニコルソン中将は、
複数機のオスプレイの洋上での通常の給油訓練中の、
機体の不良によるのではなく給油パイプ切断による事故である旨、記者会見で語り、
乗員の、市街地を避けて浅瀬に不時着した判断と行動を高く評価している。
 
 かつて、入間基地を離陸したT33ジェット練習機に搭乗していた
航空自衛隊の中川尋史空将補と門屋義広一等空佐(共に死後昇進)は、
エンジン不調で墜落するT33から脱出せず、機体を必死に人のいない河川敷までもっていき、そこに墜落させると共に殉職した。
 まるで、特攻、だった。
 この中川空将補と門屋一等空佐が賞賛に値するように、
 不時着したオスプレイの五人の搭乗員も、賞賛されるべきである。
 これは、国家として大切なことである。
 そう、ロシアのプーチンに頼って中共の軍事的脅威をしのごうとするよりも大切である。

 
 
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中国から資本が逃げる2016年12月20日

中国から資本が逃げる ドル高・人民元安の先に

2016/12/20 1:34
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 10月1日の国慶節(建国記念日)。重慶市の40代男性は家族で香港に飛び立った。妻子をホテルのプールに残し、向かった先はIFAと呼ばれる金融アドバイザーの事務所。休暇を兼ね、外貨建て保険を購入するのが目的だった。

 複数の保険を吟味し、大手AIAの保険に決めた。年3万元(50万円)相当を積み立てていく。「高利回りが見込めるため」と男性は語るが、もちろん別の狙いがある。資産の海外移転だ。保険を買う形なので、年間5万ドル(590万円)という両替制限には該当しない。銀聯カードで支払える手軽さも魅力だった。

 人民元は2016年、ドルに対し6%強も値下がりした。下落率は元切り下げがあった15年より大きい。通貨当局は海外送金などの規制を断続的に打ち出したが、思惑とは逆に市場の元安予想はかえって強まった。「ドルの現金がなく、ご希望の額すべては両替できません」。数千ドルの両替で銀行窓口にこのような対応を受ければ、だれだって不安になるのは当然だ。

 結果、中国である程度の資産を持つ層はいま、様々な手段で資金を海外に逃がそうとしている。ビットコインを使った流出も勢いを増している。トランプ氏が米大統領選に勝利した11月はドル高・元安が進む裏で、ビットコインの取引が過去最高に膨らんだ。うち9割を占めたのが中国だ。

 「1日の送金上限は200ビットコインです」。北京の大手ビットコイン取引所の担当者は事もなげに話す。足元のビットコイン価格は790ドル前後。15万ドルを超す金額をやすやすと移転できる計算だ。「ハンドキャリーは有効」「地下銀行も健在」。ネットでは流出ルートを探る記事も目につくようになった。

 12月、ドラや鐘が響く中で始まった香港と深圳の相互取引も振るわない。深圳株の取引は1日あたり20億元ほど。エアコン最大手の格力電器、東芝の白物家電買収で名をはせた美的集団が名を連ねる割には寂しい数字だ。「元安や資本流出への懸念がくすぶる中では手掛けにくい」。香港のファンドマネジャーは話す。

 場当たりな金融行政を繰り返す中国への不信感も強い。15年の株バブルの崩壊以降、当局は「国家隊」と呼ばれる政府系資金を動員して買い支えに奔走した。上海総合指数が3000を上回ったところで落ち着くと、今度は次なるバブルの抑制策に着手した。不動産への投資規制を受け、資金が改めて株式に流れ込むのを恐れているのだ。

 今は複数の保険会社がやり玉に挙がり、特定銘柄の買い占めで株価をつり上げたなどと糾弾している。相場を安定させることだけに気を取られ、自由な株価形成のもとで銘柄選別や資金調達の場を提供するとの意識は失われている。

 15日には国債先物が初めてストップ安をつけた。中国は今、資本逃避に歯止めがかからなくなっている現実を受け止める時期に差し掛かっている。

(上海支局 張勇祥)

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高齢者医療、チェックなき膨張2016年12月19日

高齢者医療、チェックなき膨張
2030年 不都合な未来(1)

2016/12/19 2:00
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 暮らしや老後を守る社会保障が日本経済を揺るがそうとしている。止めどない高齢化で医療や介護、年金にかかるお金が膨張。財政も刻一刻と危うさを増す。団塊の世代が80代を迎える2030年はどのような社会になるのか。経験したことのない選択を迫られることだけは間違いない。

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 その男性は西日本の病院で最期を迎えた。享年80。12年に受けた弁膜症の術後の経過が悪く、感染症を繰り返した。透析や胃ろうの処置などあらゆる医療行為を受けた。

■医療費、計7400万円

 レセプト(診療報酬明細書)には70以上の病名が並ぶ。「本人も知らなかっただろう」と関係者は話す。3年半の医療費は約7400万円。男性の自己負担は約190万円。残りの大半は税金と現役世代の支援金だ。

 高齢者医療費が歯止めを失いつつある。社会保障給付費は30年に今より約50兆円増えて170兆円程度に達する可能性がある。影響が大きいのが医療費。とりわけ75歳以上の後期高齢者医療費は約1.5倍の21兆円に達する公算が大きいことが全国調査をもとにした分析で分かった。

 取材班は全国約1740市区町村の後期高齢者の1人当たり医療費を調べた。厚生労働省は都道府県単位の数値を集計しているが、市区町村の全容は初めて判明した。

 1人につき年100万円以上の医療費を使っている市区町村は14年度分で347に及ぶ。30年の人口推計などから試算すると、全体の後期高齢者医療費は現在の約14兆円から大きく膨れ上がる。

 最多と最少の自治体格差は14年度時点で2.6倍。東京都台東区など都市部の自治体も上位に入った。大きな医療費格差はなぜ生じるのか。

 1人当たり医療費が133万4453円と全国最多の福岡県宇美町。高齢者らが長期入院する療養病床は人口対比で全国平均の3倍超。在宅療養を支援する診療所は乏しく医療費がかさむ入院に頼りがちだ。

 息子夫婦と暮らし、通所介護を利用する80代女性は約1年前、軽い胃の不調を訴え、町内の病院を受診した。「検査に時間がかかるので療養病床に入れる」。病院からこう聞いた担当のケアマネジャーは1カ月後に確認したが「退院したら連絡する」と告げられ、検査入院が長期化。ケアマネによると、女性は現在も入院したままだという。

 高齢者医療制度はチェック機能を担う広域連合が市町村の合議体で、責任の所在が曖昧という問題を抱える。保険者としての機能不全は覆い隠せない。その裏側で高齢者医療費の4割を支える現役世代の負荷が高まる。

 「手取りが……」。オムロングループの30代女性は10月の給与明細に目を疑った。1年前より1万円ほど減っていた。30万円台前半の基本給は7000円ほど上がったが、健康保険料が3600円、厚生年金保険料が7800円増えた。会社の方針で残業手当が減ったことも誤算だった。

■賃上げむなしく

 「今の制度はもたない」。創業100年超の化学メーカー、第一工業製薬の赤瀬宜伸常務(57)は断言する。同社は単一の健康保険組合を維持するのは困難と判断し、自主的に解散した。05年度に6.6%だった保険料率は9.5%に上昇。人間ドック補助の削減などを重ねたが万策尽きた。

 07年度に1518あった健保組合は100以上が消え、経団連によると13、14年度の賃上げ効果の46%分は社会保険料として吸い上げられた。

 たとえ高齢者医療の綻びを繕えても、それだけで光明が差すわけではない。学習院大学の鈴木亘教授の試算では、年金や医療、介護にかかわる債務は30年時点で今より350兆円増えて2000兆円規模に達する。

 支えを求める高齢者が増え続け、細る現役がその負担を迫られる。制度を根本から作り替えないまま、不都合な未来はもう目の前に来ている。

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「トランプ円安」の意外な正体2016年12月19日

「トランプ円安」の意外な正体、進む需給構造の大転換
経済部次長 小栗太

2016/12/19 5:30
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 外国為替市場に「トランプ円安」という名の妖怪が現れている。11月の米大統領選前、ほとんどの市場関係者は「もしトランプ氏が勝てば、リスク回避の激しい円高・ドル安がやってくる」と断言した。だが実際に起こったのは正反対の急激な円安・ドル高。しかもその勢いにいまだ陰りは見られない。

 トランプ円安とは何なのか。その正体を探ると、トランプ氏がぶち上げた「積極財政」という不明瞭な言葉の裏で、為替相場の需給構造の大転換が起きている事実に突き当たる。

 「トランプ円安は過大な楽観論と言うが、夏場の円高局面こそ過大な悲観論だったのではないか」。こう指摘するのは野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストだ。根拠は彼が円相場の売買からヘッジファンドなどの投機分を除いて需給要因のみで算出した推計値だ。14日の米国の利上げ後に試算した最新の水準は1ドル=115円50銭。妖怪の仮面をはがした需給面だけを見ても、現行の円安水準の正当性が裏付けられる。

 ちょうど1年前。今回と同じく米利上げが実施された。その後の円相場はご存じの通り。利上げという材料が出尽くした後はヘッジファンドが主導する利益確定の円買いが噴出し、大幅な円高局面へと突き進んだ。だが今回は違う。需給大転換のシグナルがあちこちで点灯しているからだ。

 為替相場に影響する需給要因は大きく分けて2つある。投資家行動を映す証券投資と企業行動を映す貿易・サービス収支だ。

 まず証券投資に起きている変化から。トランプ氏の勝利で円安に弾みがついた11月半ば以降、大手生命保険会社の一角が大規模な円売り取引に動いている。これまで先物の円買いで為替リスクを避けてきた保有外債の1割程度について円を売り戻し、積極的に為替リスクを取っているもようだ。

 今年に入って国内投資家の外債投資は急拡大している。10月時点で中長期債の買越額は27兆6000億円余りと、この20年で最大。もし他の生保も同様に円を売り戻しているとすれば、数兆円規模の円売りが一気に噴き出してもおかしくない。

 トランプ氏の積極財政をはやしたヘッジファンドによる為替差益狙いの円売りだけでなく、長期運用が基本の国内機関投資家も大規模な円売りに動いているわけだ。米大統領選以降の1カ月余りで15円強の激しい円安が進んだが、それでも目立った円の買い戻しが出ないのは長期マネーが支えているからだろう。

 もう一方の貿易・サービス収支にも変化の兆しが見える。やや長い期間で収支の動向をみると、2011年春の東日本大震災によるサプライチェーン(部品供給網)の断絶を受け、アベノミクス前の12年ごろから赤字傾向が鮮明になったことが分かる。これがアベノミクス円安の裏で起きた需給構造の転換だ。その後、急激な原油安の影響で16年は一転して収支が黒字に変わる。これが16年に起きた激しい円高局面の背景にある。

 そして今、収支は再び赤字方向に転換しようとしている。きっかけは11~12月に実現した産油国による歴史的な原油減産の合意だ。これまで原油価格は大幅な輸入の減少要因だった。だが原油先物相場が1バレル50ドルの節目を回復したことで、今後は輸入の増加要因として収支に効いてくる。

 市場を幻惑したトランプ円安という奇妙な現象。だが円相場の中長期的な決定要因である需給構造を丹念にたどれば、偶然ではない必然の円安が見えてくる。そこに妖怪はいない。

(経済部次長 小栗太)

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日銀、長期金利抑制に動く2016年12月15日

日銀、長期金利抑制に動く
国債購入を増額、異例のオペ予告 市場と攻防本格化 

 米大統領選でのトランプ氏勝利後の長期金利上昇を抑えようと、日銀がけん制を始めた。14日には9月の金融緩和の新たな枠組みの柱である長短金利操作政策の導入以降、初めて国債購入額を増額。16日にも国債買い取りを実施するという異例の「オペ予告」にも踏み切った。世界的に金利の上昇圧力が強まるなか、市場との攻防が本格化している。

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 日銀は14日の国債買い入れオペ(公開市場操作)で、残存期間10年超の超長期国債の買い入れ額を、従来の合計3000億円から3200億円に増やした。日銀は「最近の超長期国債の急激な金利上昇やさらなる金利変動懸念を勘案した」(金融市場局)とする。

 実際、最近の超長期債利回りの上昇(価格は低下)は急だった。債券市場で20年債利回りは前日まで1週間で0.140%も上昇、10カ月ぶりの高水準に達していた。金利上昇は日銀が「ゼロ%程度」を目標にしている長期金利にも波及、13日には一時0.080%まで上昇していた。

 米国発の金利上昇がどこまで進むか見通しにくく、市場参加者が国債購入を手控えていることが金利上昇を促している。「金利上昇(価格下落)のスピードが急で手を出せない」(地方銀行)。超長期の取引量が減り、金利上昇が加速する懸念も生じていた。

 日銀の増額はひとまず効果を発揮。14日午前の日銀の増額公表後、「押し目買いを入れやすくなった」(大手生保)ことで20年債、30年債、40年債の利回りはそろって低下した。長期金利は前日比0.025%低い0.050%まで、20年債利回りは0.045%低い0.595%まで低下。東海東京証券の佐野一彦氏は「当面は20年債利回りで0.650%が上限と意識される」とみる。

 日銀はさらに追い打ちをかけた。増額と別に、16日に国債買い入れを実施することも予告。事前通告は2013年4月以来の異例の措置だ。海外市場での金利変動の可能性や15日に予定する20年債入札を踏まえ、市場の不安感を少しでも和らげる狙いがあるとみられる。

 ただ、トランプ財政についての思惑や欧州中央銀行(ECB)の緩和縮小政策などを背景に、世界的な金利上昇圧力は今後も継続する可能性が高い。米連邦公開市場委員会(FOMC)後に市場で来年の利上げが加速するとの思惑が広がれば、金利上昇圧力が再び日本国債に波及しかねない。そうなれば固定価格で無制限に国債を買い取る「指し値オペ」を実施する可能性もある。

 日銀は物価2%目標の達成に向け、9月に長期金利(10年物国債利回り)をゼロ%程度に操作する金融緩和の新枠組みを導入。政策の軸足を資金供給量の拡大から金利の操作に移した。日銀は当初、金利の下がりすぎを警戒していたが、足元では金利上昇をいかに抑えるかに腐心し始めている。金融緩和を巡る局面変化が鮮明になってきた。

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米FRB、1年ぶり利上げ0.25%2016年12月15日

米FRB、1年ぶり利上げ0.25% 全会一致
17年は3回見込む

2016/12/15 4:03  

 【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、1年ぶりの利上げを全会一致で決めた。利上げ幅は0.25%。同時に公表した政策金利見通しでは、2017年中に3回の利上げを中心シナリオとし、引き締めペースの加速を見込んだ。FRBは08年の金融危機後に続いた超低金利からの脱却を目指しており、世界のマネーを再び揺り動かしそうだ。

 短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年0.25~0.50%から0.50~0.75%に引き上げた。新たな政策金利は15日から適用する。利上げはイエレン議長ら投票メンバー10人の全員一致で決めた。

 FOMC後に公表した声明文では「労働環境と物価上昇率の実績と見通しに鑑みて、政策金利を引き上げると決断した」と強調した。米経済成長率は7~9月期に2年ぶりの高さとなり、失業率も11月には9年ぶりの水準まで改善。物価上昇率も1.7%と目標の2%に近づいている。トランプ次期政権が巨額減税などの財政拡張策を掲げ、株価や金利が上昇したことも利上げを後押しする材料となった。

 今回の会合で政策金利を0.25%引き上げたのは、金融市場の事前の予測通りだ。市場が注視するのは今後の利上げペースだが、FOMCメンバー17人の利上げ見通し(中央値)は、17年に3回、18年に3回となり、引き締めが加速すると見込んだ。前回公表した9月時点の見通しは17年に2回、18年は3回だった。

 市場はトランプ次期政権の財政拡張策でインフレ圧力が強まるとみており、来年の利上げペースが加速するとの見方があった。米国市場では長期金利が2年2カ月ぶりの水準まで上昇し、ドルも通貨指数が14年ぶりの高値圏にある。FRBが市場の見方に追随して利上げペースの加速を見込んだことで、金利上昇とドル高に拍車がかかる可能性もある。

 基軸通貨ドルを抱えるFRBの利上げは世界のマネーの流れにも影響する。金利上昇で利回りが見込めるドルに資金が回帰し、日本は円売りが進みやすい地合いとなる。一方で緩和マネーが集中していた新興国は、資本流出や通貨安のリスクに見舞われる。

 FRBは昨年12月に9年半ぶりの利上げに踏み切り、08年末から続いたゼロ金利政策を解除した。ただ、その直後の1月には世界同時株安に見舞われ、1年にわたって追加利上げを凍結することになった。

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市場惑わすトランプ・共和「連立政権」2016年12月14日

市場惑わすトランプ・共和「連立政権」
米州総局 山下晃

日経web

2016/12/13 7:31
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  週明け月曜の朝。トランプ次期米大統領のツイッターが航空機ロッキード・マーチン株を揺らした。「(戦闘機の)F35のコストは制御不能だ」。ステルス攻撃のように突如降りかかったつぶやきで、F35を納入しているロッキード株は取引開始直後から売りが殺到。トランプ氏は「(大統領に就く2017年)1月20日以降は数十億ドルを軍事調達費を節約できるし、そうする」と続け、株価は一時5%安に沈んだ。

 大統領選前。米証券会社の資料に、ロッキード社は軍需拡大を掲げるトランプ氏が当選した場合に有望な「トランプ銘柄」と推奨されていた。こうした事前の読みは次々と外れている。

 「どういうことだ」。米ヘッジファンドが慌てたのは先週の米誌タイムのインタビューでトランプ氏が薬価引き下げに言及したことだ。「薬価は引き下げていく」「今の薬価の状況を好まない」

 共和党政権下では一般に薬価が上昇しやすく民主党政権下では抑制的だった。医薬業界の株価も共和党政権下では相対的に強く推移しがちだ。

 民主党候補だったヒラリー・クリントン氏は選挙期間中に度々薬価引き下げに言及し、バイオ医薬株は「ヒラリー・ショック」を被ってきた。トランプ氏の勝利以降に、こうした不安から解き放たれた医薬株が軒並み上昇してきた経緯がある。

 軍需株も薬品株もいわゆる「共和党銘柄」だ。しかし米調査会社ファンドストラットの政策担当、トム・ブラット氏は「共和党がトランプ氏に抱える問題の一つは彼があまりに民主党寄りだということ」と分析する。

 トランプ氏はオバマ大統領と会談後に医療保険制度改革法(オバマケア)の内容の一部を引き継ぐことも検討すると話した。共和党が抜本的見直しを求める高齢者向けの公的保険制度の維持にも前向きだ。

 大統領選後に米市場で強まるインフレ期待には「医療費の上昇も織り込まれている」(米エコノミスト)。医療政策は金利見通しも揺さぶる。

 共和党と旗色が異なるのはトランプ氏自身だけではない。ムニューチン次期財務長官は「富裕層には実質的に減税にならない」と税制の見通しを語った。共和党主流派の主張とは距離がある。

 国家経済会議委員長を引き受けるゴールドマン・サックスのナンバー2、ゲーリー・コーン氏も米政治サイトのポリティコによると民主党員だ。市場は新政権を「トランプ党と共和党の連立政権」と読み解くべきだろう。

 大統領選当日の11月8日深夜にトランプ氏の優勢が伝わり、暴落していたダウ平均先物が底を打ったのは「共和党が両議会を抑える」と伝わりだしたころからだった。大統領選で共和党候補が勝利したにも関わらず、単純に「ねじれ解消」という手放しで喜べる構図でもなさそうだ。

 12日は小動きに終わったダウ平均は初の2万ドル台をうかがう。「噂(期待)で買って事実で売る」。割高感が意識されだした米国株式市場では相場格言に習い「就任式前後には一端調整する」(米運用会社)との声が増えている。

(ニューヨーク=山下晃)

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リフレ派はなぜ終了したのか2016年12月14日

リフレ派はなぜ終了したのか

2016年12月13日 11:16 
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  • 池田 信夫

Czdif9-VEAAtZR9文藝春秋1月号の浜田宏一「『アベノミクス』私は考え直した」というリフレ派からの「転向宣言」が話題を呼んでいる。朝日新聞も「アベノミクスよ、どこへ 理論的支柱の『教祖』が変節」とからかっている。リフレ派の教祖が、その終了を認めたわけだ。

これは奇妙な現象にみえるかもしれないが、今年のFRBのジャクソンホール会議で発表されたシムズの論文は、それほど衝撃的だった。これはインフレは貨幣的な現象ではないという事実を証明したからだ。

その論理は単純である。たとえば日本でマネタリーベースを2倍以上にしても物価が上がらないのは、政府が財政健全化のために単年度の財政赤字を縮小しているからだ。財政赤字は経済全体の超過需要なので、それが大きくなると需給ギャップが拡大して物価が上がる。

しかし日本のように大きな政府債務を抱えていると、政府は「財政赤字を減らす」といわざるをえない。人々は財政赤字が減って需給ギャップが縮小すると予想するので、物価は上がらず、財政デフレが起こる。これが世界的に低金利とデフレが続く原因だ。

だから物価を上げるには、この逆をやればいい。政府が「財政健全化はやめた」と宣言して、大幅な減税をするのだ。たとえば消費税を5%に下げると財政赤字が拡大して、大幅な超過需要が起こるので、インフレが起こる――というのがシムズのFTPL(物価水準の財政理論)である。

これは数学的にはトートロジーだが、問題はその仮定が現実に当てはまるかということだ。FTPLはリカードの中立命題の一般化なので、長期的には均衡財政が実現する(ネズミ講の非存在)という条件が必要だ。それが自分と子孫の世代で実現すると予想すると財政政策は無効だが、将来世代に先送りできると財政政策は有効になる。

だから「中立命題は成り立たないがFTPLは成り立つ」という浜田氏の話は矛盾している。FTPLも長期的には均衡財政を仮定しているので、彼のいうネズミ講を永遠に続けることはできない。問題は、ネズミ講がいつまで続けられるかだ。

その答も単純だ。投資家が続けられると予想する限り続けられる。その上限は国家の支払い能力だが、これは将来の徴税能力だから、日本政府が消費税率を30%以上に上げることができると多くの人が信じていれば、財政赤字で金利は上がらず、インフレも起こらない。

しかし将来の徴税能力というのは主観的な予想だ。「果てしなく増税を先送りする自民党政権が消費税率を30%まで上げることはできない」と予想する投資家が増えると、国債が売られて金利が上がり、財政インフレが起こる。普通のインフレは金利を上げると収まるが、金利が上がると財政赤字は増えるので、財政インフレは金利を上げると加速する

日本でインフレにするには、消費税率を下げて財政赤字を増やすしかないとシムズは提言しているが、これはインフレで借金を踏み倒す実質債務のデフォルトである。2%程度のインフレでは財政や社会保障の危機は解決できないので、やるなら5%ぐらいのインフレを10年以上続ける必要がある。

しかしそれが5%で止まる保証はない。インフレで資本の海外逃避が起こると金利が上がり、インフレ・スパイラルに入るおそれが強い。財政インフレがコントロールできるかどうかはわからないが、それが残された唯一の選択肢かもしれない。少なくとも将来世代に莫大な政府債務を残すより社会的には公正だ。

いずれにせよ、リフレもアベノミクスも終わった。金利上昇が遠くない将来に起こることは確実だが、これは日銀だけではコントロールできない。インフレは財政的な現象だという前提で、マクロ経済政策を考え直す必要がある。

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減産合意の影でちらつく石油時代の終わり2016年12月12日

編集委員 松尾博文

2016/12/12 2:00
日本経済新聞 電子版

 石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりとなる減産で合意した。エネルギー関係者が安堵したのは、長引く原油安への対応で産油国が足並みをそろえたことだけではない。OPECの盟主であるサウジアラビアが石油政策を根本的に変えたのではないかとの懸念を、とりあえず打ち消したからだ。

 サウジの石油相を20年以上にわたって務めたアハメド・ザキ・ヤマニ氏が残した警句がある。

 
元サウジアラビア石油相のヤマニ氏は「石器時代は石がなくなったから終わったのではない」という警句を残した

元サウジアラビア石油相のヤマニ氏は「石器時代は石がなくなったから終わったのではない」という警句を残した

 「石器時代は石がなくなったから終わったのではない。(青銅器や鉄器など)石に代わる新しい技術が生まれたから終わった。石油も同じだ――」

 ヤマニ氏は1973年の第1次石油危機の引き金となった産油国の石油戦略を主導し、OPECの名を一躍、高めた。しかし、サウジはその後、一転して需給に応じて生産量を調整する市場の調整役を担うようになる。

 行き過ぎた原油高は代替エネルギーの開発を促し、石油離れを加速する。石油を使い続けてもらうには消費国も納得する価格水準でなければならない。

 石油の世紀を長引かせ、自国に眠る石油が生む利益を最大化する。これがサウジの基本戦略になった。「ヤマニの警句」は逸脱への戒めとなってきた。

■5~15年で需要はピーク?

 ところが、2014年11月、原油価格の下落局面でOPEC総会は減産を見送り、サウジが調整役を放棄したとみた相場は下げ足を速めた。産油国は歯止めのきかない増産競争に突入した。

 原油価格の維持から市場シェアの重視へ。エネルギー関係者の間では、サウジに転換を迫ったのは米国でのシェールオイルの生産増大との見方が一般的だ。

 だが、シェールオイルの向こうに、石油大国サウジを脅かす別の影が見え隠れする。極端な原油高でなくても、石油の消費は遠からず頂点(ピーク)を迎えるとの見方だ。生産可能な石油の資源量には限界があるとする、かつての「ピークオイル」論ではない。石油の利用自体が頭打ちになる「需要のピーク」論だ。

 「需要ピークは5年から15年の間にやってくるかもしれない」。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルのサイモン・ヘンリー最高財務責任者(CFO)は先月、こう語った。一部の研究者だけでなく、メジャー(国際石油資本)の一角が需要ピークを言及したことに驚きが広がった。

 10月にイスタンブールで開いた「世界エネルギー会議」はエネルギー需要がピークを迎える結果、石炭や石油は存在しても開発されない「放置された資源」になる可能性があるとの文書を発表した。

 背景にあるのは地球温暖化対策の道筋を定めた「パリ協定」の発効や、電気自動車の普及など、イノベーションの進展や省エネルギーへの期待だ。

 石油は中長期的にエネルギーの主軸を占めるとの考え方はまだ、主流だ。国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は「トラック輸送、航空燃料、石油化学の分野では石油が欠かせない。石油の時代が終わるというのは早い」と言う。

 需要ピークが早期に到来するのかどうかを見極めるにはもう少し時間が必要だ。ただし、現実になった時、「放置された資源」を最も抱え込むのはサウジだ。

■長引く原油安、構造的対応迫る

 
原油の協調減産について記者会見するOPECのサダ議長(左)とバーキンド事務局長(11月30日、ウィーン)=共同

原油の協調減産について記者会見するOPECのサダ議長(左)とバーキンド事務局長(11月30日、ウィーン)=共同

 ロシアやサウジなど、主要産油国が4月にカタールの首都ドーハで開いた会合は増産凍結で合意するとみられていたが、土壇場で破談になった。イランが凍結に加わらない合意をサウジの実力者であるムハンマド副皇太子が拒否したためとされる。

 エネルギーアナリストの岩瀬昇氏はこのニュースに接した時、「サウジの石油政策の根本的変更」を危惧したという。「長期にわたりエネルギー供給の中心に石油を位置付ける」政策から、「地下に眠る石油をいっときも早く市場に放出し、現金に変える政策を取るのか」と心配した。

 サウジでは表面的にはヤマニ氏に代表されるテクノクラートが石油政策を仕切り、実際の決定権を持つ王族が表に出ることはなかった。ドーハ会合ではムハンマド副皇太子の姿が見えたことに政策変更の可能性を感じたのだ。

 11月末のOPEC総会でサウジは減産合意を主導した。イランに歩み寄り、非OPECの代表格であるロシアとも調整を続けた。

 サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は「市場均衡へ動きは加速するだろう。良い日になった」と述べた。市場の安定へ期待を示す言葉からは、かつてのサウジに戻ったように見える。

 本当にそうだろうか。長引く原油安は産油国や石油会社に構造的な対応を迫っている。サウジのムハンマド副皇太子は「20年までに石油依存から脱却する」と語り、非石油部門の育成など、大胆な社会・経済改革に踏み出した。

 メジャーは天然ガスへのシフトや再生可能エネルギーの拡大など事業領域の見直しを急ぐ。原油安の向こうに「ヤマニの警句」の現実味をかぎとっているのかもしれない。

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