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悪辣な役所2016年4月5日

ある人の記録から

Iさんの事例を具体的に言うと、Iさん名義の固定資産税の滞納があり、一度で支払ませんでした。数年前に少しずつ返済に来ていたIさんに市役所担当者が強硬に返済を迫った際、Iさんが「一度で払えないから、払えないと言っているんだ。こちらが無理な返済を迫ってどうするんだ!」と声を荒げると、退席させられました。

その後、Iさんは出入禁止。代わりに奥さんが返済のために市役所にやってくるようになりました。その時、返済後、債務残高承認書(と思われます)に奥さんの署名捺印を迫られました。
奥さんは、「私は本人ではないので署名捺印するのはできない」と拒否すると、市役所担当者は、「署名捺印しないと返さない」と言い、強要しました。本人曰く、大変怖かったそうです。
・・・・引用、ここまで

どうも上記を読むと、債務承認では無く、債務引き受けをさせられたのではないかということだ。

債務承認は、本人しか出来ないので、IさんでなくIさんの奥さんが署名捺印しても、債務承認の効果はない。そんな無駄なことを役所がやらせる理由がない。
もしそうなら、悪質悪辣な行為だろう。
法の無知を利用し、お上を信頼する善良な心につけ込んでいる。
そういう意味では、街金、商工ファンド以上だ。
詐欺罪、脅迫罪で告訴告発されるべきではあるが、そんな罪では警察検察は鼻も引っかけない。

もし本当にこんな事例があるなら、マスコミ発表はもちろん、弁護士会を通して厳重に抗議し、債務引き受けは強迫により取り消す、と役所に通告し、これお認めさせることだろう。たぶん、こんなことをしても、役所は強迫したことを認めず、Iさんの奥さんに粛々と債権執行をするだろう。
 ああ、天道、是か非か

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(真相深層)「タワマン節税」はや下火? マンション契約率、7年半ぶり低水準 相続税軽減、当局が対抗策2016年3月31日

2016/3/30付
日本経済新聞 朝刊
 相続税の負担を減らす目的で高層のタワーマンションを買うタワマン節税。2015年1月の相続増税を機に需要がかさあげされ「相続税バブル」と評されたが最近は下火になりつつある。首都圏の今年1月のマンション契約率は7年半ぶりの50%台に沈んだ。国税庁と総務省の二段構えの節税策封じがきっかけだ。
高層階の評価額は平均で実勢価格の3分の1どまり(大阪市内のマンション群)

 「新規のタワーマンション購入は去年より減った。国の規制強化を心配したお客からたくさん電話がかかってくる」。東京の都心部でマンション売買を仲介する営業マンは浮かない顔だ。

 不動産経済研究所(東京・新宿)によると、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で1月に売り出された新築マンションの契約率は58.6%と前年同月より16.3ポイント下がり、市況の好不調の境目とされる70%を2カ月続けて割り込んだ。

 契約率を押し下げたのは20階以上のタワーマンションの低迷だ。1月の契約率は32.0%となり過去10年で最低を記録した。2月以降は持ち直し傾向だが、タワマンの契約率が90%を超していた昨年夏ごろとは様変わり。価格高騰に加え「節税に使いにくくなったことが影響した」(不動産業界関係者)。

実勢価格と乖離

 タワマン節税のしくみはこうだ。相続税の計算では、1戸あたりの土地の持ち分が小さいマンションは実勢価格より大幅に安く評価される。特に眺望の良い高層階は実勢価格が高いにもかかわらず低層階と同じ基準で評価されるため節税効果が大きい。現金のまま相続するよりも税負担は格段に軽くなる。

 「タワーマンション節税」という言葉は不動産仲介を手がけるスタイルアクト(東京・中央)の登録商標だ。沖有人同社社長が14年に出したタワマン節税の指南書は昨年1月からの相続税の非課税枠縮小や最高税率の引き上げでヒット作になった。富裕層向けの節税セミナーには昨年1年間で約2000人が詰めかけた。

 だが、沖氏でさえ最近はタワマン節税のセミナーで受講者を集めにくくなった。3月に東京・丸の内で開いたセミナーでは、空き地を高く売る方法など幅広い話題に触れる形にした。関西でも状況は同じ。大阪市内の不動産仲介会社の男性は「『相続税対策になる』とのうたい文句は控えるようにした」と言う。

 市場を揺さぶる当局の税制の変化。発端は14年秋に国税庁がひそかに実施した調査だ。全国の20階以上の住戸343物件を調べたところ、評価額は平均で実勢価格のわずか3分の1。「行きすぎだ。看過できない」。分析にあたった松山清人資産評価企画官は昨年秋、全国各局の担当者を集めた。実勢価格と評価額が乖離(かいり)しているケースや取得、相続、売却の時期が不自然に近い場合は追徴課税するよう指示した。

 昨年11月には総務省の関係団体が開いた固定資産税の制度改正を議論する有識者検討会で、委員の大学教授が提案した。「タワーマンションは階数で補正をかける方法もあるのではないか」

明確な基準なく

 相続税の算定基準となる「評価額」は総務省令で定めている。現在はマンション1棟の評価額を各戸の所有者がそれぞれの床面積で均等に分割するため、階層や日当たりの条件によって差がつかず一律だ。同省はこれを高層階ほど評価額が上がるように見直す検討に入った。早ければ18年にも実施される見通しだ。

 ただ、国税庁の指示は追徴課税するかの基準が曖昧で、総務省の制度改正も詳細が決まっていない。税制改正への警戒感が先行している段階だ。

 スタイルアクトの沖氏は「ルールが多少変わっても節税になることに変わりはない」と指摘する。「早く明確にしてくれたほうがお客に売り込みやすくなる」と語る不動産大手の幹部もいる。

 15年1月からの相続増税は、タワマン節税などの新手の節税策を生み出してきた。タワマン節税封じに納税者はどう動くか。攻防はヤマ場にさしかかった。

(江渕智弘)

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[FT]秘密主義を捨てたスイスの銀行口座2016年3月31日

2016/3/30 6:30
日本経済新聞 電子版
 
Financial Times

 以下に挙げる政治スキャンダルを結びつけるものは何か。ブラジルのペトロブラス事件、マレーシアの1MDBスキャンダル、国際サッカー連盟(FIFA)の分裂、フランス閣僚の訴追、スペインの政党資金をめぐる論争――。答えは、スイスの銀行口座だ。

 顧客は以前「チューリヒの子鬼たち」(注:スイスの銀行家の比喩)の口が伝説的に固いことを当てにできた。だが、スイスの銀行口座はもう、多くの顧客がかつて思っていたほど秘密ではない。最近では、別の国の検察当局者が汚職捜査に関連してスイスに協力を求めたら、得られるだろう。その結果、スイスにお金を隠したかもしれない有力者たちは次第に、捜査対象になりやすくなっている。

ブラジルのペトロブラス事件に抗議するデモ行進。囚人と泥棒の服を着せたルラ元大統領とルセフ大統領を模した人形を掲げている(13日、サンパウロ)=AP

 スイスの銀行文化における最大の変化は、米国人の脱税をほう助した罪で米国が2009年にスイスの大手銀行UBSに巨額の罰金を科したことを受けて起きた。その後、米国がさらにスイスの銀行数行を訴追する一方で、米国の税法が厳格化された。欧州連合(EU)もスイスに対する圧力を強め始めた。

■世界中でスキャンダル噴出

 部分的にはその結果として、スイスは銀行秘密保護の伝統的な文化から抜け出す断固たる対策を講じた。その影響が世界中で出始めている。

 先月パリで税金詐欺の裁判が始まった元フランス予算担当相、ジェローム・カユザック氏の事件がそのパターンを浮き彫りにしている。皮肉なことに、カユザック氏はフランソワ・オランド大統領から脱税撲滅の取り組みを率いるよう要請されていた。だが、12年後半、フランスのメディアでカユザック氏自身がスイスに秘密口座を持っていると非難された。カユザック氏は何カ月もその嫌疑を激しく否定し続けたが、13年に突如辞任した。辞任の引き金は、スイスがフランスの検察当局と協力しているという報道だったようだ。

 カユザック事件は、過去の行動がスイスの銀行顧客に悪い結果をもたらす可能性があることを示している。スイスの口座が明るみに出る数年前に、同氏は口座を解約し、資金をシンガポールに移していた。だが、銀行は記録を残すため、口座を解約しても、必ずしも事件を打ち切ることにはならないのだ。

 

 カユザック氏はただの一個人だが、ブラジルでは政財界のエリートの多くがスイスから出てくる事実に脅かされている。国営石油会社ペトロブラスをめぐる贈収賄スキャンダルでは不法な支払いが露見しており、その情報の多くはスイスの検察当局から来ている。

裁判所に向かうフランスのカユザック元予算担当相=中央(2月8日、パリ)=ロイター

 スイスは先月、ブラジル人ビジネスマンで建設大手オデブレヒト元幹部のフェルナンド・ミグリアシオ・ダシルバ氏を逮捕した。同氏がジュネーブで銀行口座を解約しようとしたときのことだ。ダシルバ氏はスイスの銀行口座を経由してペトロブラスの取締役数人に賄賂を贈ったことを疑われていた。

 元オデブレヒト最高経営責任者(CEO)で大富豪のマルセロ・オデブレヒト氏は、ペトロブラスのスキャンダルで担った役割のために禁錮19年の実刑判決を言い渡されたばかりだ。

 スイスとの関係から足が付いた著名なブラジル人はほかにもいる。ジルマ・ルセフ大統領の選挙対策本部長を務めたジョアン・サンタナ氏は、スイスの銀行口座に違法に資金を預けた容疑で逮捕された。ブラジル下院議長のエドゥアルド・クニャ氏は、ペトロブラスがらみの巨額の賄賂をスイスに隠したとして訴追されている。

 ペトロブラスの一件は、潜在的な汚職を暴くうえで、スイス当局が主導権を握る用意があることを示している。また、スイスの当局者らはマレーシアの政界を揺るがす汚職捜査を継続させるうえでも重要な役割を果たした。

 マレーシアのナジブ・ラザク首相は常に、スイスの銀行を介して首相個人の銀行口座に流れ込んだ6億8100万ドルの支払いが、1MDBとして知られる国営の開発基金と関係しているとの嫌疑を一切否定してきた。マレーシア当局はナジブ氏の行為に違法性はなかったとの判断を下しており、1MDBも不正行為を否定している。

  だが、1月下旬、スイスが1MDBに対する独自捜査で40億ドルがマレーシアの政府系企業から出た資金であることを示す「重大な兆候」が明らかになったと発表すると、マレーシアの汚職事件は再び動き始めた。

 すでに米国の検察当局に脅かされているFIFAは、スイスのマネーロンダリング(資金洗浄)捜査についても憂慮しなければならない。スイスは、18年と22年のワールドカップの招致プロセスと関係している可能性のある取引を調べている。

 スイスの銀行と関係した捜査は、スペインとギリシャの政治にも大きな影響を及ぼした。スペインのマリアノ・ラホイ首相が昨年12月の選挙で議会の過半数を押さえられなかった理由の一つは、スキャンダルの余波だった。13年に、ラホイ氏率いる国民党の元会計責任者、ルイス・バルセナス氏がスイスの銀行口座に数百万ユーロをため込んだことが明らかになったのだ。同氏はこの資金をスペイン国内での不法な支払いのために使ったとされている。

 一方、ギリシャの金融危機は、同国のエリートにまん延する脱税にスポットライトを当てた。HSBCのジュネーブ支店に口座を持つ2000人以上のギリシャ人のリストは、「ラガルドリスト」として知られるようになった。フランス財務相だった10年にギリシャ当局にリストを渡したクリスティーヌ・ラガルド氏にちなんだ呼び名だ。

 ラガルドリストは、不満を抱く従業員に盗まれた。もう少し最近はスイス発の新たな事実が、公式ルートを通じて露見するようになっている。スイスは18年に、世界中の税務当局と自動的に情報を交換する体制に移行する。今後さらにスキャンダルが勃発する可能性が多分にある。

 By Gideon Rachman
 (2016年3月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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選択肢としての原子力  編集委員 後藤康浩2016年3月28日

2016/3/27 6:30
日本経済新聞 電子版
 
 大津地裁は3月9日、関西電力の高浜原子力発電所3、4号機の運転差し止め仮処分を認める決定を出し、高浜原発は翌日、運転を停止しました。昨年4月に福井地裁が運転差し止めの仮処分を出し、12月には同じ福井地裁が仮処分を取り消して、今年1月に再稼働。そして今回の停止とまるで猫の目のように原発をめぐる判断が揺れています。日本では原発に関して、反対派、賛成派はまったく折り合いがつかない対立に陥っています。言うまでもなく、原子力は人類に共通の課題です。その是非が地裁の仮処分、取り消しという局所的な応酬にとどまっていることは健全な姿ではないでしょう。

■安全性を高めるため日本の関与が不可欠

 原子力にはより高い視点、長い期間に立った視野が必要になっています。日本は原発が再稼働しなくても、高い電気料金に耐えれば、当面は何とかなることはわかってきました。ですが、今、世界をみれば日本と違って、原発を必要としている国は多数あります。風力や太陽光など再生可能エネルギーや液化天然ガス(LNG)発電は高価すぎて経済的に無理な国、人口が多く原発のような大規模な発電設備でなければ供給が追いつかない国、石炭火力発電所をつくりすぎて大気汚染が深刻化し、「脱石炭」を進めなければならない国などです。

 中国やインド、トルコ、東欧、中東など原発を急ピッチで建設している国や計画中の国は多数あります。そうした国の国民の多くは東京電力福島第1原発事故のことを知っていますし、高浜原発再稼働差し止めのニュースまで伝わっているかもしれません。それでも原発は必要と認識され、建設されています。「だから日本でも原発再稼働や新設を!」という乱暴な議論には賛成できません。

 重要なのは、世界で建設される原発を安全にするには日本の原子力への関与が不可欠という点です。日本の原子炉メーカー、関連設備・機器メーカー、建設会社は高い技術と豊富な経験があるからです。多くの国の国民は日本企業が原発建設に参画することで、原発の安全性が高まると考えていると言っていいでしょう。日本の工業製品の緻密さ、ごまかしのない品質、耐久性などを知っているからです。

 技術は普段に使っていなければ、やがて廃れます。伊勢神宮が20年に1度、建て替え(遷宮)を行うのは技術継承のためと言われますが、原発も建設、メンテナンスをやり続けなければ、技術はいずれ雲散霧消するでしょう。今から半世紀以上前にSF作家、アイザック・アシモフ氏が執筆した『銀河帝国の興亡』という長編SFには、遠い未来の銀河系でエネルギー不足のなか、残った原発を何とか使う人類の姿が描かれています。些末(さまつ)な背景にすぎませんが、原発技術が途絶えるというフィクションには妙なリアリティーがありました。

 

■原子力先進国としての義務

 原子力という人類が得た技術を短期間の判断や限られた人の意見で捨てるべきではないでしょう。技術は失敗のなかで高められ、より安全で人類に役立つものになるはずだからです。福島第1原発事故が起きた原因は完全ではないにせよわかってきており、その対応策を高浜原発も含めた各地の原発が進めています。原発に対し厳しい視線を向け、問題点をひとつひとつ改善し、これから原子力を利用する国に技術や知見として手渡していく。これは原子力先進国の日本の人類に対する義務ではないでしょうか。

 

 高浜原発から遠く離れた下北半島の突端、青森県大間町でJパワーが建設を進める大間原発はすべての燃料を使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを混ぜたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料にできるという新しいタイプの原発です。多くの国が原発を使うようになった時に来るウラン燃料の不足を補う技術的展開といえるでしょう。現在、大間原発の工事は中断していますが、雪も地面に積もらないほどの強風が吹き付ける寒冷の地で、現場を保守し、工事再開につなげようという人たちの懸命な姿がありました。近くの山の尾根には多数の風力発電機が並び、原発と再生可能エネルギーがしっかりと共存する光景が広がっていました。

 原子力はまだ完璧な技術になっていないのかもしれませんが、性急に是非を決めるのではなく、「未来の選択肢」として次世代につなぐ必要があるでしょう。

 

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日経アンケート 高浜原発停止 司法判断を支持する?2016年3月28日

(2016/3/12 6:00)

(1)大津地裁が関西電力高浜原子力発電所3、4号機の運転停止を命じる仮処分を決定しました。稼働中の原発が司法判断によって停止するのは初めてです。あなたはこの決定を支持しますか。

 支持する 39.8%
支持しない 60.2%
 
支持するが4割もあるとは驚きだ!

(2)政府は東京電力福島第1原発事故後、新しい規制基準を安全の根拠として原発の再稼働を進めています。政府の原発に対する安全対策は十分だと思いますか。

十分である43.1%

十分でない46.9%

安全対策を知悉している人は、読者の1割もいないだろうに。

 
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偽善で売名 杉様2016年3月26日

先週、日本では、東日本大震災5年の節目を迎えました。

様々な関連ニュースが報じられる中、日本では、俳優の杉良太郎さんによる復興支援の話題がインターネット上で話題になっているそうですね。

その内容は、震災直後、被災地にボランティアに駆けつけた杉さんへのインタビューを改めて紹介したもの。

「偽善とか売名と言われることもあると思いますが…」

と聞かれた杉さんが、

「ああ、偽善で売名ですよ。偽善のために今まで数十億を自腹で使ってきたんです。私のことをそういうふうにおっしゃる方々もぜひ自腹で数十億出して名前を売ったらいいですよ」

以上コピペ

僕も含め、大多数の国民は杉様がこんなことしていることを知らないのだから、売名にはならないだろう。誰が偽善で売名などと罵るのだろうか。もしそういう人がいるとしたら、どうせ匿名の卑怯者だろう。

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鴻海、出資1000億円減で契約へ 来週にもシャープ買収 主力行も融資で支援2016年3月26日

結局、中国企業にいいようにやられ、これからむしり取られるのではないか。鴻海は本社は台湾だが、工場の多くは大陸であり、社長は外省人でかつ中国共産党と近い人だ。新聞などでは台湾企業というが、単なる下請け企業があそこまで大きな下請けになれたのは中共の庇護があったから。シャープのために悲しむ。

2016/3/26 2:01
日本経済新聞 電子版

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープの買収について両社は25日までに大筋合意した。鴻海とシャープは30日にそれぞれ取締役会を開いて買収条件の見直しを決める方針。出資額を当初予定の4890億円から1000億円程度減らす。シャープが買収の受け入れを発表してから約1カ月を経て、難航した交渉が決着へ向かう。

 

 両社の取締役会での決議を受け、鴻海は出資の内金として1000億円の保証金をシャープに支払う。その上で31日に買収契約を締結することを目指す。

 シャープは2月25日に鴻海傘下入りを決め、鴻海から4890億円の出資を受けると発表していた。ただ、将来の負債となる恐れのある偶発債務があることをその前日に鴻海へ通告。これを問題視した鴻海はシャープの通期業績も悪化する見通しがあるとして、最大2000億円規模の減額を要求していた。

 今回、両社の協議で減額幅を1000億円程度にすることになった。出資額が減ってもシャープが発行する株式の買い取り価格を引き下げることで、鴻海の出資比率は当初の予定通り66%になる見通しだ。

 出資減額以外の条件も固まった。シャープの主取引銀行のみずほ、三菱東京UFJ両行は週明けから行内手続きに入り、資金繰りを支援するため30日までに3000億円規模の追加融資枠の設定などを正式に決める。月末に返済期限を迎える5100億円の協調融資の借り換えに応じる。

 鴻海は主力2行が保有するシャープの優先株2000億円のうち、1000億円分を額面で買い取る考えだった。これについて2行と鴻海は買い取り時期を当初予定の今夏よりも3年程度先延ばしする方針。買い取り額の調整も続ける。

 シャープは2015年3月期に2200億円超の連結最終赤字を計上。16年3月期は100億円の営業黒字を計画しているが、液晶事業の不振などで大幅な営業赤字に転落する可能性がある。今後、鴻海の資金力を活用して経営改革に取り組む。鴻海から得た資金で、次世代ディスプレーとして注目される有機ELなどに巨額の投資をし、競争力を回復させる。

 鴻海はシャープに役員を派遣して経営再建を主導する考えだ。

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高浜原発仮処分に関電社長「到底承服できない」 逆転勝訴したら住民に損害賠償請求「検討対象に」2016年3月21日

産経新聞 3月18日(金)18時46分配信

  関西電力の八木誠社長は18日、大津地裁による高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止め仮処分決定に対し、「極めて遺憾で到底承服できない」と強く批判した。その上で「現時点では何も決めていないが、一般的に逆転勝訴した場合、損害賠償請求は検討対象になる」と述べ、仮処分決定が覆った場合、仮処分を申請した住民らに対し損害賠償請求する可能性について言及した。会長を務める電気事業連合会の定例記者会見で語った。

 自身の経営責任については「原発の再稼働で値下げし、顧客の負担を減らすことが経営責任だ。仮処分の早期取り消しに全力をあげる」と強調した。関電社長と電事連会長を退任するとの観測が出ていることについては「人事はノーコメント」と述べるにとどめた。

以上コピー

住民に損害賠償請求するのは当然だが、おそらく何百億にもなる損害金の支払い能力はないだろう。当然に、担保も取らないでかような決定をした裁判官に請求すべきだが、その制度はないので、国家賠償請求をすべきだろう。関電には、日本国全体のためにも、やって欲しい。

 

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原発も家族の形も「裁判所が全部決めている」 (風見鶏)2016年3月21日

2016/3/20 3:30日本経済新聞 電子版

 日本が近代国家へと歩み始めたのはいつか。江戸幕府の威信が揺らいだという点では、1860年3月の「桜田門外の変」が転機となった。そこから倒幕の動きが加速し、明治維新を経てアジア初の立憲政治の実現につながっていく。

 

 参院議員会館の高層階からの眺めは、往時をしのぶのにもってこいだ。大老の井伊直弼が住んでいた彦根藩邸跡に立つ憲政記念館の時計塔が見え、その先に江戸城に至る道すじと雪の中の暗殺現場となった桜田門が望める。

 時計塔の3本の柱は「立法」「行政」「司法」の三権分立を象徴している。昨年夏はその近くを安全保障関連法案に反対する数万人のデモ隊が埋めた。野党は安保法が3月末に施行されても「安倍政権は違憲の法律をごり押しして立憲政治をゆがめている」と厳しく追及する方針だ。

 日本は先進民主主義国家に違いないが、最近は三権のバランスはこれで良いのかと疑問に思う機会が増えた。この数カ月だけでも政府首脳や与野党議員が固唾をのんで司法判断を見守るケースが相次いだ。

 自民党の閣僚経験者が自嘲気味につぶやく。「家族の形も、選挙制度も、米軍基地移転も、原発再稼働も、国会ではなく裁判所が全部決めている」

 昨年12月16日、最高裁は2つの判断を示した。

 女性に離婚後6カ月間の再婚禁止期間を設けた民法733条のうち、100日を超える部分は「違憲」。

 夫婦は同じ姓を名乗るとする民法750条は「合憲」。選択的別姓制度に合理性がないと断ずるものではないと付言した。

 再婚禁止期間は速やかな法改正を求め、夫婦別姓制度では国会で議論して結論を出すよう促した。

 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題は少し前進した。今年1月に福岡高裁那覇支部が2つの和解案を示し、国と県が3月4日に合意にこぎ着けた。ただその内容には違和感がある。

 【A案】新飛行場を供用開始後30年以内に返還または軍民共用とする交渉を米国と開始。返還後は国営の民間機用空港とする。

 【B案】現在の訴訟を取り下げ、国と県は違憲確認訴訟判決まで円満解決に向けた協議を行う。

 国と県はB案に沿って和解した。政府内にはA案を評価する声もあった。しかし軍事の抑止力や日米交渉の中身まで裁判所が指示をすべきだとは思えない。

 9日、大津地裁は関西電力高浜原発(福井県高浜町)の運転差し止めを命じる仮処分決定をした。原発推進派の自民党議員は「裁判所が個別の発電所の安全審査までやるのか」と不快感をあらわにした。

 日本は法治国家だから判決結果に従うのは当然だ。しかし本来は有権者に選ばれた国会議員がもっと処方箋を示し、利害を調整していくべきではないか。

 最高裁は「高度に政治的な事案は明白に違憲でない限り、内閣や国会の判断に従うべきだ」との統治行為論の考え方をとってきた。政治が役割を十分に果たさないため、司法の出番が増えているように感じる。

 家族の形、衆参選挙での「1票の格差」是正、憲法への自衛隊の明記などは、長い時間があったにもかかわらず見直しが先送りされ続けてきた。今のままでは「国論を二分した状況を放置するより最高裁に決めてもらった方がいい」との声が出かねない。

 明治は遠くなり、現憲法も施行から来年で70年となる。日本の立憲政治と三権分立は設計通りに機能しているのか。そろそろ一度点検してみた方がいい。

(編集委員 坂本英二)

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関電高浜、差し止め判決の背景は「政治の無責任」2016年3月19日

 

(石井孝明、アゴラ研究所フェロー、ジャーナリスト)

関西電力の高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを滋賀県の住民29人が求めた仮処分申請で、大津地裁(山本善彦裁判長)は3月9日に運転差し止めを命じる決定をした。関電は10日午前に3号機の原子炉を停止させた。稼働中の原発が司法判断によって停止するのは初めてだ。何が裁判で問題になったのか。

 初の稼働中の原発停止

同原発の3号機は、原子力規制委員会の新規制基準の適合性審査に合格し、最終検査のために今年1月29日に再稼動、送電を行っていた。また同4号機は2月26日に再稼動したが、29日に変圧器周りのトラブルで停止していた。この裁判の原告は隣接した隣県の住民だ。立地県以外の申し立てが審理されたのも珍しい。

福井地裁では14年5月に、行政訴訟として大飯原発3、4号機の差し止め判決が出た。その判決は名古屋高裁で控訴審中だ。また福井地裁では高浜原発3、4号機について規制委が基準適合性を認めたことに対する運転差し止めの仮処分の請求訴訟が行われた。15年4月に差し止めの仮処分決定が出たが、同年12月にその決定の取り消しの判断が同地裁の異議審査で決まった。大飯、高浜の差し止め判決は同一の樋口英明裁判長の下で出た特異な例と思われたが、再び原発に厳しい判断が下されている。

関電は9日「極めて遺憾で到底承服できない。速やかに不服申し立ての手続きをする」とのコメントを出した。今後は関電の経営に悪影響が加わる。今年5月に予定していた引き上げ後の電力料金値下げの見送りを表明した。

また再稼動を認めた地元の福井県高浜町の野瀬豊町長は「司法に私たちが翻弄される」と不満を述べた。判決の社会的影響はかなり大きいが、その配慮は判決文からはうかがえない。

 リスクゼロ求める裁判所

仮処分決定によれば大津地裁は争点を7つ抽出した。「立証責任の所在」、「過酷事故対策」、「耐震性能」、「津波に対する安全性」、「テロ対策」、「避難計画」、「保全(この場合は、原発の差し止めによる安全性の確保という意味)の必要性」についてだ。

以下の論理展開を行っている。

1・危険性がないとの挙証責任は関電にある。

2・いずれの論点でも、関電の説明では、危険がないと明確に判断できない。「危惧すべき点や疑問が残るのに、関電は安全性の説明を尽くしていない」と総括した。

3・新規制基準が正しいかは分からないが「公共の安寧の基礎と考えるのは、ためらわざるをえない」との感覚的表現を使っている。

4・地震については、関電が設定し、規制委が認めた基準地震動700ガルは妥当か不明としている。

5・福島第一原発事故の原因究明はまだ行われていないことが、判断の理由の一つ。

6・事故が起こる可能性があるために、原発は運転してはならない。

大津地裁の判断は不思議で、稚拙な論理展開であろう。原子力発電の危険性を、科学的、確率論的に判断することはせず、「説明は尽くしていない」「判断できない」と、感覚的に指摘する。また判断根拠も原子力関連の諸法規では、原子力規制委員会に判断が委ねられている。ところが、この判決ではその法律の趣旨の検証もしていない。

福島事故については、報告書は政府など7組織が編集し、津波による全電源喪失が理由と分かっている。そして判断の根拠法も示していない。そして原発を否定する議論の中で多用される「リスクゼロ」を、事業者に求めているのだ。

かつて中部電力の浜岡原発(静岡県)の運転指し止め訴訟で、それを退けた静岡地裁は2007年10月の判決の「原子炉施設に求められる安全性」の項で次のように述べている。

「「原子炉施設の安全性」とは、起こりうる最悪事態に対しても周辺の住民等に放射線被害を与えないなど、原子炉施設の事故等による災害発生の危険性を社会通念上無視しうる程度に小さなものに保つことを意味し、およそ抽象的に想定可能なあらゆる事態に対し安全であることまで要求するものではない」

これは震災前とはいえ、妥当な判断である。つまり「ゼロリスク」を裁判所はこれまで求めてこなかったのだ。福井地裁の判断は、根拠も示されず、裁判所の権限の逸脱であろう。

 無責任体制の招く「司法リスク」

今回の判決には、原子力をめぐる社会環境の変化が反映している。福島事故でゼロリスクが達成されているとした安全神話が崩壊した。その結果、政府や行政への不信が強まり、これまであいまいだった「どこまで安全か」の基準が壊れ、そして誰も新しくそれを設定しようとしない。政府や行政は責任から逃げる。

安倍晋三首相、そして与党政治家は「世界最高水準の厳しい規制とされる規制基準に適合していると規制委が判断した原子力発電所は再稼動させる」と繰り返す。これは責任を規制委に転嫁した発言だ。

一方で原子力規制委員会の田中俊一委員長は「私たちは規制基準の適合性だけ審査する」「規制委に再稼動を判断する権限はない」「私は絶対安全とは言わない。原子力に絶対安全はない」と述べる。これは法律的に正しいし、科学者としても当然の発言だ。しかし政治の無責任と合わさって、田中氏の態度は責任の所在を不明確にしている。

関電は「規制基準に適合させた」という弁論を展開した。この新規制基準は、関電の作ったものではないから論証が明確に行えない。そもそも原子力規制委員会の現在の安全規制は、審査官の裁量で左右される不透明性が指摘されている。電力会社はその意図を説明しつくすことはできないだろう。

裁判で反原発を唱える弁護団は意図的なのか、政治、行政、電力会社のちぐはぐな対応の部分を突いてきたようだ。誰も積極的に「安全である」と断言しない構造の中で、「リスクはゼロではないから、原発は使ってはいけない」という論法を展開。それに裁判所が乗ってしまった格好だ。

国民的な合意ができない以上、安全性についてリスクの範囲をどこかで線引きし、それにしなければならない。しかし逃げ腰の政府がそうした線引きをする可能性は少ない。原子力の安全性は当然追求されなければならない。ところがその範囲を無限大にすると、無限の対策をするか、原子力を使わないという選択が導かれてしまう。原子力を使うメリット、使わない事による負担増という事実は忘れられてしまう

福島原発事故の衝撃は、まだ社会から完全に消えていない。「絶対安全」を多くの人々が求め、それを反原発の立場の人たちが利用する。原子力発電の安全の確保は当然だが、それが常識を越えてしまうほど過剰な「リスクゼロ」を社会で求める人が増えている。そして電力会社の経営、国民の電力料金の負担などの重要な問題が顧みられない。

今後も原子力をめぐるおかしな判決が続く可能性がある。電力事業者は「司法リスク」を覚悟した方がよいようだ。そして原子力政策の混乱は、原発の停止による国民負担を増やし、リスク回避に見合ったメリットを国民の誰もが受け取れないだろう。訴訟費用を負担した29人の原告が満足感を得て、そして集団訴訟で金銭的利益を得る弁護士たちが喜ぶだけだ。そして2200万人の関西地区の人々が、値下げを享受できなくなった。

こうした状況を止めるのは、政治の決断しかない。政治的に難しいことは理解するが、政治の明確な決断をしてほしい。

民主党の野田佳彦首相は14年4月に大飯原発を動かすときに「責任は私と政府にある」と明言した。しかし安倍晋三首相からは、こうした言葉が出てこない。

(石井孝明、アゴラ研究所フェロー、ジャーナリスト)

関西電力の高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを滋賀県の住民29人が求めた仮処分申請で、大津地裁(山本善彦裁判長)は3月9日に運転差し止めを命じる決定をした。関電は10日午前に3号機の原子炉を停止させた。稼働中の原発が司法判断によって停止するのは初めてだ。何が裁判で問題になったのか。

 初の稼働中の原発停止

同原発の3号機は、原子力規制委員会の新規制基準の適合性審査に合格し、最終検査のために今年1月29日に再稼動、送電を行っていた。また同4号機は2月26日に再稼動したが、29日に変圧器周りのトラブルで停止していた。この裁判の原告は隣接した隣県の住民だ。立地県以外の申し立てが審理されたのも珍しい。

福井地裁では14年5月に、行政訴訟として大飯原発3、4号機の差し止め判決が出た。その判決は名古屋高裁で控訴審中だ。また福井地裁では高浜原発3、4号機について規制委が基準適合性を認めたことに対する運転差し止めの仮処分の請求訴訟が行われた。15年4月に差し止めの仮処分決定が出たが、同年12月にその決定の取り消しの判断が同地裁の異議審査で決まった。大飯、高浜の差し止め判決は同一の樋口英明裁判長の下で出た特異な例と思われたが、再び原発に厳しい判断が下されている。

関電は9日「極めて遺憾で到底承服できない。速やかに不服申し立ての手続きをする」とのコメントを出した。今後は関電の経営に悪影響が加わる。今年5月に予定していた引き上げ後の電力料金値下げの見送りを表明した。

また再稼動を認めた地元の福井県高浜町の野瀬豊町長は「司法に私たちが翻弄される」と不満を述べた。判決の社会的影響はかなり大きいが、その配慮は判決文からはうかがえない。

 リスクゼロ求める裁判所

仮処分決定によれば大津地裁は争点を7つ抽出した。「立証責任の所在」、「過酷事故対策」、「耐震性能」、「津波に対する安全性」、「テロ対策」、「避難計画」、「保全(この場合は、原発の差し止めによる安全性の確保という意味)の必要性」についてだ。

以下の論理展開を行っている。

1・危険性がないとの挙証責任は関電にある。

2・いずれの論点でも、関電の説明では、危険がないと明確に判断できない。「危惧すべき点や疑問が残るのに、関電は安全性の説明を尽くしていない」と総括した。

3・新規制基準が正しいかは分からないが「公共の安寧の基礎と考えるのは、ためらわざるをえない」との感覚的表現を使っている。

4・地震については、関電が設定し、規制委が認めた基準地震動700ガルは妥当か不明としている。

5・福島第一原発事故の原因究明はまだ行われていないことが、判断の理由の一つ。

6・事故が起こる可能性があるために、原発は運転してはならない。

大津地裁の判断は不思議で、稚拙な論理展開であろう。原子力発電の危険性を、科学的、確率論的に判断することはせず、「説明は尽くしていない」「判断できない」と、感覚的に指摘する。また判断根拠も原子力関連の諸法規では、原子力規制委員会に判断が委ねられている。ところが、この判決ではその法律の趣旨の検証もしていない。

福島事故については、報告書は政府など7組織が編集し、津波による全電源喪失が理由と分かっている。そして判断の根拠法も示していない。そして原発を否定する議論の中で多用される「リスクゼロ」を、事業者に求めているのだ。

かつて中部電力の浜岡原発(静岡県)の運転指し止め訴訟で、それを退けた静岡地裁は2007年10月の判決の「原子炉施設に求められる安全性」の項で次のように述べている。

「「原子炉施設の安全性」とは、起こりうる最悪事態に対しても周辺の住民等に放射線被害を与えないなど、原子炉施設の事故等による災害発生の危険性を社会通念上無視しうる程度に小さなものに保つことを意味し、およそ抽象的に想定可能なあらゆる事態に対し安全であることまで要求するものではない」

これは震災前とはいえ、妥当な判断である。つまり「ゼロリスク」を裁判所はこれまで求めてこなかったのだ。福井地裁の判断は、根拠も示されず、裁判所の権限の逸脱であろう。

 無責任体制の招く「司法リスク」

今回の判決には、原子力をめぐる社会環境の変化が反映している。福島事故でゼロリスクが達成されているとした安全神話が崩壊した。その結果、政府や行政への不信が強まり、これまであいまいだった「どこまで安全か」の基準が壊れ、そして誰も新しくそれを設定しようとしない。政府や行政は責任から逃げる。

安倍晋三首相、そして与党政治家は「世界最高水準の厳しい規制とされる規制基準に適合していると規制委が判断した原子力発電所は再稼動させる」と繰り返す。これは責任を規制委に転嫁した発言だ。

一方で原子力規制委員会の田中俊一委員長は「私たちは規制基準の適合性だけ審査する」「規制委に再稼動を判断する権限はない」「私は絶対安全とは言わない。原子力に絶対安全はない」と述べる。これは法律的に正しいし、科学者としても当然の発言だ。しかし政治の無責任と合わさって、田中氏の態度は責任の所在を不明確にしている。

関電は「規制基準に適合させた」という弁論を展開した。この新規制基準は、関電の作ったものではないから論証が明確に行えない。そもそも原子力規制委員会の現在の安全規制は、審査官の裁量で左右される不透明性が指摘されている。電力会社はその意図を説明しつくすことはできないだろう。

裁判で反原発を唱える弁護団は意図的なのか、政治、行政、電力会社のちぐはぐな対応の部分を突いてきたようだ。誰も積極的に「安全である」と断言しない構造の中で、「リスクはゼロではないから、原発は使ってはいけない」という論法を展開。それに裁判所が乗ってしまった格好だ。

国民的な合意ができない以上、安全性についてリスクの範囲をどこかで線引きし、それにしなければならない。しかし逃げ腰の政府がそうした線引きをする可能性は少ない。原子力の安全性は当然追求されなければならない。ところがその範囲を無限大にすると、無限の対策をするか、原子力を使わないという選択が導かれてしまう。原子力を使うメリット、使わない事による負担増という事実は忘れられてしまう

福島原発事故の衝撃は、まだ社会から完全に消えていない。「絶対安全」を多くの人々が求め、それを反原発の立場の人たちが利用する。原子力発電の安全の確保は当然だが、それが常識を越えてしまうほど過剰な「リスクゼロ」を社会で求める人が増えている。そして電力会社の経営、国民の電力料金の負担などの重要な問題が顧みられない。

今後も原子力をめぐるおかしな判決が続く可能性がある。電力事業者は「司法リスク」を覚悟した方がよいようだ。そして原子力政策の混乱は、原発の停止による国民負担を増やし、リスク回避に見合ったメリットを国民の誰もが受け取れないだろう。訴訟費用を負担した29人の原告が満足感を得て、そして集団訴訟で金銭的利益を得る弁護士たちが喜ぶだけだ。そして2200万人の関西地区の人々が、値下げを享受できなくなった。

こうした状況を止めるのは、政治の決断しかない。政治的に難しいことは理解するが、政治の明確な決断をしてほしい。

民主党の野田佳彦首相は14年4月に大飯原発を動かすときに「責任は私と政府にある」と明言した。しかし安倍晋三首相からは、こうした言葉が出てこない。

 

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